減る仕事があれば、新しく生まれる仕事もある。AI時代の新しいデザイナー8職種!
AIによってデザイナーの仕事はなくなる一方なのか…?
いや、違う!
たしかに、減る仕事はあるでしょう。しかし一方では、
新しく生まれている仕事もあるんです!!
実際に海外ではすでに、名前がつき、求人が出て、新しい職種で人が採用されはじめているものがあります。
今日はデザインの世界で新しく立ち上がってきた職種を、ドドンと8個紹介しちゃいます!!
日本のデザイン業界は、たいてい海外の流れを何年か遅れてたどります。だとすると、この8個も遅かれ早かれ日本に来る可能性が高い。
なくなる仕事があれば、新しく生まれてくる仕事もある。未来に向けて、新しい職種のことを一緒にキャッチアップしてみましょう!
AI時代、新しく登場したデザイナー新職種8個はこれだ!!
前半の6つは、すでに求人が並んでいるものになります。後半の2つは、まだ求人としては少ないけれど、記事で語られはじめているものです。
では早速見ていきましょう!
1️⃣ すでに求人が存在している職種
1. デザインマーケター
【背景】
広告クリエイティブの世界では、作る本数が爆発的に増えました。AIで何十パターンも作れるようになったからです。すると勝負どころが変わります。1本をどう作り込むかより、何を作って何を測るかを決める人が要るようになってきました。
【業務内容】
キャンペーンの戦略を、そのまま出稿できる広告やLPに変換する仕組みを設計します。作るだけでなく、数字もみていく。デザインとマーケティングの両方をつなぐ役割です。
【求人の状況】
海外では「パフォーマンスクリエイティブ」という名前で、すでに複数の企業が求人を出しています。「Performance Creative Strategist」「Director of Performance Creative」「Performance Creative Lead」といったタイトルが並びます。なかには「Creative Performance AI Expert」という、AIそのものを冠したものもありました。

出典:Pearmill(2026年9月7日撮影)
2. インタラクションデザイナー
【背景】
既存の職種ですが、これから価値が上がってくる可能性があります。AIによってUIデザインの叩きを作成する時間が大幅に圧縮されました。プロダクトの品質を上げ、差別化していくためには、インタラクションへの投資が見直され始めています。
【業務内容】
UIの平均的な基準が上がると、差がつくのは天井の側です。マイクロアニメーション、間の取り方、押したときの手応え。言語化しにくくて、指示しにくくい。でも触れば感じる部分。インタラクションデザインを追求する職人的な役割です。
【求人の状況】
もともと定着している職種なので、求人は普通に並んでいます。注目したいのは、そのなかに「AI Interaction Designer」というタイトルが混ざりはじめていることです。AIとのやりとりそのものを設計する枠として、既存の職種が拡張されつつあります。

出典:Google Careers(2026年9月7日撮影)
3. クリエイティブテクノロジスト
【背景】
デザインとエンジニアリングの境界が溶けてきています。AIで実装のハードルが下がったぶん、両方をまたげる人の価値が跳ね上がっています。
【業務内容】
エンジニアと話せる程度のコード知識を持ちながら、アートディレクターと話せる程度のデザインの知識も持つポジションです。実務としては、コンセプトを動くプロトタイプに落とす、AIを組み込んだ体験を試作する、デザインと実装の橋渡しをする、といったあたりを担います。プロダクト寄りの文脈では「デザインテクノロジスト」と呼ばれ、AmazonやeBayが使っているのがこのタイトルです。

出典:Amazon Jobs(2026年9月7日撮影)
【求人の状況】
求人は複数の企業から出ています。「UX Creative Technologist, Vice President」のように役員級のものもあれば、「Creative Technologist - Agentic」「Creative Product Technologist, Data & AI」のようにAIを冠したものもある。デザインテクノロジスト側でも「Senior Design Technologist, AI Tooling」という募集が出ていました。
4. 中小企業向けのクリエイティブディレクター・アートディレクター
【背景】
これまでクリエイティブディレクターやアートディレクターは、大企業か代理店にいることがほとんどでした。それが変わりつつあります。AIによって小規模組織でもクリエイティブの制作能力が底上げされ始めている中で、クリエイティブをどう戦略的に使っていくか戦略を考えていくことが優位性に直結するようになってきています。アメリカでは、部分参画型ではありますが、中小企業の40%以上が2026年末までにこうした経営人材を使う見込みだ、という予測も出しています。
【業務内容】
やることは通常のクリエイティブディレクターと変わりません。ブランドの方向性を決め、制作物の品質基準をつくり、外部のデザイナーや制作会社を選んで、アウトプットをレビューする。しかし、動きとして「部分参画型」という考え方が浸透しつつあります。常駐で週5日いる必要はないことも多いため、業務委託的に関わったり、同時進行で複数社担当することもありようです。

出典:AI Sherpa Studio(2026年9月7日撮影)
【求人の状況】
ここだけ、他の5つとは求人の探し方が違います。常勤前提の求人サイトには載りにくいからです。ただ、ZipRecruiterのようなサイトには「フラクショナルクリエイティブディレクター」というカテゴリ自体が存在していて、年収は9万9千ドルから17万ドルほどで並んでいます。
5. Design AI Ops
【背景】
制作現場にAIツールが本格的に入ってきました。でも入れただけでは回りません。どのツールをどこに使うか、品質をどう担保するか、権限をどう設計するか。そういったAI導入後の制作フローを整備する人の需要が高まっています。
【業務内容】
海外では「AIオペレーター」という言い方も出てきています。各種の自動化から最大限を引き出す方法を知っている人、という定義です。面白いのは、2026年に伸びているエージェンシーが、人を増やして伸びているのではなく、一人あたりのアウトプット量を増やして伸びているという指摘です。そのように、一人あたりの生産性を上げる仕組みを作るのが、この役割です。
【求人の状況】
「クリエイティブオペレーションズ」という職種自体は、すでに完全に確立しています。「Senior Creative Operations Lead, Brand」「Creative Operations Manager」「Creative & Design Operations Lead」といった求人が、複数の企業から出ています。そこにAIの整備という役割が乗ってきている、という段階です。

出典:NEW ERA Digital Marketing(2026年9月7日撮影)
6. カンバセーションデザイナー
【背景】
AIとの接点として、チャットや音声でのやりとりが広がっています。そのため「どんな画面にするか」ではなく「AIにどんな受け答えをさせるか」を設計する必用性が高まってきています。
【業務内容】
人とAIの対話そのものを設計します。何を聞き返すか、どこで諦めるか、どう言い換えるか。必要なスキルの組み合わせが独特です。会話設計、UX、言語学、そして人間心理の知識が必要になります。ビジュアルデザインの枠からはみ出ている職種ではありますが、新しいデザイナー職として紹介しておきます。
【求人の状況】
ここが一番わかりやすく数字に出ています。JPMorganChaseは「Conversation Designer Vice President」というタイトルで、役員級のポジションとして募集しています。Wells Fargoの「Voice Conversation Designer」は年収10万ドルから17万ドル台。Highmark Healthの「Senior AI Conversation Experience Designer (CXD)」は10万ドル台から18万ドル台。金融や医療まで動いているのが興味深いところです。

出典:JPMorganChase(2026年9月7日撮影)
2️⃣ これから求人がでてきそうな職種
ここからの2つは、まだ求人としては数が少ないものです。ただ、名前がつき、必要性が語られはじめています。
7. フォワードデプロイドデザイナー(FDD)
【背景】
エンジニアの世界に「フォワードデプロイドエンジニア(FDE)」という職種があります。最近流行ってるやつです。日本でも最近よく聞くようになってきました。顧客企業の中に入り込んで、その会社専用の仕組みを作るエンジニアです。Palantir発の言葉で、いまはAnthropicもOpenAIもDatabricksも同じモデルを採用しています。
【業務内容】
フォワードデプロイドデザイナー(FDD)は、FDEのデザイナー版です。クライアントの中に入り、その会社専用のクリエイティブ制作フローを、AIを含めて構築する。納品するのはデザインではなく、デザインが生まれ続ける仕組みです。
【求人の状況】
デザイナー版の求人はまだ多くありません。いま数が出ているのはエンジニア版のほうで、DigitalOceanの「Staff Forward Deployed Engineer, AI/ML」が年収19万ドルから23万ドル台、Palantirの「Forward Deployed Infrastructure Engineer」が13万から14万ドル台という水準です。
一方で、言説のほうは先に立ち上がっています。ユーザビリティ研究の第一人者であるヤコブ・ニールセンが、この職種について書いています。

出典:UX Tigers / Jakob Nielsen(2026年9月7日撮影)
https://www.uxtigers.com/post/fdd-workflow-redesign
ちなみにニールセンは、これをもっと広く捉えています。クリエイティブ制作に限らず、業務プロセスそのものをAI前提で再設計する仕事だ、と。
8. ブランドハーネスデザイナー
【背景】
AIでコンテンツを作る量が、一気に増えました。バナーも、メールの文面も、SNSの投稿も、まずAIが下書きする。そのため、ブランドガイドラインを一番よく参照する相手が、人からAIに変わりつつあります。
【業務内容】
これまでのガイドラインは、人が読んで意図を汲み取る前提で作られていました。「温かみのあるアースカラー」と書いてあれば、デザイナーが解釈して色を選ぶ。でもAIは解釈しません。正確な値とルールがないと動けない。
やるのは、色・書体・余白・トーンを構造化されたデータとして定義し直すこと。そして、AIが出したものが基準から外れていないかを自動で判定できる状態にすること。ブランドブックを「人が読む文書」から「機械が守れるルール」に翻訳する仕事です。
私はこれを、CIやVIの仕事がなくなる話ではなく、成果物の形式が変わる話だと受け取りました。仕組みづくりがアウトプットに含まれていくのだと思います。
【求人の状況】
まだ「ブランドハーネスデザイナー」という名前の求人は立っていません。いまはデザインシステム担当のプロダクトデザイナーの求人が、その受け皿になりつつある段階です。一方でFrontifyやMonigleといったブランド管理ツールの会社は、すでにこの領域を専門サービスとして売りはじめています。

出典:Frontify(2026年9月7日撮影)
おわりに
8つ並べてみて気づいたことがあります。多くは「作る人」から「作れる仕組みを作る人」への移動でした。
ただし例外もあります。
例えば2番目に紹介した、インタラクションデザイナー。この職種は逆の動きで、作る人としての純度をひたすら上げる方向です。
仕組みづくりは遅かれ早かれ、いつか最適解が出揃います。仕組みが整った後は「表現を突き詰める」「表現を開発していく」流れが強まるのではないかと思っています。ただ、直近1~2年は仕組みを作る側に寄る流れがメインになりそう。
ここに挙げた8つは、すべて海外の話にはなりますが、そう遠くない未来、日本でも求人が生まれてくるかもしれません。
自分だったら、この8つの職種のうち、どれならやってみたいかな〜と考えてみると、未来に少しワクワクできるかもしれません。
大変なことも多いですが、せっかくなので、一緒にこの過渡期を楽しんでいきましょう!!
おしまい!
お知らせ
私が代表を務めるデザインスクール「NOT DESIGN SCHOOL」では、一人ひとりに合わせたカリキュラムでデザインを学べます。今回書いたようなAI時代のキャリアの話も、そのひとつです。デザインを学び直したい方、独学に限界を感じている方は、公式サイトをのぞいてみてください。
Xでは、デザインやAIについての気づきを日々発信しています。ポッドキャストやYouTubeもやっているので、よければこちらもどうぞ。
X: https://x.com/mochitaro_de
YouTube: https://www.youtube.com/@mochi-design
ポッドキャスト: https://open.spotify.com/show/6zEuVbqHgMc6zzcWy44cRQ?si=f1ca148e4e0e4ce7
いいなと思ったら応援しよう!
読んでいただきありがとうございます!デザイナーのためになる記事を書けるよう頑張ります(^◇^)