【第9回 オーファンドラッグ Part2】世界はどこまで進んでいるのか ― Managed Entry Agreement・成果連動型契約の現在地 ―
この記事はnoteマネーにピックアップされました。 2026.08.12
「高額な治療だから、効果が出た患者の分だけ支払えばよい」
Outcome-Based Agreementや成果連動型償還について、このように説明されることがあります。
確かに、考え方の核心には、
「実際に得られたOutcomeとPaymentを結びつける」
という発想があります。
しかし、2026年現在、世界の制度を詳しく見ると、実態はそれほど単純ではありません。
英国では、治療へのアクセスを認めながら追加Evidenceを収集し、その後に再評価するManaged Accessが運用されています。
米国では、CMSがSickle Cell Disease(鎌状赤血球症)に対するGene Therapyについて、実際の患者OutcomeとRebateを結びつける**Outcome-Based Agreement(OBA)**を開始しています。
イタリアでは、AIFAが全国的なMonitoring Registryを基盤として、**Managed Entry Agreement(MEA)**を長年運用しています。
これらは似ているようで、目的も仕組みも異なります。
今回のPart2では、
「世界はRWEとPaymentを、実際にどこまでつなげているのか」
を見ていきます。
1.最初に整理したい ― MEA、Managed Access、OBAは同じではない
まず重要なのは、用語を混同しないことです。
Managed Entry Agreement(MEA)は広い概念であり、必ずしもすべてが患者Outcomeと支払いを直接連動させる契約ではありません。
イタリアAIFAはMEAを大きく、
Performance-Based Risk Sharing Schemes
と
Financial-Based Schemes
に分けています。
Performance-Basedには、
Payment by Result(PbR)
Risk Sharing(RS)
Success Fee(SF)
があり、
Financial-Basedには、
Cost Sharing(CS)
Capping
などがあります。[1]
つまり、
「MEA=Outcome-Based Agreement」ではありません。
価格割引や支出上限のように、患者ごとの臨床Outcomeを必要としないFinancial AgreementもMEAに含まれます。
またNICEのManaged Accessも、それ自体が「Outcomeが悪ければメーカーが返金する」という契約を意味するわけではありません。
NICEのManaged Access Agreementは基本的に、
Data Collection Agreement
と
Commercial Access Agreement
から構成されます。
前者は、どのEvidence Gapを、どのデータによって解消するのかを定めるものです。
後者はNHS Englandと企業との間で、NHSがどのCommercial Termsで医薬品を提供するかを定めるものです。[2]
一方、CMSのCGT Access Modelでは、患者OutcomeそのものがRebateに直接関係します。
したがって、世界の制度を理解するときには、
Accessを条件付きにするのか
価格を条件付きにするのか
PaymentをOutcomeに連動させるのか
追加Evidenceを集めて後で再評価するのか
を分けて考える必要があります。
2.NICE ― 「Evidenceが完成するまで待つ」のではなく「Accessしながら学ぶ」
英国、正確にはEnglandで特徴的なのがNICEとNHS EnglandによるManaged Accessです。
基本的な発想は、
Access while learning
と表現できるでしょう。
Cancer Drugs Fund(CDF)では、Clinical Uncertaintyが残る有望ながん治療について、患者アクセスを認めながら追加データを収集し、そのEvidenceをNICEによる将来のRoutine Funding判断に利用します。[3]
非がん領域では、2022年にInnovative Medicines Fund(IMF)が開始されました。
IMFでは、NICEがManaged Accessを推奨した有望な非がん医薬品について、Evidence Uncertaintyを解消する間、患者アクセスを可能にします。
NHS Englandによれば、CDFとIMFを合わせて**£680 millionのring-fenced funding**が用意されています。[4]
重要なのは、これは単なる「仮承認」ではないということです。
NICEはManaged Access期間中に、
何が不確実なのか
を特定します。
そして、
どのデータを収集すれば、その不確実性を解消できるのか
を検討します。
データ収集期間終了後には、新たなEvaluationを行い、Routine NHS Useとして推奨できるかを改めて判断します。[4]
つまり、
Initial Assessment
→ Managed Access
→ Evidence Generation
→ Reassessment
というEvidence Cycleが制度として存在しているのです。
3.遺伝子治療でもManaged Access ― CASGEVYの事例
この考え方は、Gene Therapyにも入り始めています。
2025年2月、NICEはSickle Cell Diseaseに対するexagamglogene autotemcel(exa-cel、CASGEVY)を、一定の条件下でManaged Accessとして推奨しました。[5]
このケースには、Commercial Access AgreementとManaged Access Agreementが設定されています。[5]
ここで重要なのは、
「Gene Therapyだから無条件で支払う」
でも、
「Evidenceが完全になるまで患者へ使わない」
でもないことです。
一定のClinical Promiseがある。
しかしRoutine Commissioningを判断するには重要なEvidence Uncertaintyが残る。
そこで、
患者アクセスを確保しながらEvidenceを追加する。
これがNICE型Managed Accessの基本思想です。
したがってNICEモデルでは、
Outcome → Refund
よりも、
Outcome / Additional Evidence → Reassessment
という関係が中心になります。
4.CMS ― ついにOutcomeとPaymentを直接つなぐ
NICEより一歩Payment側に踏み込んだ制度が、米国CMS Innovation Centerの
Cell and Gene Therapy(CGT)Access Model
です。
このモデルは、まずSickle Cell Diseaseに対するGene Therapyを対象としています。
2026年5月時点で、
32州
に加え、
District of Columbia
Puerto Rico
が参加しています。
合計34のMedicaid programsであり、CMSによれば、これらはMedicaid beneficiaries with SCDの**84%**をカバーします。[6]
CMS自身、このモデルについて、
Cell and Gene Therapyへのアクセスを拡大し、
患者のHealth Outcomeを改善し、
州Medicaid Programの費用および負担を軽減できるかを検証する、複数年のVoluntary Modelと位置づけています。[7]
ここで登場するのが、
Outcome-Based Agreement(OBA)
です。
CMSの定義では、OBAは一定期間の患者Health OutcomeとメーカーへのPaymentを結びつけます。
Gene Therapyが期待されたほどOutcomeを改善しなかった場合、
メーカーは治療費として支払われた金額の一部をPayerへ返還します。[6]
つまり、
Payment
↓
Patient Outcome Measurement
↓
Outcome-Based Rebate
という仕組みが実際に制度化されています。
これはPart1で示した、
EvidenceがPayment Infrastructureへ接続する可能性
を示す最も具体的な例の一つです。
5.CMSモデルで本当に重要なのは「契約」ではなくデータ基盤かもしれない
Outcome-Based Agreementと聞くと、注目はどうしても「いくら返金されるか」に向かいます。
しかし、RWEの視点から見ると、むしろ重要なのは、
Outcomeをどう測定するのか
です。
CMSは参加州に対し、Medicaid Claims Dataを主に**T-MSIS(Transformed Medicaid Statistical Information System)**を通じて提出することを求めています。
しかも、州にはT-MSISのData Quality Standardを満たす、あるいは満たすための計画を持つことが求められています。[8]
さらにCMSは、CGT Access Modelの指定Patient Registryとして、
CIBMTR
(Center for International Blood and Marrow Transplant Research)
を指定しています。
参加州では、Gene TherapyのAdministration Paymentについて、ProviderがこのRegistryに参加し、Model Studyに参加することが要件とされています。[8]
CIBMTRではClinical Dataだけでなく、
Patient-Reported Outcomes(PROs)
も収集されます。
PROには、
Pain
Fatigue
Anxiety
Depression
Sleep disturbance
Physical function
Social function
Cognitive function
Economic / financial burden
などが含まれます。
PROは、
投与前
投与30日後
100日後
180日後
1年後
さらに、その後最長5年間
収集される設計です。[8]
ここまで来ると、Outcome-Based Agreementは単なるPrice Contractではありません。
Registry
Claims Data
Clinical Outcome
PRO
Data Quality
Payment Reconciliation
が一つのシステムとして動かなければ成立しません。
6.イタリアAIFA ― 「Registryを償還システムに組み込む」
もう一つ重要な国がイタリアです。
AIFA(Italian Medicines Agency)のMonitoring Registriesは、2005年から運用されています。
2026年のAIFA公式資料でも、Monitoring Registriesは、
医薬品のReimbursement Conditionsを確認する
Conditional Reimbursement Agreement、すなわちMEAを実施する
ための重要なInfrastructureと位置づけられています。[9]
AIFAの現在のRegistry Platformには、医療機関、医師、薬剤師、地域担当者、製薬企業が参加しています。
製薬企業はRegistryを介して医療機関・薬局と連携し、価格交渉時に設定されたManaged Entry Agreementを実行します。[1]
ここがイタリアモデルの特徴です。
Registryが単なる研究用Databaseではなく、Reimbursement ProcessのOperational Infrastructureでもある。
7.AIFAには「成果連動」だけでなく複数のMEAがある
AIFAはMEAをかなり明確に分類しています。
Cost Sharing
治療初期の一定期間などについて、対象患者全体へPrice Discountを適用する仕組み。
Risk Sharing
Treatment Non-Responderに対してDiscountを適用する仕組み。
Payment by Result
Non-Responderについて、製薬企業が治療費を100% reimbursesする仕組み。
Success Fee
最初はNHSが医薬品を無償で受け取り、Treatment Successが確認された場合に初めて該当する薬剤費を支払う仕組み。
Capping
交渉で定めた使用量等を超えた部分を製薬企業側が負担する仕組みです。[1]
この分類から分かることがあります。
世界の成果連動型契約は、
Pay or No Pay
という単純な二択ではありません。
Riskを、
患者、
医療システム、
Payer、
製薬企業
の間でどのように分担するのかという、
Risk-Sharing Architecture
なのです。
8.AIFAではGene TherapyにもMEAが実装されている
MEAは過去の仕組みではありません。
AIFAの2026年7月時点のMEA関連情報を見ると、現在も新しいMEAの開始・終了が継続して管理されています。[10]
例えば、Gene TherapyであるHEMGENIXについて、AIFAは2025年9月4日からHemophilia Bを対象とするRisk-Sharing Agreementの電子的運用をMonitoring Registry上で開始しました。[11]
ただし、具体的なCommercial Termsは公開資料には示されておらず、AIFAは詳細について地域担当者へ送付した医薬品別文書を参照するよう求めています。
したがって、公開情報だけからHEMGENIXの具体的なRebate Formulaを推測することはできません。
この点は注意が必要です。
一方、原発性高シュウ酸尿症1型に対するOXLUMOでは、AIFAは2026年7月26日をもって対象MEAを終了しました。ただし、それ以前に治療開始した患者については一定の経過措置が設けられています。[12]
これはMEAが、
Start
だけでなく、
Monitoring
Reimbursement Processing
Closure
まで含むLifecycle Managementであることを示しています。
9.3つの制度を比較すると何が見えるのか
制度NICE / NHS EnglandCMSAIFA主な仕組みManaged AccessOutcome-Based AgreementManaged Entry Agreement主目的Evidence Uncertaintyを解消しながらアクセスOutcomeとPaymentを連動Conditional ReimbursementとRisk Sharing患者アクセス追加Evidence収集中も可能Medicaid患者のGene Therapy Access拡大条件付き償還OutcomeとPaymentの直接連動必須ではないありAgreementの種類による主なEvidence / DataTrial、Routine Data、追加Data Collection等Claims、Registry、Clinical Data、PROMonitoring Registry再評価Data Collection後にNICEが再評価Outcomeに基づきRebate reconciliation契約条件に基づく管理特徴Access while learningPay linked to outcomeRegistry-based reimbursement
重要なのは、
どの国も同じモデルへ向かっているわけではない
ということです。
それぞれの医療制度、HTA、薬価・償還制度、Data Infrastructureによって設計は異なります。
しかし共通項もあります。
それは、
Evidence Uncertaintyを「承認前にすべて消す」ことだけを求めるのではなく、アクセス後のEvidence GenerationとRisk Sharingによって管理しようとしている
という点です。
10.なぜOutcome-Based Agreementは簡単ではないのか
「Outcomeが出れば支払い、出なければ返金する。」
言葉だけなら簡単です。
しかし実際に制度化すると、少なくとも5つの難問が生じます。
① Outcomeをどう定義するのか
Survivalでしょうか。
入院回数でしょうか。
Disease Progressionでしょうか。
Biomarkerでしょうか。
Quality of Lifeでしょうか。
患者本人が感じるPainやFatigueでしょうか。
Outcome Definitionが変われば、治療の「成功」の定義も変わります。
そしてPaymentがOutcomeに連動するのであれば、
Outcome DefinitionはFinancial Definitionにもなります。
② 本当にその薬の効果なのか
Real-World OutcomeはDrug Effectだけで決まりません。
併用治療。
患者背景。
Adherence。
診療施設。
Socioeconomic Factors。
Follow-up Care。
さまざまな要因が影響します。
RCTのRandomizationがないReal-World Environmentでは、
Observed OutcomeとCausal Treatment Effectは同じではありません。
したがってRWDを集めれば、自動的にOutcome-Based Paymentが成立するわけではありません。
③ 何年間追跡するのか
一回投与型Gene Therapyでは特に重要です。
投与6か月で評価するのか。
1年でしょうか。
5年でしょうか。
10年でしょうか。
CMSがCIBMTRでPROを最長5年間追跡する設計を採用していることからも、この問題の重要性が分かります。[8]
長期追跡になればなるほど、
転居、
保険者変更、
医療施設変更、
Follow-up Loss
などの問題も増えます。
④ Data Qualityを誰が保証するのか
ここがQuality Assuranceにとって最も重要な論点です。
NHS EnglandはIMFのManaged Accessについて、企業が負担すべきData Collection関連費用の中に、
Database Management
Data Processing
Quality Assurance
Data Linkage
などを明記しています。[4]
CMSも、参加州にT-MSIS Data Quality Standardへの対応を求めています。[8]
さらにAIFAも2024年にMEA運用手順を更新した際、
入力データのQuality
と
Data Entry Method
を正しく管理することを明示的に強調しました。[13]
つまり、
英国、
米国、
イタリア
という異なる制度を見ても、
Outcome-Based / Evidence-Based Accessを成立させるにはData Qualityが必要
という点は共通しています。
11.「RWEがある」だけでは足りない
ここで重要な区別があります。
Registry Dataが存在すること。
Claims Dataが存在すること。
Electronic Health Recordが存在すること。
これは、
RWDが存在する
ということです。
しかし、それだけではPayment Decisionへ利用できるRWEにはなりません。
例えば、
患者のEligibilityは正しく判定されているか。
Treatment Start Dateは正しいか。
Outcomeは一貫して定義されているか。
Missing Dataはどの程度あるか。
Follow-upは完全か。
複数DatabaseをLinkageしたときPatient Matchingは適切か。
Algorithm Versionは管理されているか。
データ変更履歴をTraceできるか。
こうした問いに答えられなければ、
「Outcomeに基づいて支払う」という契約そのものの信頼性が揺らぎます。
AIFAが2026年5月、Monitoring RegistryのデータをReal-Worldの医薬品使用状況の理解にさらに活用するため、専門家組織との共同分析体制を強化すると発表したことも象徴的です。[9]
RegistryはReimbursement Infrastructureであると同時に、Real-World Data Infrastructureへと発展する可能性を持っています。
しかし、
Registry Data=自動的にDecision-Grade RWE
ではありません。
12.本当の課題は「誰がリスクを負うのか」
ここからは本稿の考察です。
Managed Entry AgreementやOutcome-Based Agreementの本質は、
「薬価を値引きする方法」
だけではないと考えます。
本当の問題は、
Evidence UncertaintyのRiskを誰が負うのか
です。
従来であれば、不確実性が大きければ、
Payerは、
「Evidenceが不足しているので償還できない」
と判断することができます。
しかしそれでは、患者は治療へアクセスできません。
反対に、Evidence Uncertaintyをすべて無視して高額治療を無条件に償還すれば、医療システム側がFinancial Riskをすべて負います。
そこで登場するのが、
Risk Sharing
です。
Patient Accessを確保する。
しかしEvidence Uncertaintyも認識する。
追加Evidenceを収集する。
そして場合によっては、そのOutcomeに応じてPriceやRebateを調整する。
つまり、
Patient AccessとEvidence Uncertaintyを二者択一にしない。
これがManaged Entry Agreementの重要な意味ではないでしょうか。
13.Evidence QualityがFinancial Consequenceを持つ時代
そして、ここでPart1のテーマへ戻ります。
もしOutcomeがPaymentを決めるのであれば、
Outcome DataのQualityに問題があれば、
Paymentにも影響します。
もしRegistry DataがReimbursementを決めるのであれば、
Registry DataのQualityに問題があれば、
Reimbursementにも影響します。
つまり、
Evidence QualityがFinancial Consequenceを持つ。
これはもはや、
HEORだけの問題ではありません。
Market Accessだけの問題でもありません。
Medical Affairsだけでもありません。
必要になるのは、
Data Governance
Data Integrity
Traceability
Data Provenance
Registry Governance
Computerized System Validation
Outcome Definition Governance
Algorithm Governance
そして、
Quality Assurance
です。
本連載では、この領域を
Evidence Quality Assurance
と呼んで考えていきます。
繰り返しますが、Evidence Quality AssuranceはFDA、EMA、ICH、PMDAなどが正式に定義した規制用語ではありません。
本連載で提案する概念です。
14.世界は「成果連動型償還」に移行したのか
答えは、
まだNoです。
世界共通のOutcome-Based Reimbursement制度が確立したわけではありません。
すべての高額医薬品についてReal-World Outcomeに応じてPriceが自動調整されるわけでもありません。
しかし、
NICEでは、
Patient AccessとEvidence Generation
が接続しています。
CMSでは、
Patient OutcomeとPayment
が接続し始めています。
AIFAでは、
Patient RegistryとReimbursement
が長年接続されています。
つまり、それぞれ異なる場所から、
Access
Evidence
Outcome
Payment
が近づき始めています。
そして、それらを接続する共通インフラが、
Real-World Data
です。
しかしRWDだけでは不十分です。
意思決定に利用できるQualityを備えて初めて、
Real-World Evidence
になります。
「薬価を決める」から「Evidenceとともに償還を管理する」へ
Part1では、
「価格を決めて終わり」から「価値を測り続ける」へ
という循環型Evidence Modelを示しました。
Part2で世界の制度を見てみると、その一部はすでに現実になり始めています。
ただし、その実装方法は国によって大きく異なります。
では、日本ではどうでしょうか。
日本には、
NDBがあります。
介護DBがあります。
MID-NETがあります。
患者レジストリがあります。
費用対効果評価制度があります。
C2Hがあります。
そして、世界でも有数のUniversal Health Coverageと薬価制度があります。
それならば、
日本でもReal-World Outcomeと薬価・償還を結びつけることは可能なのでしょうか。
それとも、日本固有の薬価制度、中医協、データ基盤、Quality Governanceには越えなければならない壁があるのでしょうか。
次回Part3では、
日本でアウトカムベース償還は実現できるのか
― 薬価制度・RWE・患者レジストリ・Quality Assuranceがつながる未来 ―
を考えます。
一次資料・参考文献
[1] Italian Medicines Agency(AIFA)
Monitoring Registers – The different models of MEA and their application.
AIFA Monitoring Registry、Performance-Based/Financial-Based MEA、Payment by Result、Risk Sharing、Success Fee、Cost Sharing、Cappingの公式定義。
[2] National Institute for Health and Care Excellence(NICE)
Managed access.
Managed Access AgreementがData Collection AgreementとCommercial Access Agreementから構成されること、Commercial Access AgreementがNHS Englandと企業間のCommercial Termsを定めることを説明。
[3] NHS England
Cancer Drugs Fund.
Clinical Uncertaintyが残るがん治療について、Managed Access中に追加Evidenceを収集し、Routine Funding判断へ利用する制度。
[4] NHS England
Innovative Medicines Fund.
非がん医薬品のManaged Access、Evidence Uncertainty解消後のNICE再評価、Managed AccessにおけるDatabase Management、Data Processing、Quality Assurance、Data Linkage等の要件。
[5] NICE
TA1044: Exagamglogene autotemcel for treating severe sickle cell disease in people 12 years and over.
exa-cel(CASGEVY)をManaged Accessとして推奨。Managed Access AgreementおよびCommercial Access Agreementを設定。2025年2月26日。
[6] Centers for Medicare & Medicaid Services(CMS)Innovation Center
CGT Access Model Frequently Asked Questions.
32州+District of Columbia+Puerto Rico、Medicaid SCD患者84%カバー、Outcome-Based AgreementおよびOutcome-Based Rebateの公式説明。
[7] CMS Innovation Center
Cell and Gene Therapy(CGT)Access Model.
CGT Access Modelの目的、Model Design、CMSとメーカーによるKey Terms交渉、Outcome-Based Rebate等。
[8] CMS Innovation Center
CGT Access Model FAQ – Data and Registry Requirements.
T-MSIS、Data Quality Standard、CIBMTR、Clinical Data、Patient-Reported Outcomes、最長5年間のFollow-up等。
[9] AIFA
AIFA and AIOM strengthen collaboration on Monitoring Registries: a joint table to make the most of real-world data in oncology.
Monitoring Registriesが2005年から運用され、Reimbursement ConditionsとMEA実装の基盤であること、Registry DataのReal-World活用を強化していることを説明。2026年5月7日。
[10] AIFA
Comunicazioni Managed Entry Agreements(MEA).
AIFA Monitoring RegistryにおけるMEAの開始・終了状況を継続的に公開。2026年7月27日更新。
[11] AIFA
Procedura di applicazione Managed Entry Agreement – HEMGENIX Emofilia B.
HEMGENIXについて2025年9月4日からMonitoring Registry上でRisk-Sharing Agreement運用を開始。契約詳細は公開資料ではなく地域担当者向け文書を参照する仕組み。
[12] AIFA
Chiusura Managed Entry Agreements(MEA)Registro OXLUMO.
OXLUMOに対するMEAを2026年7月26日で終了。既治療患者に関する経過措置を規定。
[13] AIFA
Aggiornamento procedura Managed Entry Agreement – Registri di monitoraggio AIFA.
MEAに伴うReimbursement Administrationの運用改善、Data Quality、Data Entry、Payment Documentation、User Training等を明記。2024年7月23日。
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