【世界一周の旅 227日目】キリマンジャロ4日目。
23時に起床。というか一睡もできなかった。
朝ご飯のクッキーと紅茶を食べて0時に出発。外を見ると下から赤い光と煙がモクモク上がっている。何かと思ったらすぐ下の火山が燃えてるらしい。すごい、、、

とにかくちょこちょこ歩きで少しずつ進んでいったけど、どんどん寒くなっていった。フリースもダウンも着て登るなんて初めてなのにそれでも寒い。休憩も体を冷やしたくないから立ったまま休んで先を急ごうとしたらついにガイドから「俺のフリースを着ろ」と半ば強引に手渡された。すまない、完全に私の装備不足である、、、
そして5時間以上登り続けて5000mを超えた辺りから気持ちが悪くなってきた。ついに高山病が来たらしい。体力的にも精神的にも今までで一番辛くてダメージを受けていて、補給が必要なのは充分過ぎるほど分かっているのに何も食べたくない。ガイドが持ってきたコーラを回し飲みさせてもらって何とか耐えようと踏ん張るが症状は全く回復しない。
私、大金払ってなんでこんなキツいことしてるんだろう。この山行を達成したところで私の人生になんのメリットがあるというのだ。
登り続けるのがあまりにも辛くて、ずっと頭の中でくだらねー哲学をしていたけど答えも気分も体調も全く明快にならない。
5756mのSTELLA POINTに来た辺りでちょうどご来光が見えた。なんて美しいんだ、、あまりの素晴らしさに涙が込み上げてきて号泣しそうになった。だめだ、今はまだ泣けない。
ペースが落ちてるため先を急ぐが足が思うように動かない。KIBO HUTでも同室だったスペイン人とここですれ違ったので登頂おめでとうと言って拳で差し出したら無言で拳を返された。防寒具に覆われて目しか出てない顔を見ても真っ青だと分かった。彼も限界に近い。
残り100mがただただ長かった。牛歩のようなペースで進み続けてようやく登頂。撮影スペースは人で溢れかえっていたが、列がないから順番なんてあってないようなものであった。大人しく待っていたら凍え死ぬので写真を撮らせて欲しいと必死に周りに声をかけて何とか撮らせてもらうことができた。
さっきご来光が見えたときにはここに来たら号泣するだろうなと思っていたけど、感傷に浸る余裕は一切なく、生命維持最優先でサッサと下山を始めた。
しかし、疲れが最大限に来てしまったので足が思うように動かず、登りのときと同じかそれ以下ななペースでしか進まない。登頂完了時で既にコースタイムを過ぎていたのでこれはまずい。
結局、途中からはガイドが私の腕を取ってサポートしてもらいながら降りた。こんなこと初めてだったので不甲斐無くてまた泣きそうになった。それにしても今日中にHOROMBO HUTに戻らなければならないのに、こんな状態で帰れるだろうかただただ不安になった。
昼過ぎにKIBO HUTに到着して1時間仮眠。すぐにでも出発したかったけど、少しでも疲れを取った方が良いと判断。お昼ご飯もパイナップルしか食べられなかったけど何切れか食べた。
今夜山頂アタックする同室のネパール人と彼のガイドと少し言葉を交わしたら「登頂おめでとう!このあとも大丈夫だよ!」と仕切りに労われた。そういやさっきゾンビのような状態で外のトイレに出たときも知らないタンザニア人に「君、登頂して来たのか?おめでとう!」と言われた。
しかし、こんな時間にようやく降りて来て、これから戻る道のりの長さに焦りと不安しかなかったこと、こんなボロボロの状態になることは想像していなかったこと、色んな情けなさと周りからの労いの温かさに触れて感情がごちゃ混ぜになり、また号泣しそうになった。
1時間でも寝たらいくらか足の状態は回復したので出発。とはいってもペースはゆっくりで、とっくに日が暮れた時間にようやく到着。日本の登山なら大罪とも言えるような到着時間なのにここでは特に問題ないらしい。
一昨日と同じ部屋にチェックインして夜ご飯を食べた。標高が下がったのでこの時には気分の悪さは既に無くなっていた。
登りのときは唯一この小屋の電源は作動したのでスマホの充電をしたかったのだが、この日はここでも出来なかった。きっと下山までにスマホの充電もなくなる。
