熱帯夜 #シロクマ文芸部

熱帯夜の底を泳ぐ
泥が舞う
何も見えない

深くて暗い
澱んでまとわりつく

何故泳いでいる
僕は人間の筈なのに
息をしていない

髪の毛はなくなっている
手には水かきがついている

エラがある

エラがある

人ではない

人ではない

悲鳴が
泡になった

まだ真昼間なのに

夜の底を泳いでいる




読んでいただき、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!