非デザイナーが熱狂する「Canva」2.6億人利用の裏側にある、巨大な未開拓市場の正体
こんにちは。合同会社マルセロ 代表の駒瀬です。経営者、事業責任者に対する事業及びマーケティングの伴走コンサルティング、壁打ち、月額制顧問等のサービスを提供しています。
BtoBビジネスの最前線を走る田岡凌さん(suswork代表)と富家翔平さん(ビジネスMC)が、国内外のグロース事例を徹底解剖。明日から使える「成長の勝ち筋」を紐解くポッドキャスト番組「グロースの裏側」。
今回のテーマはデザインソフトの「Canva」。豊富なテンプレートを提供することで、白紙のキャンバスの前で硬直するという悩みを解決。デザインの民主化を実現した、その構造を解説しています。
私自身も、発信仲間から教えてもらい「これなら自分でもデザインが作れる!」と感動した一人です。そして、まさに「会社でもパワーポイントではなく、Canvaをデフォルトにして欲しい」と思ったものです。
#7 Canvaはなぜここまで広がったのか?デザインの敷居を下げた戦略
田岡 凌(以下、田岡): 今回のトークテーマは、デザインプラットフォームの「Canva(キャンバ)」です。
富家 翔平(以下、富家): Canva!知っている人は毎日お世話になっているし、知らない人にはまだ馴染みがないかもしれない、絶妙なラインですね。でも、BtoCもBtoBも関係なく使われていますよね。
田岡: 実はCanvaはグローバルサービスで、2025年時点で利用者数はなんと2.6億人。さらに、フォーチュン500(全米上位500社)の企業の95%が何らかの形で利用しているんです。
富家: 2.6億人……!日本の人口を遥かに超えていますね。正直、最近出てきたカジュアルなツールだと思って舐めていました(笑)。
田岡: その「カジュアルさ」こそが、売上約35億ドルという天文学的な数字を叩き出している理由なんです。今回は、Canvaがなぜこれほどまでに巨大なグロースを遂げたのか、3つの視点で紐解いていきましょう。
1. テンプレート簡便性がデザインの参入障壁を破壊した
田岡: 一つ目のポイントは、圧倒的なテンプレート数と、それによる簡便性です。デザインを「白紙」から作るのって、めちゃくちゃハードルが高いじゃないですか。
富家: 高いです。アドビのソフトを開いても、最初の一歩が動かない。
田岡: 世の中の90%以上の人は「自分はデザイナーじゃないから、いいデザインは作れない」というペイン(悩み)を抱えています。Canvaは、プロ向けではなく、まさにその「ノンデザイナー」の層を狙い撃ちしたんです。
富家: なるほど。作るプラットフォームというより、苦手意識がある人の「言語化」を助けているわけですね。
田岡: その通りです。Canvaのサイトに行くと、プレゼン、ポスター、SNS投稿、さらには履歴書まで、膨大なテンプレートが並んでいます。「何を作ろうか」と考える前に、テンプレートを選ぶだけで、自分の作りたいもののイメージが想起される。この「選ぶだけで完成する」という体験が、デザインの民主化を実現しました。
2. あらゆるカテゴリー・エントリーポイントを網羅
田岡: 二つ目のポイントは、「カテゴリー・エントリーポイント(CEP)」を徹底的に押さえていることです。これは、顧客が「あ、これが必要だ」と思い出す瞬間の接点のことですね。
富家: バナーを作りたい時、ノートのサムネイルを作りたい時、イベントのチラシが必要な時……。
田岡: そうです。Canvaはそれら一つひとつの入り口に対して、地道にSEO(検索エンジン最適化)やYouTubeコンテンツを積み上げてきました。例えば「Vチューバーとは?」といった、デザイン以前の悩みまで網羅したコンテンツを作っています。
富家: 「個人事業主とは」みたいな入り口までカバーしているんですか。まさに網を広げている感じですね。
田岡: AI時代においても、「顧客のニーズに合わせたコンテンツを出し続ける」という泥臭い積み上げが、盤石なグロースを支えています。
3. 「トロイの木馬」戦略:個人から企業へ滑らかに浸透
田岡: 三つ目は、個人利用からスタートし、いつの間にか企業全体に広がる浸透モデルです。私はこれを「トロイの木馬」と呼んでいます。
富家: 悪い意味ではなく、良い意味で「いつの間にか入り込んでいる」と。
田岡: ええ。まずは個人がフリープランで使い始める。それを誰かに共有したり共同編集に誘ったりすることで、自然と周囲に広がっていく。気がつくと「Canvaを使っている」という会話すら必要ないほど、組織の共通言語になっているんです。
富家: 縦軸に「エントリーポイントを広げ」、横軸に「ユーザー間の招待」で面を広げていく。まさに縦糸と横糸で市場を編み上げているんですね。
4.結論:敷居を下げれば、市場は10倍、100倍に膨れ上がる
富家: 今回の話を聞いて、Canvaが単なる「便利なツール」以上の存在であることがよく分かりました。
田岡: 結局のところ、「敷居が高いのが当たり前」と思われている領域の敷居をグッと下げることができれば、そこには隠れた巨大な市場が眠っているということです。これは、ライザップが「チョコザップ」でジムの敷居を下げたのと同じ構造です。
富家: 「本当はみんなやりたいけれど、難しくて手が出せない」という領域を見つけられるか。これはあらゆる新規事業のヒントになりそうです。
田岡: ぜひ、皆さんのビジネスでも「敷居を下げられる場所」がないか考えてみていただきたいですね。
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