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管理職は「罰ゲーム」なのか? |マネジメント|出世|キャリア

「出世したくない若者が増えている」

最近、この手の話をよく見かけるようになりました。

出世したい派と、したくない派。この論争を見るたびに、僕は少しだけ居心地が悪くなります。どちらの気持ちもわかるし、どちらにも完全には属していない気がするからです。

今日は、そんな論争を横目に見ている僕の話を書いてみます。



いとこが「降りた」日

少し年上のいとこがいます。大手企業の営業職で、いわゆる中間管理職。営業畑なので転勤は当たり前の世界で、彼もこれまで何度か転勤を経験してきました。

ただ、最近子どもが生まれた。ちょうどそのタイミングで、次の転勤の話が来たそうです。

ポジション的には出世のチャンスだったらしい。でもいとこは、家族のことを考えて転勤を断った。

上司の返事は「わかった」、とシンプルな一言だったそうです。

ただ、その「わかった」は、暗黙に「わかった。お前はここで出世競争から"降りる"ということだな。」という意味を含んでいた。

いとこ自身も、それを理解した上で決めたと言っていました。

この話を聞いたとき、僕は妙に納得したのを覚えています。

出世を「目指す」か「目指さない」かではなく、何かを選んだ結果として出世の優先度が下がる。たぶん、そういうことなんだろうなと。


「罰ゲーム」とは、ちょっと違う

ただ、世間で語られている「出世しない理由」は、いとこや僕の感覚とは少しズレている気がします。

最近、管理職は罰ゲームだという言葉をよく見かけます。

責任は増えるのに報酬は見合わない。上と下の板挟み。プライベートの時間は削られる。

今の管理職の姿を見て「あの働き方にはなりたくない」と感じる若手も多いみたいです。

僕自身、世間では中間管理職と呼ばれる立ち位置にいることもあり、気持ちは多少わかります(管理職の階級で、また見える景色は違うのかもしれませんが)。

板挟みの感覚はあるし、会議が増えた分だけ手を動かす時間は減りました。

ただ、僕の感覚は「罰ゲームだから避けたい」とは少し違います。

管理職が嫌なわけではない。今のポジションに不満があるわけでもない。ただ、際限なく上を目指す、ということをやらないだけです。

理由は単純で、仕事以外にもエネルギーを注ぎたいものがあるからです。家族との時間、自分の時間。そっちの箱も大事にしたかった。


仕事という「箱」に注ぐ量を決めた

僕の場合、結婚を意識し始めた頃から漠然と考えるようになったことがあります。

自分が持っている時間とエネルギーは有限で、仕事はその中の一つの箱にすぎない。家族との時間も箱。自分の時間も箱。全部に注げるほど、器用でも体力があるわけでもない。

そう考えたとき、それぞれの箱にどのくらい注ぐかを自分で決める必要がありました。

もちろん、20代の頃はこのポジションに就くために必死でした。がむしゃらに働いて、やっと手に入れた場所です。

なので、年齢やライフステージによって配分が変わってくる、という方が正しいかもしれません。

結果として、現在仕事の箱は現状維持の「中間管理職」に設定しています。これが僕にとって、やりがいを感じつつも他の箱にもエネルギーを注げるベストなあんばいでした。


見えている景色

仕事の箱をこのくらいに設定していると、実際にどんな景色が見えるのか。

正直に書くと、得たものと、たぶん失ったものがあります。

得たもの。家族と夕飯を食べられる。週末に本を読んだり、ジムで身体を動かしたりする余白がある。こうやって仕事後にnoteを書くことだって、定時後や休日の時間を優先しているからできている。

(とはいえ、もちろん勤務中は全力ですし、むしろ残業しないために今まで以上に効率を上げて頑張っています。)

たぶん失ったもの。年収の上限は見えている。社内での影響力もそれなりの範囲で止まる。同じくらいの年次で上に行っている人と比べたら、「もったいない」と言われるかもしれない。

ただ、不思議と困っていません。

困っていない理由を考えてみると、たぶん「勝ち負け」の基準が仕事の箱の中だけで閉じていないからです。仕事の箱だけ見たら負けているのかもしれない。

でも、家族の箱、自分の時間の箱も含めて全体を見たとき、今のバランスが自分にとっては一番しっくりくる


ただし、これは僕の配分の話

「出世しなくていい」と言いたいわけではありません。

仕事の箱に全エネルギーを注いで上を目指す人のキャリアも、まったく否定しない。それはその人の配分の設計であって、正解も不正解もないと思っています。

仕事以外の箱にもエネルギーを注ぎたいものがあるから、仕事の箱はこのくらいにしている。それは「止まっている」のではなく、自分なりに配分を設計した結果です。

その配分を自分で決めること自体が、キャリアの設計なのかもしれません。

もちろん、この配分が正解かどうかはわかりません。5年後に「もっと上を目指しておけばよかった」と思うかもしれない。

今の僕にはその答えは出せないし、出す必要もないと思っています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

普段は、仕事の中で感じたことや考えたことをデータ分析者の視点で書いています。今日の話に共感してくださった方は、ぜひ他の記事も覗いてみてください。

今回は仕事のキャリアの話でしたが、以前「コスパで説明できない時間」について書いています。効率とは別の尺度で自分の時間を考えてみたい方は、こちらもぜひ。


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