見出し画像

【連作掌編】『ココロぐんだん!』 第1話「プンプン丸とメソッ子とニコニコ隊長」|心の中には、今日も小さな会議がある

最近の私、心の起伏が激しすぎる。

仕事も関係してるし、家族の事もかもしれない。
さらに文学フリマへの参加みたいな新しい遊びについてもです。

いろいろあります。
そう、いろいろです。
 

あらすじ

心の中には、いろんな子が住んでいる。
怒る子、泣く子、心配する子、失敗ばかりする子。

でも、きっとどの子にも役目がある。

これは、心の部屋で今日も大さわぎする、小さな仲間たちのお話。
連作掌編(全5話)

『ココロぐんだん!』 第1話 「プンプン丸とメソッ子とニコニコ隊長」 作:MMPP.K

 心の部屋のまんなかで、プンプン丸が足をふん!とならした。

 プンプン丸は、心の部屋の大切を守る係だ。
 それは大事だぞ!と思ったとき、誰より先に動く。

「もう!ゆるせない!」

 すみっこでは、メソッ子が小さくなっている。

 メソッ子は大切の記録係。
 失ったものや悲しかったことを、忘れないように抱えている。

 ぽた、ぽた、と涙が落ち、
 ひらいてあったノートの上に丸いしみをつくっていた。

 そこへ、ニコニコ隊長がやってきた。

 ニコニコ隊長は、心の部屋を明るくする係。
 誰かが笑うとき、だいたい最初に笑っている。

「なんだかにぎやかだね。どうしたの?」

 プンプン丸はノートを指さす。

「メソッ子が、ぼくの大事なノートに涙を落としたんだ!」

 メソッ子は、ぎゅっと手をにぎった。

「ごめん…ちょっと悲しいことを思い出して…止まらなくて…」

 ニコニコ隊長は、ふたりの顔を見くらべる。

「そっか。プンプン丸は“だいじなものを守りたかった”んだね。メソッ子は“悲しい気持ちを出していた”だけなんだね。」

 プンプン丸は、まだむすっとしている。

「でも、怒っちゃったんだよ!」

「怒るのは悪いことじゃないよ」

 ニコニコ隊長は、やさしく言った。

「怒りは“ここは大事だよ”って教えてくれるサインなんだ。」

 メソッ子は、涙をぬぐいながら聞いていた。

「わたしの涙も…サインなの?」

「そう。悲しみは“ここが痛かったよ”って教えてくれる記録なんだ。」

 プンプン丸は、ぽりぽりと頭をかく。

「じゃあ…ぼくも、メソッ子も、まちがってなかったの?」

「うん。ふたりとも、ちゃんと役目をはたしてたんだよ。」

 プンプン丸は、メソッ子のほうを向いた。

「ノートのこと、言ってくれてありがとう。ぼく、怒ったけど…ほんとは心配だったんだ。」

 その様子を見ていた、心の部屋の片隅のポカポカさんが、そっと近づいた。

 ポカポカさんは、心をあたためる係。
 自分にも、誰かにも、やさしい気持ちを届ける。

「ちゃんと伝えられて、よかったね」

 メソッ子は、小さくうなずく。

「涙が出ちゃうときもあるけど…話せてよかった。」

 ニコニコ隊長は、ぱっと笑った。

「じゃあ、今日は新しいページを書こう。“怒ったことも、泣いたことも、ちゃんと話せた日”ってね。」

 三人はノートを囲んで、ゆっくりと今日のことを書きはじめた。


第2話「がまんしすぎた日」

© 2026 MMPP Publishing
Home / Works / Creators / Lab /「note」/ Label / Legal / Contact