「こんなに練習しているのに、なぜ評価されない?」と思ったら考えてほしいこと
こんにちは♪
今年の夏は、なんだかんだ暑い日が少ないように感じて、個人的には少し過ごしやすかった気がします🤤
……とはいえ、昔に比べたらやっぱり激アツですよね。
35度なんて、昔は「ありえない!」という感じだったのに😵
さて、今回は少し真面目なお話です。
私自身の経験から、ぜひ一度考えてみてほしいことがあります。
「誰よりも練習しているのに、なぜ?」
私自身、以前は誰よりも練習していた時期がありました💪
今振り返ってみても、その時間は決して無駄ではありませんでした。
技術も身につきましたし、演奏するための土台にもなりました✌
でも……
試験やコンクールでは、なかなか思うような結果が出ませんでした。
「こんなに練習しているのに、どうして?」
そう思うこともありました。
もちろん、自分の演奏に足りないところはあります。
「ここを直さなければ」
「もっと上手くならなければ」
そう考えて練習する。
それでも、人と比べたときに、
「 どうして自分より、この人のほうが点数が高いんだろう?」
と思うことがありました。
もちろん、
「これは完敗だ……参りました!」(ノ*0*)ノ
と思う演奏もあります。
でも、たまに、
「正直、あまり自分の好みではないな……」
と思った演奏のほうが、自分より高く評価されていることもありました。
昔の私は、それがよく分かりませんでした。
ところが、あることに気づいてから、少しずつ考え方が変わっていきました。
いろいろな評価にも納得できるようになり、コンクールで「なぜこの人が評価されたのか?」を考えることも、以前よりできるようになりました。
そして何より、
自分自身の演奏を評価していただける機会も、少しずつ増えていきました。
そのきっかけになったのが、
「解釈」という色眼鏡
という考え方でした。
「自分が好きな演奏」と「良い演奏」は同じなのか?
曲を仕上げるとき、皆さんもきっと、
「ここはどう弾こう?」
と考えると思います。
例えば、
「ここは大きく盛り上げよう」
「ここは小さくしよう」
「この場面は戦いのシーンだから、荒々しい音色にしよう」
「ここは優しく、柔らかく歌おう」
など。
もちろん、これはとても大切なことです。
音楽をどう解釈するか。
これは演奏を作るうえで欠かせません。
でも、ここで一度考えてみてください。
その「解釈」は、本当に音になっていますか?
「好きじゃない演奏」が評価される理由
以前、ある人の演奏を聴いていました。
正直に言うと……
あまり好みの演奏じゃありませんでした😅
ところが、その人はコンクールで良い評価をもらいました。
そのとき、ふと思ったんです。
「あれ?」
「自分がこの演奏を好きじゃないのは、もしかして……」
「解釈」が自分と違うからでは?
例えば、自分が
「ここはフォルテだ!」
と思っている場所を、その人がピアノで演奏していたとします。
逆に、
「ここはピアノでしょう」
と思っているところを、フォルテで演奏している。
そうすると当然、自分には「なんだか気持ち悪い」と感じられます。
でも……
それは、その人の演奏が下手だからでしょうか?
違います。
単純に、
自分の解釈と、その人の解釈が違うだけかもしれません。
ここを分けて考えることが、とても重要でした。
コンクールは「解釈の論文発表会」ではない
少し極端な言い方をします。
コンクールや試験は、「解釈の論文発表会」ではありません。
もちろん、解釈は評価に関係します。
でも、
「私はこの曲をこう解釈しました!」
という考えそのものを発表しているわけではありません。
大切なのは、
自分が頭の中で描いた音楽を、実際の音としてどこまで実現できているか。
そして、
それが聴いている人にどこまで伝わっているか。
です。
音楽演奏の評価についての研究でも、演奏は「技術」だけではなく、「解釈」「表現」「音楽的要素」など、複数の観点から評価されることが整理されています。
つまり、
「解釈が違うからダメ」
という単純な話ではないんです。
むしろ、
・どんな解釈を持っているか
↓
・それをどんな音として実現したか
↓
・聴き手にどう伝わったか
この流れ全体を見る必要があります。
「解釈」と「達成率」を分けて考える
ここで、私が重要だと思っている言葉があります。
それが、
「達成率」
です。
例えば、
「ここは荒々しい音色にしたい」
と頭の中で考えたとします。
そこで、
「よし、荒々しい音色をイメージできた!✌」
で終わってはいけません。
実際に出た音を聴いて、
「本当に荒々しく聴こえている?」
と確認する。
「ここは遠くまで飛んでいくような音にしたい」
と思ったなら、
「実際の音は、本当にそう聴こえている?」
と確認する。
つまり、
解釈
「どう弾きたい?」
↓
達成
「実際にその音になっている?」
↓
伝達
「それが聴き手にも伝わっている?」
この3段階です。
私は、この「達成」の部分が以前の自分には足りなかったと思っています🤔
「頭の中では鳴っている」の罠
演奏家なら、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
頭の中では、
「ここはもっと大きく!」
「ここはもっと緊張感!」
「ここはもっと歌って!」
と思っている。
でも、録音を聴いてみると……
意外と普通¯\_( ͠° ͟ʖ °͠ )_/¯
あるいは、
「思ったほど大きくない」
「緊張感ではなく、ただ速くなっている」
「歌っているつもりなのに、フレーズが全然前に進んでいない」
なんてことがあります。
これ、結構ありますよね。
私もあります(笑)。
そして、ここがとても重要です。
頭の中にある音楽と、実際に鳴っている音は別物です。
自分の中では明確にイメージできていても、そのイメージがそのまま音になるとは限りません。
だからこそ、
「自分はどう弾きたいか?」だけではなく、「実際にはどう聴こえているのか?」を確認する必要があります。
上手い人ほど「ズレ」に気づく?
この考え方には、面白い研究があります。
熟達した音楽家の練習について研究したものでは、上達のためには単純に練習時間を増やすだけではなく、
目標を設定する → 実際の結果を確認する → 目標との差を見つける → 修正する
というフィードバックの循環が重要だとされています。
さらに近年の研究では、プロの弦楽器奏者は、練習録音を聴いたときに、
「自分が意図したもの」と「実際に演奏されたもの」のズレ
を、若い奏者より多く発見できたという結果も報告されています。
これを私なりに言い換えるなら、
>上手い人は、自分の演奏を「自分が弾いたもの」としてではなく、「聴き手として」聴く能力も高い。
ということです。
これって、ものすごく重要だと思いませんか?😊
「練習時間」だけでは足りない
ここで最初の話に戻ります。
私は以前、
**「誰よりも練習している」**
ということに、かなり自信を持っていました。
もちろん、練習量は大切です。
練習しなければ身につかない技術はたくさんあります。
でも、
10時間練習した人が、5時間練習した人より必ず良い演奏をするわけではありません。
重要なのは、
**「何時間練習したか」だけではなく、「何をフィードバックしながら練習したか」**
です。
例えば、
10時間ずっと、
「もっと上手く弾こう!」
と思って練習するのと、
1時間ごとに、
「今の演奏は、自分がイメージした音になっている?」
と確認しながら練習するのでは、意味が変わってきます。
だから、
「練習量が足りないから結果が出ない」
と決めつける前に、
「練習の中で、自分の演奏をどれくらい客観的に聴いているだろうか?」
と考えてみるのも大切だと思います。
実は、普段のレッスンにも「罠」がある
ここは、個人的にはかなり重要だと思っています。
レッスンでは先生から、
「ここはもっと大きく!」
「ここは○○の場面だから!」
「ここは○○みたいに!」
などと言われることがあります。
これらは、先生が持っている「解釈」を教えてくれている場合があります。
もちろん、先生や先人の音楽性を吸収することは、自分自身の音楽性を育てるうえで非常に大切です。
でも、
「解釈を知っている=良い演奏」
ではありません。
先生から、
「ここはもっと大きく!」
と言われて、
「はい、分かりました!」
と理解する。
それだけでは不十分です。
重要なのは、
「大きくする」という情報が、実際の音として成立しているか。
そして、
それが聴いている人に伝わっているか。
です。
レッスンで「今、何を教わっているのか?」を考える
私は、レッスンを受けるときに、
**「今、先生は何を指導しているんだろう?」**
と考えてみることをおすすめします。
例えば、
① 解釈
「ここはこういう場面だから、こう表現しよう」
↓
② 達成率
「そういう音楽をイメージしているのは分かる。でも、実際にはそう聴こえていないよ」
↓
③ 技術・練習方法
「その音を出すためには、この奏法を使おう」
この3つは、似ているようで全然違います。
ここを区別できるようになると、
「じゃあ、自分は次に何を練習すればいいのか?」
がかなりクリアになります。
「この人、曲のこと分かってない!」と思ったときに
他人の演奏を聴いて、
「この人、この曲のこと全然分かってないな……」
「もっとこうすればいいのに」
「ただ綺麗に弾いているだけじゃない?」
と思った経験はありませんか?
私も以前は、よくありました。
でも、それも一度立ち止まって考える必要があります。
もしかすると、
「自分の解釈と違う」だけなのかもしれません。
自分が考える「良い演奏」と、その人が考える「良い演奏」が違う。
それだけかもしれない。
もちろん、技術的な問題や音楽的な問題が明確にある場合もあります。
でも、
「自分の好みではない」
ことと、
「演奏として良くない」
ことは、同じではありません。
これを分けられるようになると、人の演奏を聴く耳もかなり変わってきます。
そして何より、
コンクールの結果に対して必要以上に「なぜ?」と悩まなくなる!
「自分の好みとは違うけれど、この人はこの音楽をしっかり実現しているな」
と考えられるようになります。
「技術」という色眼鏡にも注意する
そして、もう一つ。
「解釈」だけでなく、
「技術」という色眼鏡
にも注意が必要だと思います。
例えば、
「ものすごく速く弾ける」
「音量が大きい」
「難しいパッセージがきれい」
「4本マレットがすごく上手い」
こういうものは、もちろん素晴らしい技術です。
でも、
難しいことをやっている=良い演奏
ではありません。
技術は、本来、
「音楽を伝えるための手段」
だからです。
どれだけ速く弾けても、その速さが音楽を壊しているなら意味がありません。
どれだけ大きな音が出ても、その場面に必要な音色でなければ意味がありません。
どれだけ難しいパッセージを完璧に弾いても、音楽の流れが止まってしまえば、それは「技術を見せる演奏」になってしまいます。
もちろん技術を磨くことは必要です。
でも、
「技術があるか?」
だけではなく、
「その技術が音楽のために機能しているか?」
を見ることも大切です。
本番前にやってほしい「3つの質問」
では、実際に何をすればいいのでしょうか。
私がおすすめしたいのは、本番前にこの3つを確認することです。
① 私はどう弾きたい?
これは「解釈」です。
* どんな音色?
* どんなキャラクター?
* どこへ向かっている?
* どこで緊張する?
* どこで解放される?
* 何を伝えたい?
まず、自分の中に明確なビジョンを作ります。
② 実際にはどう聴こえている?
これが「達成」です。
録音して、自分の演奏を聴いてみます。
そして、
「ここは本当に大きく聴こえる?」
「本当に柔らかい?」
「本当に緊張感がある?」
「本当にフレーズが前に進んでいる?」
とチェックします。
ここでは、
自分が弾いたときの感覚ではなく、聴こえている結果
を判断してください。
③ 初めて聴く人にも伝わる?
最後が「伝達」です。
自分は曲について詳しく知っています。
作曲者についても調べています。
構成も分かっています。
だから、自分の中では、
「ここはこういう意味!」
と分かっている。
でも、初めてその曲を聴く人にはどうでしょうか?
その情報を知らない人にも、音楽として何かが伝わるでしょうか?
ここまで確認できると、かなり強いと思います。
録音するときは「演奏者」ではなく「審査員」になる
録音を聴くときのコツがあります。
それは、
「自分の演奏を評価しよう」としないこと。
では何をするか。
「初めて聴く人になったつもり」で聴いてみる。
そして、
「この演奏者は何をしたいんだろう?」
と考えてみる。
もし、自分の意図が分からなかったら、
「もっとこう弾かなければ!」
ではなく、
**「なぜ伝わらなかったんだろう?」**
と考えます。
音量なのか。
音色なのか。
アタックなのか。
テンポなのか。
間なのか。
フレーズなのか。
身体の動きなのか。
原因を探します。
これを繰り返していく。
これこそが、私の考える「達成率を上げていく練習」です。
コンクールで評価されるために
もちろん、コンクールにはさまざまな評価基準があります。
技術。
音楽性。
音色。
リズム。
解釈。
表現。
そして、聴き手へのコミュニケーション。
審査員も人間なので、多少の好みが評価に影響することはあるでしょう。
でも、
**一人の審査員の好みにハマることだけを目指しても、コンクールで勝ち続けるのは難しい。**
だからこそ、
「私はこういう演奏が好き!」
という部分だけで勝負するのではなく、
「この演奏は、音楽として成立しているか?」
という視点が重要になります。
自分の解釈を持つ。
その解釈を音にする。
そして、その音を聴き手に伝える。
この一連の流れを高いレベルで実現する。
それが、評価される演奏につながるのではないでしょうか😉
まとめ――「どう弾きたいか」の次に
私が以前やってしまっていたのは、
「自分の解釈を深めること」に一生懸命になりすぎていた
ということでした。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。
むしろ、演奏家にとって「どう弾きたいか」を考えることは、とても大切です。
でも、
「こう弾きたい」
というイメージを持つだけでは、まだ演奏にはなりません。
それを、
実際の音にする。
そして、
聴いている人に伝える。
そこまでできて初めて、自分の「解釈」が演奏として成立するのだと思います。
だから、もし今、
「こんなに練習しているのに、なかなか評価されない」
「自分より練習していないように見える人のほうが評価されるのはなぜ?」
と悩んでいる方がいたら、一度、
「解釈」ではなく「達成率」
という視点から、自分の演奏を聴いてみてください。
そして、
「どう弾きたいか?」
だけではなく、
「実際にはどう聴こえているか?」
さらに、
「初めて聴く人にも伝わっているか?」
を考えてみてください。
---
解釈 → 達成 → 伝達
この3つが揃ったとき、
「自分の中にある音楽」が、
「実際の音楽」になっていく。
私はそう考えています。
そして、これはコンクールのためだけの考え方ではないと思います。
普段の練習でも、レッスンでも、本番でも。
きっと演奏家である限り、ずっと向き合っていくテーマなのではないでしょうか。
私自身も、まだまだ勉強中です✏️
10代から活躍している天才たちには、こんなことは当たり前なのかもしれません(笑)。
でも、私は後から気づいたからこそ、こうして言葉にして皆さんと共有できます。
それも悪くないかな、と思っています😊
この記事が、試験やコンクールに向けて頑張っている方の、何か一つのヒントになれば嬉しいです。
それでは皆さん、
試験・コンクール、頑張ってください!💪🔥
最後まで読んでいただき、ありがとうございました♪
