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soeji
④ナナホシテントウ_南Yok
「早く言えよ!」
怒鳴った瞬間、それまで乾いた声で続いていた本部のカウントが、ぴたりと途絶えた。
途端に世界が静まり返る。風のざわめきだけが防護服の外を叩いている。
嫌な予感に突き動かされるように、トトは回収機をその場に置いたまま、立ち往生した回収車へ走った。
扉をこじ開け、解除キーをつかむ。
手のひらに冷たい金属の感触があった瞬間、わずかに安堵するが、それ以上に胸の奥で膨らむのは、得体の知れない苛立ちと不安だった。
「……どうなってるんだ?」
通信は沈黙したまま応答はなく、ただ自分の荒い呼吸音だけが耳の奥で増幅している。
キーを握りしめたまま走って戻る途中、ポータブル回収機を追い越し、さらに足を進める。
やがて交差点が視界に入った。
だが、そこには・・・・・何もなかった。
車も、人影も、回収対象も。あるはずの痕跡すら、砂に飲み込まれたように消えている。
巻き上がる砂埃の中から、一片の紙切れがひらひらと舞い降り、ブーツに張り付いた。
そこには荒々しい走り書きで、こう記されていた。
『回収されるのは、次はお前だ。』
用紙の地の部分をよく見ると、処方箋のような紙だった。
「用法・容量」の文字の後には、意味を成さない記号がぎっしりと並んでいる。
トトはそれを思わず胸ポケットへねじ込み、交差点のただ中に立ち尽くした。
・・・・・そういえば、自分は回収という作業をいつから続けていたんだっけ?
回収したものはどうなるのか?
何を回収しているのか?
思い出そうとするほど記憶はおぼろげに霞んでいった。
