映画『HAPPY END』
基本情報
映画『HAPPY END』(2024年) 監督・脚本:空音央 主演:栗原颯人(ユウタ)、日高由起刀(コウ)
近未来の日本を舞台に、幼馴染の高校生二人の友情を描いた青春映画。
一緒にやんちゃをしながら友情を深めていった二人だが、恵まれた家庭に育ったユウタ、出自による抑圧と進学の不安に向き合っているコウ。その違いが、自らが起こした事件を元に浮かび上がっていく。
近未来と80年代のあいだ
舞台は「近未来」とされるが、制服や校舎の雰囲気は80年代のそれを思わせる。違うのは、社会体制の変化、技術の進歩、社会の均一性が崩れていること、それが生む不安感だ。
だからこそ「友情だけは変えたくない」という意識が強調されるのだろう。
尾崎豊的な反抗、中島みゆき的な抗い
ユウタの「理解されない孤独」や「大人への反抗心」は尾崎豊の歌のよう。
一方、コウの「今は悪さできない、勉強しなきゃ」という言葉には、中島みゆきが歌った見えない壁への抗いが重なる。
同じ青春でも、意味合いは異なる。
対等であるための選択
物語のクライマックスで、ユウタは罪を背負い退学する。
それは「庇ってやった」ではなく、コウと対等であるための決断だったように思える。
生まれながらの格差を埋めるため、あえて自分にハンディを課したのかもしれない。
ラストのパンチ
ラストシーンのユウタの一撃は、怒りではなく感謝にも似た合図に見えた。
「俺は俺なりに考えて行動した」
それを言葉にできず、いつものじゃれ合いの延長でパンチに込めたのだろう。
青春は本当にめんどくさい。
でも、だからこそ素晴らしい。
参考:
深掘り記事・インタビュー
公式・基本情報
関連作品
坂本龍一『Ryuichi Sakamoto | Opus』 - 空音央監督前作
1990年代アジア映画特集 - 本作の映像的影響源
