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【映画感想文】男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく(第21作)

映画「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」(第21作)を鑑賞。※この記事では一部広告を利用しています。


スターへの恋と「推し活」の美学

本作のマドンナは、SKD(松竹歌劇団)のスターである紅奈々子。
彼女は、さくらの同級生であり、寅さんにとっては幼馴染みという身近な存在です。
しかし、舞台の上で歌い踊る彼女は、手の届かない憧れの存在でもあります。
公演に足繁く通う寅さんの姿は、まさに現代の「推し活」そのものです。
初めて公演を見た後に、とらやのいつもの階段で踊る寅さんは可愛かった。
推しの幸せを願うその姿に、寅さんならではの純粋さを見ることができます。

一方で、奈々子自身は、同じ劇団の裏方スタッフから結婚を申し込まれ、スターとして生きる道と一人の結婚との間で心が揺れ動きます。
その葛藤の末に迎える引退公演のクライマックスは、本作最大の見どころでしょう。
スポットライトを浴び、万感の思いを込めて一人歌い上げる奈々子。
その姿を、客席の片隅からそっと見つめる寅さんの眼差しには、彼女の選んだ道をただ静かに受け入れ、その門出を祝うという、切なくも美しい「愛の形」が凝縮されており、感動的なシーンでした。

武田鉄矢が演じる「弟分」の輝き

本作の魅力を語る上で欠かせないのが、武田鉄矢さん演じる青年・留吉の存在です。
寅さんを慕って上京してきた留吉は、滑稽なキャラクターで物語に温かい笑いをもたらしてくれます。

特に、とらやの茶の間で、「国際劇場のレビューば見たかぁ!」と熱く語るシーンは、コメディ役を背負った留吉を象徴する場面です。
この留吉の存在は、単なる笑いを生むだけでなく、寅さんの「兄貴分」としての一面を際立たせる効果も持っています。
寅さんの情の深さや懐の大きさが伝わってきて、作品に一層の深みと楽しさを与えていると感じました。


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