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バーもののけ十一話


このところ同人誌の編集作業に追われて、まったく店の営業ができないまま数日が過ぎてしまった。もちねこはあわてて店に入るが、いつも通りの常連客たちは勝手に店で飲食しているし、掃除もしているし、お代もきちんと納めていた。もはや、もちねこがいなくても店はまわっていた。
「なんていいお客さんたちなのだ」
もちねこは、店内にいる客におはようの挨拶と感謝を伝えてまわる。
「おれたちここに住んでるみたいなもんだからさ」
「居場所みたいなもんだから大事にしてるんだ」
そう言って客たちは笑顔だった。
これがバーもののけの実態だ。

エネルギー体は本来、自分たちの居場所がある。
そこからいろんな世界へ行く。

人間で例えたら、「人間界」へ行ってきまーすというかんじだ。でも不思議なことに「魂」と呼ばれるものが人間の世界に来てるようには見えない。人間になりたい者用の仮の家に住まわせてもらって、そこから人間と繋がっているように感じる。「寮貸与」みたいなかんじかもしれない。そしてみんな同じ場所に仮住まいしているわけではない。エネルギーのタイプや強さによってそれぞれ割り振りされる。すごく合理的な配慮だ。

でもこれは「魂」というものを持つものの話だ。
もちろんルーツはいろいろあるだろう。それについては今回は置いておく。

もちねこは初めて、「個の魂」ではないモノも人間として生きている場合があることを知った。
なんでわかったかというと、中身がよくわかんない人、顔がない人を複数見つけてしまったからだ。

もちねこは普段、アンテナを「目に見える世界」にしか向けてないので他の人たちの中身がなんなのかさっぱりわからない。知りたいとも思わない。
ただ普通のねことして生きている。ねことしてワクワクするものを探検して生きている。

でも、たまたま、連続でリアルに関わる機会があって
いろんな問題が起きて、向き合わないといけなくなったりして。
そうして知ることになったのです。

個の魂じゃない人もいるって本当なんだ…

これを人によっては「魂のない人」と呼ぶ場合がある。

彼らはなんらほかの人と変わらない。でも、なんとなく生き物として儚く見えてしまった。
始めはなんで儚く見えたのかわからなかったけれど、後からわかった。
おそらく、個の魂が無いから体が無くなったらもう続きは無い…からかなともちねこは感じた。
正しくは無くなるわけではないけれどオリキャラが無い。
そして、もちろんこれ以外の場合もある。
もちねこが見せてもらったのはほんの一部だけだ。

そんなわけでもちねこは今まで、いろんなスピリチュアル的なお話とか聞いても全然わかんないことが多かったけれど、そのうちの一つのナゾが解けた。

まだまだ、もちねこの探検は続く。


ここはバーもののけ。
いろんなモノがやってくる店。
夜も昼もいつでも開店。
今日の客は人間か妖怪か。
はたまた宇宙人か。
誰がくるかわからない魅惑のバー。





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