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AIに丸投げした資料、結局チェックするのは誰ですか? |AI活用|効率化|DX

「AIで、効率化できました」

最近、この一言に、少しだけ引っかかるようになりました。

なぜ引っかかるのか、自分でもうまく言葉にできずにいたのですが、ようやく整理できたので、書いてみます。



「これ、僕が全部チェックするのか」

ある日の午後。
後輩から、一本のレポートが上がってきました。
開いてみます。

文章は、びっしり詰まっています。
情報量だけは、やたらと多い。
読み進めるのに、けっこうな時間がかかります。

でも、読み終えても、頭に何も残りません。
総論は、立派なことが書いてある。
それっぽい分析も、並んでいる。

なのに、「で、結局なにをどうすればいいのか」が、どこにも書いていないんです。

このレポートは、この後、別の部署に渡ります。
受け取った人は、これを見て、何をすればいいんだろう。
たぶん、わからない。

ということは、その手前で、僕が直すことになります。
添削して突き返すのも、ひと手間。
自分で使える形に書き直すのも、ひと手間。

小さく、ため息が出ました。
「……これ、僕が全部チェックするのか」

ちなみに後輩は、AIを使ったとも言わず、普通に出してきました。


先に言っておくと、僕はAIにかなり助けられています

先にお伝えすると、僕はAIを使うな、という話をするつもりは、まったくありません。
むしろ、毎日のように使っています。
かなりの推進派です。

2〜3時間かかっていた作業が、30分で片付く。
あの「もう終わった!」という感覚は、僕もよく知っています。
最初に経験したときは、正直、興奮しました。

だから、AIで効率化したい気持ちは、痛いほどわかります。
そのうえで、ひとつだけ、ずっと引っかかっていることがあるんです。


その「効率化」、本当に効率化ですか?

さっきのレポートを出した後輩は、たぶん、こう思っています。
「AIを使って、サッと資料を作れた」と。
本人の中では、ちゃんと効率化できているんです。

でも、現場で起きていることは、少し違います。
生煮えのまま出てきたものを、受け取った誰かが、読んで、解釈して、使える形に直している。
今回でいえば、それが僕でした。

後輩を一人はさんでいるのに、結局やっているのは、僕がAIと直接話しているのと変わりません。
皆さんの職場にも、心当たり、ありませんか?


それは効率化じゃない。「負荷の転嫁」です

はっきりいいます。
これは、効率化ではありません。

手間が消えたわけじゃなく、自分の手元から、隣の席に移っただけです。

仕事の総量は、減っていません。
むしろ、整える人の手間が増えたぶん、チーム全体で見れば、仕事は増えています。

自分は速くなった。
でも、その分、誰かが遅くなっている。

これは、「効率化」ではなく「負荷の転嫁」です。

もちろん、誰かが無責任なわけじゃありません。
AIは「自分の手元」を速くする道具だから、受け取る人のコストは、出した本人から見えにくい。

構造的に、こうなりやすいだけです。

僕が関わってきたクライアントにも、AIが書いたであろうメールを、そのまま貼り付けてくる人がたくさんいます。
そういうとき、いつも思うんです。

「僕はいま、この人と話しているのか、AIと話しているのか」と。


AIに作業は任せられる。でも、責任は外注できない

じゃあ、どこで線を引くのか。
僕の考えは、わりとシンプルです。

AIに任せられるのは、「作業」までです。
調べる、まとめる、整える、たたき台を作る。
ここは、どんどん任せていい。

でも、「これでいきます」とOKを出す責任だけは、最後にボタンを押した人間に残ります

そこまで外注してしまうと、出てきたものは「自分の仕事」ではなくなります。
AIの出力に、自分の名前を貼っただけのものになってしまう。

「任せる」と「丸投げ」は、違います。
その境目にあるのが、この「責任」なのだと思っています。


出す前に、3つだけ自分に聞く

とはいえ、「責任を持て」とだけ言われても、ぼんやりしていますよね。
僕がAIの出力を誰かに渡す前に、自分に問いかけていることが、3つあります。

  1. 受け取る人は、これをこのまま使えるか?

  2. 自分は、これを"自分の言葉"で説明できるか?

  3. 自分自身、これを読んで、実行まで動けるか?

この3つに「はい」と言えないものは、まだ出しません。

特に、2つ目。
自分の言葉で説明できないものは、自分自身が理解できていない証拠です。
自分がわかっていないものが、受け取る人に伝わるはずもありません。

偉そうに書いていますが、僕も最初からできていたわけではありません。
AIの出力をそのまま使って、何度か痛い目を見て、ようやく身についた目安です。

AIで上がるのは、あくまで「自分の効率」。
でも、その先の「受け取る人の効率」まで想像できる人が、結局いちばん速い。

3つ目の「自分の言葉で説明できるか」。

これができるかどうかは、AIに作業を投げる"前"に、こちらが何を渡せたかで、ほとんど決まります。
生煮えを出さない第一歩は、たぶん、そこにあります。

その「AIに何を渡すか」を、4つのステップにまとめた記事も、先日公開しました。

いつも一般論しか返してこなかったAIが、急に「いつもどおり」が通じる相棒に変わる話です。
よければ、そちらも覗いてみてください。

普段は、仕事の中で感じたことや考えたことを、データ分析者の視点で書いています。
今日の話に共感してくださった方は、ぜひ他の記事も覗いてみてください。

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それではまた次の記事で。


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