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昨日まで選ばれなかった僕らでも明日を持ってる。~pillows解散に寄せて~

2025年2月1日をもって、the pillowsが解散した。結成から35年を数える大ベテランバンドが休止などではなく解散としたことで話題を呼んだ。

1か月以上経って、ふと曲を聴いたときに「あっ、そういえば解散したんだよな」と思い至り、改めて自分の中でのpillowsを振り返ってみることにした。

pillowsを知ったのは、10数年ほど前になる。pillowsの活動でいうところの第三期後半というところだ。だから全く黎明期からのファンでもなければバスターズ(ファンの総称)とも言い難い。

だが、まあまあの数のアルバムを聴いているし、かなり気に入っている曲も多い。何より、知った当初歌詞にかなり励まされた思い出がある。

一番最初に意識した曲は「Tokyo Bambi」であった。基本的にちょっとマイナーめのpillowsにしては珍しくヒットチャートに入った曲で、ちょうどこのころベスト10くらいのシングルをまとめて借りる、みたいなのをたまにやっていたので持っていた。

最初の印象は「まあまあ」くらいだったのだが、何度か聞いているうちに「あれ、結構いい曲だな」と思いだした。この「聞いているうちに」というのが自分の中でのpillowsの特徴である。

余談だが「Dance with God」という曲を最初に聞いたとき、「アルバム一曲目なのになんだこの地味な曲は」と思った。思ったのだが聞いているうちになんか非常に刺さってきた。ボソっと歌う「ダンス・ウィズ・ゴッド」の部分がたまらん。こういうのがあんまりほかのアーティストではなかったなぁ、と思う。

ちなみにpillowsの曲をたくさん知れたのは、昔の同僚M君が長年のpillowsファンで、アルバムをまとめて貸してくれたからである。M君はライブにも足を運ぶけっこうなpillowsファンで、いい曲が多いのにファンが少ないpillowsを理解してくれる人が現れた、と思ったようだ。こういう時、あんまりハマらないと申し訳なくなるが、アルバム曲にもいい曲が多く普通にハマった。むしろアルバム曲の方が好きだったりもするくらいだ。ただ気に入ってもマイナー過ぎてカラオケにないのが惜しい。

そしてこのころ、自分は10年ほど勤めた会社を鬱気味になって辞め、次の仕事をどーするか考えながら職業訓練校に通っていた。まったく明日の見えない状態だったのである。そこでなんとなく聴いていて刺さったのが、「ハイブリッド・レインボウ」という曲だ。

ほとんど沈んでるみたいな無人島 地球儀に載ってない 名前もない

昨日は近くまで希望の船が来たけど 僕らを迎えに来たんじゃない

と、絶望を歌う。この先どうなるかわからない自分自身の境遇に置き換えてウッとなりつつ、次の歌詞に救われた。

昨日まで選ばれなかった僕らでも 明日を待ってる

そうだ、まだ終わってない、きつい境遇でもそこが終着点じゃないんだ、と勇気づけられたのを覚えている。
おそらくpillowsの置かれていた状況にもリンクする歌詞なのだろう。業界内で楽曲を評価されながらもわかりやすく売れるという結果がついてこない、それでも……というような。

ハイブリッド・レインボウの歌詞全文(歌ネット)


そのほかにもいいなと思った歌詞がたくさんある。いくつかフレーズを抜粋してみよう。

雨に打たれても 花はうつむいたりしないぜ」「世界が笑っても 自分を疑わない」(Fool on the planet)

君の夢がかなうのは 誰かのおかげじゃないぜ 風の強い日を選んで走ってきた」(Funny Bunny)

神様より キミを信じる」(スケアクロウ)

Happy Birthday 思い出したんだ 生きてきたこと 何千回も目を覚ましたんだね 僕ら」(ハッピー・バースデー)

どんな靴を履いてても 歩けば僕の足跡」(ONE LIFE)

この中で有名なのはやはりFunny Bunnyだろうか。「SKET DANCE」というジャンプで連載されていた漫画の1話でまるまる使われたことがあって(作者がpillowsファンらしい)、人気を博した。その後uruにカバーされてアクエリアスのCMで使われていたこともある。このCM自体けっこう評判が良かったので、これで曲を知ったという方も多いのではないだろうか。

pillowsの歌詞には、めちゃくちゃ自我が出ている、と感じる。「こういう言葉が世の中にウケる」とかではなく、「俺はこうだ」という強い意志。ソロ曲である「アインザッツ」にもそんな感じの歌詞があった。

独りになって どんなに苦しくても 俺は死ぬ日まで ほかの生き方は知らない」(アインザッツ)

迷いなく、ではないだろう。おそらく何度も迷いながら、活動休止もはさみながら駆け抜けた35年。それでも自分を曲げずに生きてきた、そんな生きざまが歌詞のあちこちに見て取れる。

解散の理由は詳しく知らないし、あんまり追いかける気もない。ただこれからも昔の気に入った曲は定期的に聞くだろう。

あと最後に余談中の余談だが、「come on,ghost」という曲で「come on ghost, come on beast, come on twin egoist」という歌詞がある。この「twin egoist」の部分、どう聞いても「ツインなエゴイスト」と歌ってないか?歌おうとするとそうでないと音が合わないんですが。

この話題、誰がわかる?と思いつつ締め。

公式のがあったのでリンク。マイナーだけどいい曲なのですよ。

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