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抜港

書類を郵送するために近所の郵便局を訪れた時のこと、郵便局のお姉さまから「明日は抜港になるかもしれないからパンとか卵、牛乳は早めに買っていた方がいいよ」
と教えてもらった。
抜港…?初めて耳にする単語だった。
聞いてみると低気圧や台風による高波の影響で船が港に寄港しないこと、つまり字のごとく港を抜かされることだった。
寄港しない=船の積み荷が届かないということなので生鮮食品のヨーグルトや牛乳、賞味期限が短くストックしづらいパンなどがスーパーから品薄になってしまうとのことだった。
慌ててスーパーに行くとパン以外はまだあって胸をなでおろした。
この先何回も抜港や欠航を経験するのだが、毎回パンが一番最初にスーパーから姿を消していた。島の人はパン好きなのだろうか?
野菜や肉、魚は比較的保存がきくため抜港や欠航が続いてもスーパーには置いてあって生活に困ることはなかった。
徳之島に住んでいる間はどうしてもパンが食べたいときはホームベーカリーで手作りし、どうしても卵が必要な時には卵は近所で鶏を飼っている人と知り合いになったので(これは後述します)もらいに行ってしのいだ。
私の夫は大の牛乳好きなので抜港になりそうと聞くと牛乳を多めに買っておいた。それでも予定より早く欠航したり、長引いたりしたときは牛乳がなくなる。そんな時夫は豆乳を飲むようになった。
パンがなければ作ればいいじゃない。
牛乳がなければ豆乳を飲めばいいじゃない。
ままならない離島の生活でこうして人間は順応していき、強く進化するのだと感じた。
写真はWindyという気象アプリである。
島民はWindyとにらめっこし、船が来るかどうか気をもんでいる。
私も学校の行事前や規制前には1日何度もWindyを見てはため息をついていた。

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