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通勤電車で、佐々成政を雪山へ送っている

通勤電車で小説を書くことがあります。

正確に言うと、カクヨムで連載しているWEB小説の続きを、スマホで書いています。

周りの人は、たぶん普通にメールを見たり、ニュースを読んだり、動画を見たりしている。

その横で私は、佐々成政を雪山へ送っています。

文字にすると、なかなか変です。

でも、わりと真面目にやっています。

家では主にパソコンで長編を書いています。

長編作品は、基本的に賞に出すことを前提にしているので、公開していないものがほとんどです。

そのぶん、WEB連載は自分にとって数少ない公開作品です。

だから、できるだけ遅れずに出したい。

毎日更新していると、予約投稿のストックが減ってくるだけで少し不安になります。

意外とビビリです。

いや、意外でもないかもしれません。

公開している以上、止めたくない。
でも、仕事もある。
家のこともある。
まとまった時間が毎日あるわけではない。

そうなると、通勤電車の時間も使うことになります。

書いているのは、Googleドキュメントです。

スマホで書いて、あとでパソコンでも開ける。

これが意外と便利です。

電車の中で少し進めて、家で続きを見直す。
パソコンで整えて、またスマホで確認する。
そうやって、少しずつ積み上げています。

電車の中は、意外と集中できます。

もちろん、静かな書斎ではありません。

揺れます。
人もいます。
駅にも止まります。
アナウンスも流れます。

でも、逆に時間が区切られているから、余計なことを考えずに書けるのかもしれません。

カクヨムに出している一話は、それほど長くありません。

だから、通勤時間の中でも意外と進みます。

一場面だけ書く。
会話だけ進める。
オチの部分だけ入れる。
次の話の入り口だけ作っておく。

それくらいなら、電車でもできます。

もちろん、あとで必ず読み返します。

スマホで勢いよく書いた文章には、誤字もあります。
変換ミスもあります。
「なんでこんな言い方になった」と思うところもあります。

だから、電車で書いたものをそのまま出すことはありません。

一度、ちゃんと読み返します。

ただ、最初の一歩としては十分です。

白紙のまま帰るより、少しでも書けている方がいい。

通勤時間に数百字でも進んでいると、少し時間を得した気がします。

一日の中から、創作の時間を拾ったような感覚です。

ただ、たまに集中しすぎることがあります。

以前、電車を乗り過ごしたこともあります。

小説を書いていたら、降りる駅を過ぎていました。

現実の通勤ルートより、脳内の戦国時代の方が優先されていたようです。

だいぶ危ない。

あと、書いている最中に自分で笑いそうになることもあります。

変なセリフを思いついたり、アホな展開が浮かんだりすると、つい口元がゆるみます。

でも、ここは電車です。

周りから見たら、スマホを見ながら一人でにやけている人です。

かなり怪しい。

しかも画面の中には、史実通りに雪山を越えないと電流が流れる戦国武将がいます。

隣の人に見られたら、どう思われるのでしょうか。

できれば見ないでほしい。

でも、後ろめたさはありません。

机の前だけが、執筆場所ではないと思っています。

もちろん、しっかり腰を据えて書く時間も大事です。

特に長編は、構成や人物の変化や伏線を考える必要があるので、落ち着いた環境で向き合いたい。

でも、WEB連載にはWEB連載の書き方があります。

短い時間で、少しずつ進める。
一話ごとにテンポを作る。
日々の隙間に、物語を置いていく。

それもまた、ひとつの書き方なのだと思います。

小説を書く時間は、まとまって降ってくるものではなく、日々の隙間から拾うものなのかもしれません。

今日も電車は、いつも通り走っています。

その中で私は、スマホを片手に、佐々成政をまた少しだけ雪山へ近づけています。

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