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シーズンバグ #シロクマ文芸部

 十二月だというのに気温は一向に下がらない。
 温暖化の影響で四季が失われたのはどのくらい前だったのか。自然には逆らえないが、それでも四季を愛する日本人たちは諦めなかった。研究に研究を重ねて、今では人工的に気候が調節される時代になった。
 しかし、その機械が故障した。そのため十二月になっても真夏の気温のようになってしまっている。

 真上から照りつける日差しに、青々とした空、真っ白な雲。道行く人々はみんな半袖で汗だく。まさに真夏の光景。
 カレンダーを見なければ、もしかすると「八月」と言っても通じるのではないかと思うほどだ。
 そんな真夏の中で、際立って異様なもの。


「クリスマスケーキいかがですかー!」
「今ならチキンがお安くなりますよー!」

 真夏の気温には似合わない、街角に立つサンタクロースたち。
 真っ白でふわふわとした付け髭は、汗で顔や首筋にまとわりついている。
 真っ赤でもこもことした服は真夏の太陽を浴びて、見ている者の体感温度まで上げるようだった。


 十二月らしくない風景の中で、それが唯一の十二月の象徴のようにも見えてくる。ひどく可哀想で、滑稽に思えたとしても。
 これが日本人が欲した四季なのだろうか。
 しかし季節がどうであれ、クリスマス商戦は止めない。止まらない。
 これが、この国の十二月だ。




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2025.12.03 もげら

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