一瞬と10年の稲刈り
秋の行事。待ちに待ってた稲刈りが終わって思った。
稲刈りは、あっという間に終わる。
コンバインが田んぼに入れば、一瞬で稲は刈り取られていく。
移住して10年。米作りも10年。
最初の頃は、分からないことだらけで、ただ必死についていくばかりだった。
天候に振り回され、水加減に悩み、雑草に追われる日々。
それでも、気づけば毎年この季節を迎えてる。
稲刈りは一瞬だけれど、その一瞬を迎えるまでに積み重ねてきた時間は、確かに10年分ある。
今年の米は実付きがよく、稲が重たさに耐えきれず倒れてしまった。
「豊作の証だね」と笑いつつも、自然の力の前では人の手の小ささを思い知らされる。
「農家は毎年が1年生。」みんながよく言ってる。
上手くいく年はそうそうない。
必ず何か問題がおき、苦労して嫌になったりする。
それでも、黄金色の田んぼを前にすると、やっぱり嬉しい。苦労が報われる。
新米を食べるのが楽しみだ。
子供達も楽しみにしてる。
白いご飯に、どんなおかずを合わせようかと考えるだけで、気持ちがふくらむ。
漬物、焼き魚、味噌汁──シンプルなおかずでも十分にごちそうになる。
刈り取られる稲を眺めながら思う。
「暮らしは、派手さはなくても積み重ねだ。」
来年もまた、1年生。不安や面倒くささの中に楽しみがあり、そんな年を重ねていきたい。
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