義父の神棚選びで学んだこと。50万円の見積もりが、10万5千円になった理由
こんにちは
momoです。
このnoteでは2023年に義父を看取った経験をもとに、知っておけば良かったなと思うことを書いています。
義父は闘病の末、亡くなったのですがお墓の土地だけ購入を済ませていました。
(詳しい話は前回のnoteをご覧ください)
義父の神棚選びで学んだこと。50万円の見積もりが、10万5千円になった理由
逝去から25日目。私は自転車を漕いで、ひとりで神具店に向かっていた。
それまでの25日間、市役所への届け出、香典返しの手配、慣れない手続きの連続で、正直「比較検討」なんて言葉は頭に1ミリも浮かばなかった。
50日祭(仏教でいう49日)までにやることが沢山あった。
仏壇(神道では神棚)選びに関しては全く知識がない。
葬儀屋さんが紹介してくれた業者の見積もりが50万円でも、
「これが相場なんだろうな」とそのまま受け入れかけていた。
「これが相場なんだろうな」と思ってしまった理由
葬儀屋さんが紹介してくれた業者のパンフレットには、いくつかのグレードが並んでいた。
私たちが検討していたのは下から2番目、50万円のもの。
もっと上を見ると、あれこれオプションをつけて200万円近くになるものもあった。
正直、高いと思った。でも、それを口に出せなかった。
義父を送り出したばかりで、右も左も分からない状態。
何が適正価格かなんて判断する材料もない。
そこへ、葬儀の一連の流れの中で「次はこれですね」と自然に差し出された見積もり。
プロが勧めてくれているのだから、これが相場なのだろう——
そう自分を納得させた。
ネットで比較検討しよう、という発想は1ミリも浮かばなかった。
市役所への届け出、香典返しの手配、慣れない手続きの連続。
気力も体力も、そこまで回らなかったというのが正直なところだ。
話が、なぜかかみ合わない
契約に向けて話を詰めていく中で、小さな違和感が積み重なっていった。
サイズの相談をしても、どこかちぐはぐ。
神具についての質問をしても、返ってくる答えの温度が低い。
何かがずれている、でもそれが何かは分からない。
その正体がわかったのは、代々お付き合いのある神主さんに相談したときだった。
話を聞いた神主さんは、少し驚いた様子でこう言った。
「それ、たぶん仏具メインのところですよ」
そうか、と腑に落ちた。
我が家は神道。
でも紹介された業者は、仏具を主に扱うところだった。
もちろん神具も扱ってはいたのだろう。
でも、専門ではなかった。
話がかみ合わなかったのは、当然のことだったのだ。
徒歩圏内ならぬ、自転車圏内の神具店
神主さんが紹介してくれたのは、自宅から自転車で行ける距離にある神具店だった。
灯台下暗しとはこのことで、近所にこんな店があることすら知らなかった。
逝去から25日目。
五十日祭まで、折り返し地点を過ぎたあたり。
平日の昼間、私はひとりで自転車を漕いでその店に向かった。
店内には、職人さんがひとつひとつ手作りしている神具が並んでいた。
すべて注文を受けてから作る、完全オーダーメイド。
並んでいる様子を見せてもらい、写真を撮らせてもらった。
その場で即決はせず、見積もりだけを受け取って帰った。
受け取った見積もり、10万5千円
自宅に戻って、家族と見積もりを見比べた。
金額は、全部込みで10万5千円。
50万円の見積もりと並べると、5分の1以下だった。
オーダーメイドだから高いだろうと身構えていた分、拍子抜けするほどだった。
幸い、葬儀屋さんの提携業者とはまだ正式な契約を結んでいなかった。
だから、お断りすることができた。
もしあのとき神主さんに相談せず、そのまま流れで契約していたら。
「専門が違う」ということにすら気づかないまま、50万円を支払っていたと思う。
実家に何度も通った、サイズ測定の日々
契約が決まってからも、やることは終わらなかった。
むしろここからが本番だった。
神具を置くのは、義父母が長く暮らした実家。
どこに、どんな向きで、どれくらいの大きさのものを置くか。
これを決めるために、何度も実家に足を運んだ。
一度測って終わり、とはいかなかった。
この場所で本当にいいのか、扉は開くのか、高さは目線に対してどうか。
行くたびに新しい疑問が出てきて、また測り直す。
そんなことを繰り返した。
振り返ってみると、この「何度も通う」という手間こそが一番大事だったと思う。
写真と数字だけでは分からないことが、現地に立つと見えてくる。
買う前に、決めておけばよかったこと
3年経った今、当時の自分に伝えるとしたら、こう言いたい。
どこに置くか、契約前に一度は現地で確認する。
サイズだけでなく、扉の開閉や日々の動線まで含めて。
オーダーメイドはやり直しがきかない分、ここでの確認が後の安心につながる。
見積もりは「一式」の中身を確認する。
本体価格だけを見て安心せず、神具一式・配送設置まで、何が含まれていて何が別なのかを聞く。
専門が違えば、話は自然とかみ合わなくなる。
違和感があれば、それは伝えるべきサインだと思っていい。
仏教なら仏具店、神道なら神具店。
当たり前のようでいて、慌てているときほど見落としやすい。
疲れているときの「相場かな」は、一度立ち止まる合図。
判断力が落ちている自覚がないまま、大きな決断をしてしまう。
それが一番怖いことだと、この経験を通して思った。
あのとき、自転車を漕いでよかった
50万円が10万5千円になった分かれ目は、特別な行動ではなかった。
近所の神主さんに、正直に「なんだか話がかみ合わなくて」と相談しただけ。
そして、紹介された店まで自転車で15分、様子を見に行っただけだった。
大きな決断の手前には、たいてい小さな一歩がある。
契約する前に、誰かに話してみる。現地に足を運んでみる。
それだけで、見える景色が変わることがある。
次回、第4章では生前整理~契約していたサブスク、どうする?
についてお話しする予定です。
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コメントも大歓迎です。
義父の経験が、どなたかの「知っておけばよかった」を減らす一助になれば嬉しいです。
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