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『ミカクテイ事件の観測者-Demons'Timeline-』感想

『ミカクテイ事件の観測者-Demons'Timeline-』を実績コンプリートでクリアしたので、完走した感想をつらつらと書きます。

いつも通りネタバレを多分に含んでますのでご注意ください。

また、今回はいつもと少し違う経緯がありますので、それについて冒頭でお話させていただきます。

それでは早速。




はじめに

まず一言、「一般的な推理モノでは辿り着けない結末に辿り着いた」って感じです。詳しくは本文にて。

まず、本作をプレイするに至った経緯と関連する話になるんですが…
実は今回、制作者であるアントラー/antlerさんから直接お声がけ頂きまして、リリース日より前から本作を先行プレイをさせて頂いておりました。

本作との出会い自体は、Xで某ゲーム情報発信系アカウントから流れてきたもの見たときです。単純に推理モノの内容であることや、にゃすてりあのビジュアル、ゲーム中のUIなどが自分好みだった という超シンプルなものでした。
それで、Demo版を少しプレイした感想をちょっとだけXに垂れ流していたらお声がけいただいたというのが流れになります。
このようなお話をいただいたのは今回が初めてなのでビックリしましたが、非常に光栄なことだと思いましたので、ご協力させて頂きました。
※ちなみに、お声がけいただいた経緯などは伺ったので把握はしていますが、そこは伏せておきます。

ということで…
今回の感想は、先行プレイ直後に書いたときの内容が8割ほどを占めています。一部は今回用に修正・加筆はしてますけどね。そのあたり、予めご承知おきください。

私のプレイスタイル的に、普段はリリース直後の作品の感想を書くことはあんまりない気がするんですが、もう書き終わっちゃってるのでサクッと投下しちゃおうかなと思います。
リリースされてからまだ日が浅いので、ネタバレには十分ご注意ください。というか、未プレイの方はこんなもん読まずに、まずは是非プレイしてね。

ちなみに余談なんですが、DLCである『ミカクテイ事件の観測者-Digital Artbook-』は、本編リリース直後に購入させていただきました~!
作中で出てきたイラスト等はもちろん、初期案などのゲーム中では見れないもの、そして制作陣の方々のコメントも拝読できる一品です。
皆さんも是非、本編クリア後にいかがでしょう?(ダイマ)

英語版もあった!


総プレイ時間は約14.8時間でした。私は文字を読むのがそこまで早くないし、あれこれ考えながら読んでしまう人間なので、おそらく時間かかったほうなのかな?でも、ヨウコが「1つのタイムラインを1時間~2時間ぐらいで終えられたら優秀」みたいなこと言ってた気がするので、その範囲内には入ってる…つまり優秀ということですね

ボリュームも期待の倍以上は余裕でありました。推理モノなので一気にやると脳が疲れますが、Chapterが非常にキリ良く作られているので、ワンプレイで 1, 2 Chapterぐらいの量で小分けにすると程よい感じになるのかな~とか、個人的には思ったり。

実績も おそらく普通にプレイしていたら回収できるものが9割といった感じ。残りの1割も「これ何なんだろう」とか「これやったらどうなるんだろ」ぐらいの好奇心があれば拾える感じでしたね。
私は早々に残り1割のほうも回収してました。だって気になって仕方ないんだもん…。

箱入りにゃすてりあ、かわいい。



『ミカクテイ事件の観測者-Demons'Timeline-』とは

DigitalCatsさんによって制作された、『パロッター』というSNSで得られる情報から、『アクマ』と呼ばれる存在によって引き起こされる怪事件『パラドクス』の真相を解明していく推理アドベンチャーゲーム。
情報を読んで、整理して、取捨選択して、そして真相解明に繋げていく… という、「これぞまさしく!」と思える歯ごたえのある推理モノです。

以下、ゲーム紹介文より抜粋。

部屋から一歩も出ずに、SNSのタイムラインだけで超能力殺人事件の犯人を特定できるか?

超常的な能力を持つ人間、〈アクマ〉。
彼らが引き起こす怪事件、〈パラドクス〉。

『ミカクテイ事件の観測者』は、
ネット探偵「エル」の視点で〈パラドクス〉の真相を解明するSNSパズル推理アドベンチャーゲームです。

〈アクマ〉であり、捜査の相棒である「箱内にゃすてりあ」は、特殊能力を使って推理をサポートします。
現実世界の捜査は一切行わず、ネット上の情報だけを頼りに複雑怪奇な〈パラドクス〉の真相解明を目指します。

Steamストアページより


さて…
冒頭でも述べた通り、今回は先行プレイ直後に書いたときの内容が大半です。しかも、その感想は制作者さんに向けたものだったので、当然ながら本作のことを一通り知っていること前提の構成になってます。
要するに、普段私が書いてる説明っぽい内容は省かれています。

また、感想をお渡しした後に制作者さんから教えていただいた、言ってしまえば ”答え” とも捉えられる部分も出てきますので、皆さんが「こうだと思う!」と考えたものにNOを突き付けてしまう可能性もあるかもしれません。そのあたりは十分にご注意ください。ちなみに、最後のほうに出てきます。
※あくまでも ストーリーの核心ではなく裏設定的なものである、と私は捉えていますが、念のため。

かわいい。



本作の核心に触れる

いきなりですが、今回は本作『ミカクテイ事件の観測者-Demons'Timeline-』の核心(だと私が思っている部分)に対する感想からいこうと思います。
思ったよりも国語の評論文みたいな感じになってしまったんですが、本作への感想を掘り下げていった結果なのでご容赦ください。

具体的にどこについての話なのか というと、Chapter7… とくに小玉竜治の介入以降から、エンドロールまでの流れですね。


- 大雑把な感想

改めてになりますが、この本作のオチとも言える部分に対する感想は…
「事件の真相を解明・・・・・していただけのつもりが、いつの間にか世界の真実を確定・・・・・させていた… その結果、一般的な推理モノでは辿り着けない結末に辿り着いた」って感じです。
冒頭の一言では、この後半部分だけ切り取って無理やり一言にしてました。

もちろん、どういうことなのか をこれからお話しします… が、その前に。


- ミステリー系ADVゲーム と 推理ゲーム の違い

本作に対する直接的な感想とは少し内容がズレますので、サラッと斜め読みしていただければと思いますが、私が考える ミステリーアドベンチャーゲーム と 推理ゲーム の違いについてお話ししておきます。
どちらが良い悪いという話ではなく、それぞれの違いってだけです。

結論から言うと、ミステリーアドベンチャーゲームは受動的・・・推理ゲームは能動的・・・ みたいな捉え方をしています。
どちらも謎を追うジャンルなのは同じなんですが…

前者はテキストを読み進めていくことで、ゲーム側からピースを手渡されて真相に辿り着けるようになる感じ。
後者はゲーム側で用意されたピースを自分で探して拾い上げて模索することで、真相に近づいていく感じ。

私がプレイしたことある作品を例として挙げるなら、前者は『ダンガンロンパ』シリーズとかで、後者は『未解決事件は終わらせないといけないから』とか『Inverted Angel』とか。

前者は、「え?あ、そういうことなの…?思ってたのと違ったわ」みたいなことがあってもストーリーは問題なく進みます。
比べて後者は、分かってないとそもそもストーリーが進まないんですよね。まぁ、基本的には・・・・・って話ですが。
あえて別の言い方をすると、後者は ”論理パズル” と言い換えられる側面が強いと思ってるんですけど、前者はそう言い換えられない気がしてます。
こういう捉え方をしているので、私は「これら2つは似てるようで結構違うものだよね」って思ってるわけです。


この違いを踏まえたうえで、本作が ミステリーアドベンチャーゲーム と 推理ゲーム のどちらに属するのかを考えると…

まぁ、普通に考えたら 推理ゲーム のほうですよね。少なくとも私はそう思います。
ゲームデザインに対する感想は後述しようと思いますが、『データタスク』『特定タスク』『引用タスク』『最終推理』で構成された、ネット探偵団による真相解明の道のりは、どれもしっかり用意されたピースを探して拾い上げて進めていく論理パズルそのものでした。

ただ、そのうえで述べておかなければならないことがあります。
”推理ゲームのほうに属する” と述べたものの、先ほど例に挙げた『未解決事件は終わらせないといけないから』のような、言うなれば ”推理モノ” とも言えるような作品とは違う印象を受けました。

どういうことなのか については、次節にて。


- 推理モノ なのに 非決定論的

つまるところ、これです。
「推理ゲームなのに、最終的な展開は極めて非決定論的なものだった」と思いました。これが私の考える推理モノとの大きな違いであり、本作の魅力だと感じました。

ここで またしても直接的な感想とは少し内容がズレますので、サラッと斜め読みしていただければと思いますが、”論理的” とか ”哲学的” っていう言葉に対する私の解釈のお話しをしておきます。

論理的っていうのは、”AならばB、BならばC。ゆえにAならばC。” みたいな論理の積み上げで、一貫性があり矛盾が生じない答えを導き出す思考
辿り着く先は ”解決や納得” であり、言ってみれば収束的な考え方です。正しいのは分かるんだけど、ちょっと面倒くさい感じ。

哲学的っていうのは、論理を道具として使いながらも、論理だけでは辿り着かない浮世離れした領域に踏み込んで、当たり前だと思われている前提そのものを疑い掘り下げていく思考
辿り着く先は ”新たな発見や問い” であり、言ってみれば拡散的な考え方です。深いのは分かるんだけど、煙に巻かれた感じ。

私はこれらを こんな感じに解釈してます。

かわいい。

話を戻して… 
「推理ゲームなのに、最終的な展開は極めて非決定論的なものだった」とはどういうことなのかを述べます。

先ほどの私の解釈で考えるなら、一般的な推理モノは、究極の収束型なんです。
最初から真実はひとつ(≒客観的な事実)として存在していて、探偵役が推理によってそこに辿り着くという決定論的プロセスがあり、プレイヤーや読者はそのプロセスによって「パズルを解いたぞ!」という実感… つまり論理的なカタルシスが得られるのが醍醐味なわけですね。

では、本作はどうだったのか。
私は「Chapter6までは論理的でありながら、最後のChapter7は哲学的な印象が強かった」と思っています。
”収束すると思わせての、最後の最後で急拡散” と言ったところでしょうか。個人的には非常に良い意味で期待を裏切られた感じです。


もう少し詳しく深掘ります。

結果的に、エルがやっていたことは パラドクスの真相解明 ではなく、アクマの同期 でした。
元々決まっていたアクマの正体を推理によって導き出したのではなく、推理によってあらゆる可能性を排除した結果、アクマの正体はその人物でなければならない状態を作り出した、ということですね。

それに対して私は、それが言及された時点では「エルの推理によってアクマの存在が確定して、それによって過去が改変されるなんてこと、あり得るのか?」って感じで、思考が迷子になってました。

ですが、いろいろ考えてみた結果、現実に起こり得るかどうかは問題じゃない気がしてきたんですよね。というか、なんなら『シミュレーション仮説』の話もあるし、『超存在ロールバック仮説』で唱えられているロールバックも実際に起こっていたように見えます。

つまり、我々が生きてる現実で起こり得ないことも、本作の世界であれば起こり得るはず。なら、私が先ほど疑問を抱いた事象も起こり得るはず。
一般的に古典力学が大前提の現代で生きてる我々には、それをイメージしづらいだけなのかなって。
ちょっとここは私の咀嚼が足りてない感じは否めないですが…。


改めてになりますが…
”暴かれていなかった過去の真相を推理によって暴いていたつもりが、実は あらゆる可能性を推理によって排除していくことで未確定な事象を確定させ、結果的に世界の真実すらも確定させていた”
というのが、本作の超ざっくりのオチだと私は解釈しています。

この ”あなたの推理によって真実が決まったんですよ” という量子力学論的/非決定論的な本作のオチ、正直「普通なら推理モノのオチとして禁じ手レベルなのでは?」と思いました。

なぜなら、簡単に言えば 後出しジャンケン や ご都合主義 といった印象で受け取られるリスクが高いからです。
先ほど、”「パズルを解いたぞ!」という実感が得られるのが推理モノの醍醐味である” と述べましたが、このパターンだと「自分がパズルの正解を決めました」みたいな感じになって、論理的カタルシスが削がれてしまうと思うんですよ。

実際のところ、正直 今まで純推理モノに多く触れてきた人にとっては、この非決定論的オチが納得できないものに感じられる可能性は十分にあると思います。
ですが、この禁じ手の使用は、結果的に私にとってはめちゃくちゃ良いアクセントであり、エンディングで得られる印象をより良いものにしてくれたと思っています。

これについては、次節にて語っていきます。

楽しそうでなにより。


- ”禁じ手” の先にしか存在しない 救いの結末

(大前提として、私が勝手に思っているだけではありますが)推理モノのタブーと言っても過言ではない 非決定論的な本作のオチ…
それに対して私がポジティブな印象をもった理由として、”私が今まで純推理モノに多く触れてきた人間ではないから” というのも当然あるかと思いますが、最大の理由はそれではないと思っています。

では、最大の理由はなんなのか。それはズバリ…
私が Chapter7の非決定論的な展開に対して、音楽理論における不協和音と同じモノを感じとったから だと思います。

ちなみに、私は音楽理論をガチっている人間ではない… というかシンプルにド素人です。あくまで聞きかじった程度の知識しかありません。
また、ここは音楽理論について語る場でもないので、あまり踏み込み過ぎないようにはしたいのですが、個人的にこの考え方があまりにもしっくり来てしまったので、少しだけ音楽理論の話と照らし合わせながら語らせてください…。


そもそも、音楽以外の日常的な文脈で使われる場合、一般的に ”不協和音” という言葉はネガティブなニュアンスで使われることがほとんどだと思います。違和感、場違い感、人間関係の対立… みたいな感じ。
ですが、音楽理論における不協和音は、かつては禁忌とされた歴史がありつつも、現代では効果的な表現のひとつとして意図的に織り交ぜられています

不協和音として代表的なものは 半音セミトーン三全音トライトーン で、これらは聴き手に強い緊張感を与えるものです。
中でも三全音は、1オクターブという幅における真ん中に位置する音であるため、「どっちに行けばいいかわからない」といった心理的な迷子状態を引き起こすようです。奇しくも 悪魔アクマの音程” とも呼ばれ、かなり不快感を与える不協和音であり、禁忌として厳しく制限されていました。
ですが 次第に、”不協和音は解決・・(安定した協和音に移行)されることで聴き手に大きな快感を与える” とされ、不協和音をあえて織り交ぜることがテクニックとされるようになっていきました。


本作の話に戻りますが…
私は、本作のストーリー展開は この ”不協和音による緊張と、その解決” という快感を生み出す流れと一致しているように感じました。

Chapter1~6は、各タイムラインでパロッターの情報をもとに ネット探偵団がパラドクスの真相を解明していく という、一般的な推理モノのフェーズです。
実際 私がChapter1~6をプレイしている段階では、少し特殊な事件の真相解明 ぐらいの認識でしたし、Chapter6の最後の 答え合わせ的な展開はまさに、いわゆる推理モノの醍醐味の範疇だったと思います。

これは、音楽理論のコード進行で例えるなら 心地よいド安定な協和音による進行。このあとの説明のためにあえてマジでコード進行に落とし込んで、$${\textit{F→G}}$$ とかにしておきましょうか。

こうやって並べると、渋谷夕太だけすごく平和に見える。

では、例のChapter7はどうだったのかというと…
Chapter7は前述してきた通り、推理モノにおけるタブーとも言える ”観測者の介在によって真相が揺らぐ” という、量子力学論的/非決定論的な思考をベースにしています。
この展開を浴びた直後の私の感想は既に少し述べているので割愛しますが、Chapter7の展開は、少なくとも私が思う推理モノの範疇を超えていたと思います。

これが、音楽理論のコード進行で例えるなら 悪魔の音程タブー” を取り入れた不協和音による進行。先ほどのChapter1~6のコード進行 $${\textit{F→G}}$$ に続ける形にするなら、$${\textit{G7}}$$(構成音の中の シ と ファ が三全音悪魔の音程の関係)でしょうか。
昨今において不協和音が含まれるコード自体は、別にタブーでも何でもないと思いますが… そこは大目に見て?

私が前述した ”思考が迷子になった” という事実も、Chapter7の展開が三全音の不協和音的なものであると考えると納得感があります。奴には心理的な迷子状態を引き起こす力がありますから。
積み上げてきた収束的思考が急に拡散的思考というハンマーで崩されて足場を失い、論理と哲学、古典力学と量子力学、決定論と非決定論… という異なる思考の狭間で宙ぶらりんになってしまっていたわけですね~。
なんかすごいカッコイイ言い方になったけど、要するに頭を抱えたってことです。良い意味で。

そして、それを経ての結末は…
Chapter7の最後で、エルは自身の推理(”にゃすてりあ=難波かさね” という同期)によって世界の真実を確定させました。これによって、結果的に様々な事件や事象を解決あるいは起こらなかったことにしたわけです。実際、エンドロールでは本作で登場したパロッター利用者たち全員に、漏れなくポジティブな変化が訪れていました。
この結末に対して私は、冒頭の一言で述べた「一般的な推理モノでは辿り着けない結末に辿り着いた」という感想を抱きました。だって、一般的な推理モノでは過去が変えられない以上、事件の真相を解明すること・・・・・・・・・はできても、事件を無かったこと・・・・・・にはできませんからね。

例によって音楽理論的にいくなら、ここまでChapter1~7で $${\textit{F→G→G7}}$$ と進行してきた後に続くこの結末は、$${\textit{Cmaj9}}$$ 的な感じだと思います。

少し詳しく説明すると… まず、音楽理論では ”解決しようとする動き” というのがあります。Chapter7で織り交ぜられた不協和音のうねり・・・を、安定した状態にしたくなる魔力みたいなものです。$${\textit{G7 → Cmaj9}}$$ という進行においては、$${\textit{G7}}$$の構成音であり不協和音の関係である シ と ファ は、$${\textit{Cmaj9}}$$ ではそれぞれ ド と ミ に解決されています。
しかし、$${\textit{Cmaj9}}$$ は $${\textit{C}}$$ に 7th9th が追加された形なので、結局のところ ド と シ による半音の不協和音が残っている状態であり、かつ $${\textit{G}}$$ や $${\textit{G7}}$$ に土台として存在していた レ は $${\textit{Cmaj9}}$$ から感じられる爽快な浮遊感の正体として再定義されている… みたいな感じになります。

これが、まさに ”Chapter7の量子力学論的/非決定論的な展開によってもたらされた結果の延長線不協和音のテイストは残っている状態であり、かつ比較的平和になった世界を構成する要素は再定義された新世界” という捉え方をすると、ものすごく本作の結末にマッチしているような気がしたわけです。


…ということで、ちょっと音楽理論の説明も交えながらのゴチャゴチャした感じになってしまったので、結局何が言いたいのかということをまとめます。

◆ Chapter1~6
音楽理論で例えるなら、濁りなく澄み切った推進力のある安定の協和音進行。( $${\textit{F→G}}$$ )
ネット探偵団によるパラドクスの真相解明の過程によって、純粋な論理的カタルシスが得られる王道の推理モノの連続。

要するに Chapter1~6では、推理ゲームとしての完成度の高さを感じたということです。

◆ Chapter7
音楽理論で例えるなら、三全音の不協和音による迷走感に翻弄されるドミナントコード。( $${\textit{G7}}$$ )
”観測が真実を確定する” という推理モノにおけるタブー的な展開によって、論理的カタルシスが薄い、心理的な迷走へ。

要するに Chapter7では、推理ゲームの最終段階としてのイレギュラーさを感じたということです。

◆ 結末
音楽理論で例えるなら、残った半音の不協和音を浮遊感で包んだ余韻のトニックコード。( $${\textit{Cmaj9}}$$ )
”自らの推理が世界の真実を確定させる” という非決定論的展開を受け入れることによって、どこか浮遊感がある救われた新世界が再定義された。

要するに 結末では、本来推理ゲームでは味わいにくい 救いの多いエンディングに高揚感を感じたと同時に、Chapter7の展開の必要性を理解したということです。


…伝わりましたでしょうか。個人的に「これだ!!!」と思って添えた音楽理論の話が裏目に出ていなければ良いのですが… 果たして。

本作の核心に対する感想は以上になります。

かわいい。



ゲームデザインの印象

要するに、本作における『タイムライン』の攻略(捜査フェーズ)に関わる要素全般についての感想になります。

実は、本当に最初の最初(Demo版プレイ時点とか Chapter1時点とか)では 捜査フェーズに対して「結構いろいろあって大変そうだな…」って思ってたんですよね。

タイムラインを追うだけでも…

  • パロートを読む

  • コメントがあればそれも読む

  • 真意が隠されていれば見る

  • ハッシュタグが付いていれば拾う

  • 用語が含まれていれば調べる

  • 必要そうであればブックーマークする

  • データタスクの情報を見る(タイムライン上の情報ではないですが)

結構ありますよね。

そのうえで、タイムラインを追ったあとは…

  • 特定タスク

  • 引用タスク

  • 最終推理

これらが待ち受けてるわけです。

「大変そう」と感じた理由には、これらが捜査に必要なアクションとして、徐々に増えていく・・・・・・・・わけではなく、Chapter1の時点でフルスロットルだった・・・・・・・・・・から というのがあると思います。(特定タスクの『素性のもつれ』は追加要素ですが)
1つのタイムラインを攻略するプロセス全体としては、改めて見ても なかなかやること多い気がしますね。


ですが、個人的には Chapter2の時点で、それらによって脳のリソースが圧迫されてる感覚は既になくなっていて、むしろ やるべきことが一覧化され端的に書いてあるため分かりやすく、それを達成するために必要な情報をパッと見るためのUIが揃っている と感じていました。導線設計がスマート… っていうのかな?そんな感じです。
地味なところかもしれないんですが、いわゆる ”バックボタン” があるのもすごく親切な部分と思ってたりします。ちょっと寄り道した後、元の場所にすぐ戻れるのって、当たり前に思えてすごくありがたいことだと思うんですよ。

こいつらの会話、非常に高校生感があって良いものでありますなぁ。

とくに、ブックマークは「これ必要かもな~… 一応確保しておくか」ぐらいの感覚で使えるので重宝しますね。まぁ塩梅を間違えると全部ブックマークされる なんてこともあるかもしれませんが。

そういう意味では、ブックマークに限らずタイムラインのデザイン全体が、私たちが普段から利用しているSNSと大差ないからこそ、最低限のチュートリアルで「はいはい、なるほど。そんな感じで投稿を取捨選択して必要な情報を拾い上げていくのね~」ってなりやすいのかな、と。
これが仮に、捜査に使う媒体すら馴染みがないものだったら、Chapter1の立ち上がりが一番腰が上がりづらい感じになって可能性があるかも… と思ったり。若干の差だとは思いますけどね。

要するに、個人的には なんだかんだ言って無駄のない最適なデザインだったのかな、と思った次第です。


次に、捜査フェーズの進め方に関する感想を。

まず、本作の捜査フェーズは 人によって進め方に多少の差があるんじゃないかと思ってます。具体的に言うと…

  • タイムラインを追いながらブックマークしていって、追いきれたらブックマーク欄を情報源に特定していく派

  • タイムラインを追いながらリアルタイムで特定していく派

みたいな感じで。
他にもパターンは考えられますよね。例えば「最初の1周はタイムラインを読むだけで、次にもう1周しながらブックマークして、最後に特定していく派」とか。かなり二度手間感ありますけど。
はたまた、「タイムラインは一通り読むけどブックマークは使わずに、ハッシュタグ欄の『未特定アカウント』を情報源に特定していく」というやり方もありますよね。

本作の捜査フェーズのゲームデザインは、それらが全て許容されるような形… 要するに、プレイヤーの思考スタイルを否定しない、脳内整理の自由度が高いものになっていると思いました。

こういうデザインは、言われるがまま進めてる感じが少なくて、ちゃんと能動的に捜査してる感が得られやすいと思うんですよね。個人的にはこれが非常に好印象な部分です。

『未特定アカウント』は結構お世話になったし、
『画像あり』『コメント』ありも『引用タスク』で有能だし、
『特定対象外』も最後の最後で使ったんだよね。

一応、Chapterごとにいろんな進め方を試してみた結果、私は基本的にタイムラインを追いながらブックマークしていって、追いきれたらブックマークしたものから特定していく派 でしたね。
そのうえで、特定材料が明らかに分かりやすい場合は、タイムラインを追いながらリアルタイムで特定するのもアリな気はしてます。
ただ、そうすると 特定後のエルたちのセリフで、まだ読んでいないパロートの情報に言及されることもあります。なので、やっぱり基本的にはタイムラインを一通り追ってから特定するのが、想定された手順になってるように感じました。

それに関連する話でもありますが、タイムラインを一通り追うときに ”上から追うのか 下から追うのか”… つまり、”時系列的にどっちから追うのか” も人によって分かれる気がしましたね。
ちなみに これも試してみた結果、私は下から… 要するに時系列に沿って追うのが一番脳内整理しやすかったです。

下から読んだ結果、すぐに ”表が『太陽グマ』、裏が『裏アカ<ホワイト>』” だと分かったヤツ。


あとは『ヒント』について… そこまでお世話にならなかったんですが、1回だけ使う機会があったので感想を述べておきます。
ちなみに、見栄を張る気もないので正直に言いますが、Chapter4の前編はシンプルに特定タスクで苦戦してました。「分かってるけど使ってみようか」とかではなかったです、お恥ずかしながら。

まず1点。警告が丁寧で素晴らしいと思いました。
これはもうシンプルにそれだけなんですけど、大切ですよね。

これ聞かれたから、1回『No』押したちゃったもんな。

もう1点。自分が詰まっている部分に応じたヒントが用意されているのが非常に親切だと思いました。
自動ブックマークは、情報の取捨選択をしてくれるだけで その後の特定は自分でやる必要があるので、ヒントの塩梅としては非常に良いですね。
逆に『素性のもつれ』の解除 はめちゃくちゃ大きいヒントな気がしました。私が詰まってたのがそれだったからそう感じた、というのもありそうですが…。

※『データタスク』『引用タスク』『最終推理』のヒントについては使用する機会がなかったので特に言及できませんが、逆に言うと これが必要になることはほぼ無いのかな、とは思いましたね。強いて言うなら『引用タスク』のヒントなら使う機会がありそう… ぐらい。


ということで… ゲームデザインについての感想はこんなところですかね。

ストアページにも書いてある通り、捜査フェーズは 情報を読む力、要否の判断力、それらを繋げる論理的思考力… ここが肝になるような要素でした。
小難しいことを考えるのではなく、とにかく情報の収集と整理で脳を使う感じで、推理ゲームとして必要以上に難しくない 良いレベルデザインだったなと思いました。
それでいて、捜査フェーズの進め方はプレイヤーにある程度委ねられているため、能動的に捜査してる感じが十分にあり、非常に論理的カタルシスが得られる素晴らしい推理体験でございました。

情報量がとても多いため、「読む力」「取捨選択」「論理的思考」が試される、歯ごたえのある推理体験を楽しめます。

Steamストアページより



ストーリーの印象

各Chapterに対する印象を吐き出そうと思ったんですが、ちょっとChapterによってきちんと言語化できるかどうかの偏りがあるので、エンドロールまで含めたストーリー全体、Chapter6、Chapter7とエンディング  という3本に絞ろうと思います。
Chapter1とかはチュートリアルとか導入のニュアンスが強いと思うので、それ以上に語れることがあんまりないというか…。
粗雑でとりとめのない感じになるかもですが、ご容赦ください。


- 全体について

各Chapterでは、扱う事件や話題がそれぞれ異なっています。
そのため、一見 オムニバス形式のような感じに見えても、大目的として あるひとつのパラドクスの真相解明がある以上、どの事件も話題もしっかり関連があって、どんどん大目的の達成に近づいていることを感じられる点が楽しかったですね。

それでいて、エルが期待していた結果が得られないことも少なくないというストーリー展開から、全てがとんとん拍子にいくわけではないリアリティが感じられるのも、個人的に好印象でした。

『エンウンドー本社変死事件』に関して情報が得られないのは、当然といえば当然なんだけども。

あと 各Chapterのタイトルと Steam実績から分かる単語の意味を対応させると…

  • Chapter 1. Quirky =「奇抜で」

  • Chapter 2. Paranormal =「超現象的で」

  • Chapter 3. Oddity =「異様で」

  • Chapter 4. Nefarious =「悪質で」

  • Chapter 5. Mystical =「不思議で」

  • Chapter 6. Labyrinthine =「複雑怪奇な」

  • Chapter 7. Kei-Kaku =「計画」

それを繋げると ”奇抜で 超現象的で 異様で 悪質で 不思議で 複雑怪奇な 計画” になるわけですが、これが にゃすてりあの計画だった ということなんですかね。
何で計画は ”Plan” じゃなくて ”Kei-Kaku” だったのか気になっていましたが、これについては 先行プレイ後に制作者さんから教えていただいた素晴らしい裏設定がありましたので、後述させてください。

理由として最高です。


- Chapter6について

Chapter6といったら、やっぱり最後の答え合わせの怒涛の展開ですね。

  • スルーされていた謎の削除済みアカウント、やたらと登場していたコノメ広告、何も違和感を覚えなかったパロッターの大普及… などの伏線回収

  • それによって紐解かれる にゃすてりあの本当の能力と計画の全貌

    • とくに、途中から気になっていた「いくら裏アカとはいえ、思ったこと全部書くレベルでパロートするか?」という疑問に対する答えがしっかりあったこと

  • ヨウコとエレコの目のくだり

  • にゃすてりあが自らの目的のために執った手段 と ”例外的なアクマ” の存在に賭けていた小玉竜治の希望 が噛み合ってしまった という偶然

  • ついに宣言された にゃすてりあの正体の解明

これら全てに大興奮しましたよ…。
正直、Chapter6をプレイ中に「うおおぉぉッ!?」ってなった部分は他にもあった気はしますが、とにかく諸々ひっくるめて「これだよ!!これぞ推理モノの醍醐味だ!!」と言いたくなる というか多分言った 展開で、もう最高です。

ヨウコとエレコの目のくだり… 一時的に「え、待って.. マジ?」しか言えなくなったからね。


- Chapter7とエンディングについて

Chapter7については、〔本作の核心に触れる〕にて ある程度語っていますので、ここで書くのは にゃすてりあの同期6パターンとエンディングについての感想になります。

◆ 不協和のジバクレイ
オカルト方向に寄せれば大体オチが付く説、あると思います。本当かどうかは置いてといて、普通にかわいそうだなって同情しちゃったので私の負け。
その強盗、よろこんで一緒に探させてください。

◆ 多様性のパートナー
小学校のクラスメイト説は、Chapter2の冒頭で普通に可能性として考えてましたが、まさかの同性か…。”多様性の時代” ということでありますなぁ。
ビジュアルがこれならオンライン上では余裕かもしれん。

◆ 放課後のファーストキル
いわゆる典型的なヤンデレ。ヒロインの属性としては、個人的には半分ぐらいストライクゾーン入ってるので、愛が重いだけなら全然アリなんですが、被虐癖までは無いのでそこは勘弁してください。

◆ 地雷原のプリンセス
本人も言ってた通り、エルとの相性は悪くない気がするんですよね。なので結末としては割とアリなのでは?スピネ王国も軽犯罪の発生数が世界ワースト3位なだけで、それ以外は良い国かもしれないし。

◆ 二枚腰のクワンダム
エルに勝負を仕掛けたもののサラッと躱されるクワンダム、アバターによるビジュアルも相まってちょっと可愛い。ちなみに 素人質問で恐縮ですが、今のような姿になっていることに対してどのようなお気持ちですか?

◆ 庇護欲のペアレント
これもChapter4の冒頭から、あってほしくはないけど可能性として考えてたオチですね。私が「あってほしくない」と思った理由は、実際に起こってしまった状況そのもの。傍から見る分には微笑ましいけどね。

◆ 解明、ではなく解決
箱内にゃすてりあ(引きこもりニート30歳女性)「精神年齢はまだ10代というか…。」ってことになるんですけども、昨今のサブカル的には全然珍しくないというか、そういう人も実際にいるんでしょうね。
ちなみに、個人的に本作で一番感動したのが ヨウコがエレコと再会できそうなことが示唆された場面だったりします。
…それにしても、『EPORO』の人気は凄まじいものでありますなぁ。

本編の終わり方も、すごく ”本作らしい” ものになっていて、シンプルにステキだなと思いました。

君と会ったら、私の声も、姿も、何もかも……。
君の中で、「確定」しちゃうけど。
それでも、明日。 ネットでも異世界でもない、現実世界で。

かわいい。

また、個人的には あのエンドロールの演出はめっちゃ好きです!
〔本作の核心に触れる〕で Chapter7の例の展開をポジティブに捉えられた理由のひとつとして、”エンドロールで登場人物全員がハッピーな世界になったことが確認できたから” というのがあります。これがなかったらChapter7の例の展開への評価も多少変わっていた気がしますね。
あと、純粋に「え、マジ? こんなに特定してきたんだ…。」っていう謎の達成感も得られました。
エンディングテーマ『箱入り娘』も、サビに入った瞬間「あ!にゃすてりあからの着信のメロディ~!!」ってなれるのが良かったです。2サビ前の歌詞「心配なくなくなくなくなくなくない?」はついついメトロノームみたいに横に揺れちゃうぐらいには好き(?)

ちなみに、エンドロールの全パロートをスクショ撮って
繋げた画像を作る程度には、このエンドロールの演出が好き。


ということで…
どうしても後半の印象が強く残っているのでその部分ばかりになってしまいましたが、ここで挙げてないChapterもしっかり楽しめたことは追加で伝えさせていただいて、ストーリーについての感想は以上になります。



キャラクターの印象

私の感想では恒例のヤツです。本作はキャラクターの掘り下げみたいなものがあまりなかったのでちょっと薄味ではありますが、二言三言ぐらいは述べさせてください。


◆ エル
合理主義で効率主義な主人公。ちなみに本名は佐藤高志。
極めて論理的でちょっと鼻につく感じの性格なので、エルがヨウコやエレコに煽られてるところを見るのは結構楽しいですね。「エルちゃまは しまらないところが愛おしいのですよ~~~!!!」って感じです。

今考えると、これも にゃすてりあの能力の伏線だった…?

◆ にゃすてりあ
今更いうまでもなく、正体未確定・・・の存在。
エルとパラドクス捜査がしたくて、とてつもない ”奇抜で 超現象的で 異様で 悪質で 不思議で 複雑怪奇な 計画” を企てたってところが最高にやばい(語彙喪失)。エンロドールのパロートそのままですが、不確定性をイメージしたキャラデザも最高ですね。

◆ ヨウコ
エルが作成した全肯定な甘々AI。
ポジティブすぎて何でも褒めるので、1周まわってサイコパスみがある。
だからこそ、エレコのことを心配してるシーンは大好きです。

◆ エレコ
エルが作成した毒舌な違法AI。
文句を垂れつつも仕事はしっかり熟すし、エルに対する信頼も十分感じられるので、個人的には ”悪友” ってイメージが強いですね。



教えていただいた裏設定

保留になっていた、Chapter7のタイトルが ”Plan” ではなく ”Kei-Kaku” になっている理由をはじめとした、先行プレイ時に私自身は気づけなかったけど制作者さんに教えていただいた裏設定についてお話します。
改めてになりますが、言ってしまえば ”答え” とも捉えられる要素になりますので、ご注意ください。


では、結論から書きます。
Chapter7のタイトルが ”Plan” ではなく ”Kei-Kaku” になっている理由、それはズバリ…

Chapter1→7 で、頭文字が Q→P→O→N→M→L→K という並びになっていることに意味があるから とのことです。
そして、この並びはいったい何かというと、原子核の周りに存在する『電子殻』の外から順になっています。
原子核に近いほうから K殻、L殻、M殻... ってヤツですね。高校化学で勉強した記憶が蘇る。

この Q→P→O→N→M→L→K という並びが意味するのは、Chapter1『Quirky』から Chapter7『Kei-Kaku』へ向かって ”物語の心に近づいていく” ということだったんですね。
私が前述した ”にゃすてりあの計画Kei-Kaku” というニュアンスと、”電子殻のK殻K-Kaku” という裏の意味、どちらもしっかり成り立たせる、まさに神のネーミングだったという… 感服ですわ。


さらに、各Chapterではパロッター利用者のアカウントを特定していきますが、特定対象の人数は以下のようになっています。

  • Chapter 1. Quirky:4

  • Chapter 2. Paranormal:9

  • Chapter 3. Oddity:16人(前編7人、後編9人)

  • Chapter 4. Nefarious:16人(前編7人、後編9人)

  • Chapter 5. Mystical:9

  • Chapter 6. Labyrinthine:4

  • Chapter 7. Kei-Kaku:1人(複数回特定することになるが、人数は1人)

この人数… 実は各電子殻の電子軌道と呼ばれるものに電子が収まる場所の数と一致しているんだとか。
少し調べてみたんですが、化学的には以下のようになっているみたいです。
※あくまで、現在認められている元素について考えた場合の話。

  • Q殻:s軌道で1、p軌道で3 → 計4箇所

  • 殻:s軌道で1、p軌道で3、d軌道で5 → 計9箇所

  • 殻:s軌道で1、p軌道で3、d軌道で5、f軌道で7 → 計16箇所

  • 殻:s軌道で1、p軌道で3、d軌道で5、f軌道で7 → 計16箇所

  • 殻:s軌道で1、p軌道で3、d軌道で5 → 計9箇所

  • 殻:s軌道で1、p軌道で3 → 計4箇所

  • 殻:s軌道で1 → 計1箇所

「マジやん…。」って感じでございます。


さらにさらに、この軌道に収まる電子には『スピン』と呼ばれる自身の磁力を決める性質があり、これによるお互いの磁力の不一致を利用して同じ場所に2つ収まることができるようです。

本作でも、特定タスクでは表と裏の2つのアカウントを1人の人物に割り当てていましたよね。ここにもそういう化学的な仕組みに準えた裏設定があったわけです。すごいわ。
Chapter7は表裏の概念がありませんが、難波かさね と それ以外 で表裏と捉えるのはどうでしょうか。

ちなみに、ヨウコとエレコも 陽子と電子が由来だそうです。言われてみれば…。

普通に化学のお勉強の時間だった。




さいごに

ということで、一般的な推理モノで得られる快感がしっかり得られながら、一般的な推理モノでは体験できないイレギュラー感も得られる、非常に贅沢な作品だったと心の底から思いました。
途中で音楽理論の話が始まって「何言ってんだこいつ」ってなったかもしれませんが、個人的にはすごくしっくり来ていて満足してます。そもそも私の感想は自己満足の塊なので許してもろて。


最後に、制作に携わられた全ての人に感謝です。
いつもの論理的カタルシスとタブー的な展開を同居させた、斬新な推理ゲームをありがとうございました!

『ミカクテイ事件の観測者-Demons'Timeline-』の感想、以上です。最後までお付き合いありがとうございました。

それでは、良ければまた別のゲームの感想で。


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