田舎のお年寄り、片っ端から落としたった。
私の取り柄は何ですか?
と聞かれたら、たぶんこれ。
圧倒的コミュ力。
とにかく人が好き。
知らない人と話すのも好き。
そして何より、
お年寄りが大好き。
だから田舎に移住して気づきました。
ここ……
私にとって幸せの街じゃん。
だって、
道を歩けば、3歩先にお年寄り。
スーパーに行ってもお年寄り。
病院に行ってもお年寄り。
お店の店員さんもお年寄り。
もちろん若い人だっています。
でも体感としては、
振り向けば、人生の大先輩。
最高です。
スーパーのレジだって、多少ゆっくりでも全然気にならない。
むしろタッチパネルを一生懸命操作している姿を見ると、
「すごい!使えてる!」
と勝手に感動している。
私より人生を何十年も長く生きている人が、新しい機械に挑戦している。
それだけで尊敬。
たぶん私は、お年寄りへの沸点がかなり低い。
すぐ感動する。
そんな私なので、移住してしばらくすると、近所のおじいちゃんおばあちゃんとも自然と仲良くなりました。
でも、せっかくなので。
今日は私が実践している、
「田舎のお年寄りと仲良くなる方法」
をお伝えしようと思います。
名付けて、
ご近所さん片っ端から落としたった作戦。
⸻
攻略法① 知らない人にも、とりあえず挨拶
基本中の基本です。
挨拶。
知っている人にはもちろん。
知らない人にも挨拶。
ちょっと離れていても挨拶。
目が合ったら挨拶。
場合によっては、
手まで振ります。
「おはようございまーーーす!」
くらいの勢い。
最初は、
「あの人、誰?」
と思われていたかもしれません。
でも、それでいい。
田舎ではどうせそのうち、
「あそこに引っ越してきた○○さん」
になります。
だったら先手必勝。
こちらから顔を売ってしまいます。
しかも毎回ニコニコ挨拶していると、そのうち向こうからも話しかけてくれるようになる。
「今日は暑いねぇ」
なんて言われたら、もうこちらのもの。
第一関門、突破です。
⸻
攻略法② 「作ったから味見して」攻撃
次に繰り出すのが、
おかず共有作戦。
何か作ったら、
「ちょっと作りすぎちゃって」
ではありません。
私は堂々と、
「作ったから味見してほしい!」
と言います。
ここ、大事。
「余ったからあげる」より、
「あなたに食べてほしい」
のほうが、なんだか嬉しくないですか?
美味しかったら、
「美味しかったよ」
と言ってもらえる。
そうすると私も嬉しい。
そして次に会ったときの話題もできる。
食べ物って、距離を縮めるのが本当に早い。
ただし、この攻撃。
高確率でカウンターを食らいます。
「これ持ってきな」
と野菜が返ってきます。
しかも、
倍になって。
こちらがおかず一品を渡しただけなのに、
ナス。
きゅうり。
トマト。
ピーマン。
……わらしべ長者?
⸻
攻略法③ 田舎は監視社会?なら、こっちから監視する
「田舎は監視社会だよ」
なんて話を聞くことがあります。
確かに、
「あそこに車停まってたね」
「昨日出かけてた?」
などなど。
よく見ていらっしゃる。
最初は、
めっちゃ見てるやん。
と思いました。
でも、あるとき気づきました。
だったら、
私も見ればいい。
ということで始まりました。
逆・監視社会。
最近姿を見ていなかったら、
「元気かな?」
いつもと様子が違ったら、
「体調悪くないかな?」
知らない車や人がいたら、
「あれ、誰だろう?」
もちろん本当に監視するわけではありません。
ただ、
気にかける。
それだけ。
でも、お年寄りが多い地域だからこそ、これって案外大事なんじゃないかなと思っています。
「最近見ないな」
「いつもと違うな」
そんな小さな変化に、誰かが気づける。
都会では人との距離が遠いことが心地よかったけれど、
田舎では人との距離が近いからこその安心感もある。
私はこっちから、
おせっかい側に回ることにしました。
⸻
攻略法④ 最終兵器、パンとお赤飯
そして私が定期的に繰り出す攻撃。
手作りパン。
これが強い。
とにかく喜んでくれる。
田舎に住んでいると、本当にたくさん野菜をいただきます。
「これ持ってきな」
「採れたから食べて」
と、袋いっぱいのお野菜をもらう。
ありがたい。
でも困るのが、
お返し、何にしよう問題。
野菜をもらった人に野菜を返すのも違う。
そこで私はパンを焼きます。
「パン焼いたから食べてー!」
これがなかなか好評。
そしてもう一つ。
お赤飯。
特に一人暮らしの方に持っていくと、とても喜んでもらえることがあります。
一人分だけお赤飯を炊くことって、なかなかないですもんね。
だから、
「今日お赤飯作ったから食べて」
と持っていく。
するとまた、
「これ持ってきな」
と何かをもらう。
そして私はまたパンを焼く。
また野菜をもらう。
また何か作る。
……
終わらない。
田舎の物々交換、永久機関です。
⸻
「田舎は人間関係が大変」だけじゃなかった
田舎移住について調べると、
「人間関係が濃い」
「プライバシーがない」
「近所付き合いが大変」
そんな話もよく出てきます。
それも、間違いではないと思います。
実際、人との距離は近い。
情報も早い。
「なんでそれ知ってるの?」
と思うこともあります。
でも私は、人が好きです。
特にお年寄りが好き。
だから、この距離の近さが案外心地よかった。
道を歩けば挨拶する人がいる。
「元気?」と声をかける人がいる。
野菜をもらったらパンを焼く。
パンを持っていったら、また何かをもらう。
そして数日見かけなかったら、
「どうしたかな」
とちょっと気になる。
移住前に想像していた「田舎暮らし」とは違うけれど、
こういう暮らしも悪くない。
むしろ私は、
結構好きです。
というわけで、
田舎のお年寄り、
片っ端から落としたった。
……と思っていたけれど。
野菜をもらって、
心配してもらって、
何かあると助けてもらって。
よく考えたら、
落とされていたのは私のほうかもしれません。
