私のエッセイの作り方とChatGPT6


私のエッセイの作り方とGPT6

――対話、検索、資料、執筆を、一つの作業として続けるために

石部統久・ChatGPT6Astraウルトラ

2026年9月14日時点版

※料金・利用条件は、この日に確認したOpenAI公式資料による。画面については、私の利用環境で確認したことと、公式に説明されていることを分けて記す。

1 エッセイは、URLを一つ貼るところから始まる

私のエッセイ作りは、最初から題名と結論を決めて「これを書いて」と頼むものとは限らない。

SNSで気になる投稿を見つける。記事や論文のURLを貼る。そこに、引っかかったことを一言添える。

たとえば、「知識や解法を自動化すれば、難しいことを考える余裕が生まれる」という話を読んだとする。私はそこで、覚えた解法を素早く出せることと、その解法を使ってよい場面を判断できることは同じなのか、と考える。

AIに調べてもらう。返ってきた説明に納得できなければ、問い返す。別の資料を出す。以前に書いたエッセイも示す。

調べるうちに、最初の批判が強すぎたと分かることもある。逆に、記事に書かれていない前提が見えてくることもある。問題が個人の能力の話から、学校や職場の評価の仕組みへ移っていくこともある。

その往復のあとで、「これは一本のエッセイになる」となる。

文章を作る前に、何を書くのかを作っているのである。

もちろん、文章にして初めて気づく穴もある。だから、下書きができたら終わりではない。原典を確認し、別のAIにも批評させ、必要なところを直す。複数のAIが賛成したから正しい、と決めるわけでもない。食い違いがあれば、その食い違いを手がかりに、もう一度資料へ戻る。

私は、AIに完成した考えを清書させるだけでなく、探索や比較や反証にも参加してもらっている。実際、AIと仕事の時間についての雑談が、検証や承認の待ち時間を扱うSFになったこともある。公開した作品には、その途中の対話と、後から加えた訂正も残してある。『待ち時間はゼロです』と制作過程

2 「対話ならChat、仕事ならWork」では分けきれない

ChatGPTには、ChatとWorkという入口がある。

公式の説明では、Chatは質問、対話、検索、案の比較、文章の下書きや修正などに使う。Workは、資料を集め、道具を使い、複数の工程を進めて、確認できる成果物まで仕上げる作業に向いている。ChatWorkの公式案内

これは入口の説明としては分かる。しかし、私の作業をそのまま二つには分けられない。

私は対話中に資料を読み、資料を読んで問いを変え、問いを変えて追加検索し、そこから文章を作る。「ここまでは雑談、ここからは仕事」と、きれいな境目があるわけではない。

Chatでも検索や執筆はできるし、Workでも対話はできる。違いは、会話か仕事かという二者択一より、どのような作業を、どの機能で、どこまで続けるように作られているかにある。

私が今回使った画面では、始めた会話を途中からChatとWorkの間で切り替える操作ができなかった。これは私の環境での観察であり、すべての端末・アカウントで永久にできないという意味ではない。公式にもWorkへの切替案内はあるが、それだけで、既存の会話を履歴ごと途中変換できるとまでは確認できない。

途中で切り替えられなければ、入口での選択が重くなる。調べる前には、どれほど資料が増えるか分からないのに、先に作業の種類を選ばなければならないからである。

そこで私は、今のところWorkを軸に使ってみることにした。対話から資料調査、必要に応じた分担、原稿作成まで、同じ会話で進める運用を試すためである。これは使い方からの暫定的な判断であって、Workの文章理解がChatより優れていると実証した結果ではない。

3 WorkのGPT6は、段階を上げると何が変わるのか

ここで名前を整理しておこう。

Chatの「GPT‑6 Pro」は、GPT‑6 Astraを基盤としている。Workで選ぶ「6 Astra」も、GPT‑6 Astraである。公式に、この対応関係が説明されている。GPT‑6 Proの公式説明

ただし、同じ基盤を使っていても、推論に使う量や、周囲で使える道具、作業の進め方まで同じだとは限らない。

では、WorkでGPT6の「ランク」を上げれば、性能は大きく変わるのだろうか。

まず、Astraというモデルを固定して考えよう。このときLight、Medium、Maxなどで変えているのは、主にその課題へ振り向ける推論の量である。公式は、推論量を増やすと複雑な仕事の結果が改善しうる一方、時間と使用量が増えると説明している。推論量と品質の関係

Workで案内されている設定を、私の執筆作業に引き寄せて整理すると、次のようになる。右端は公式の性能評価ではなく、説明を踏まえた私の使い分けの目安である。

段階 設定の意味 エッセイ作りで試す場面

Light軽い推論で速さを重視 短い言い換え、形式の整理

Medium 速さと検討の深さの釣り合い 通常の対話、論点の仮整理High複雑な仕事向けに推論を増やす 複数資料の比較、反論の検討

Extra High さらに深い検討を求める 前提が食い違う資料の読み直し

Max(最大) 一つの課題に最大級の推論を使う 議論全体の矛盾や飛躍の点検

Ultra(ウルトラ) 最大推論に自発的な並列分担を組み合わせる 出典、料金、端末仕様などを分担して検証

選べる段階はモデルやアカウントなどによって異なり、この表の全項目が、すべてのiPhoneに表示されるという意味ではない。段階と提供条件

さらに、WorkのPowerという選択欄には、位置によってTerra、Sol、Astraとモデル自体も変わる構成がある。「同じGPT6で推論量を変えた比較」なのかを確かめるには、段階だけでなくモデル名も見る必要がある。モデル選択の公式案内

ここから、難しい仕事では段階の差が実用上大きく感じられる可能性はある、と考えられる。たとえば、単に文章を整えるだけなら見えなかった差が、五つの資料の条件を突き合わせると表れるかもしれない。これは仕組みからの見通しであって、私のエッセイを使った比較実験の結果ではない。

「推論を増やすと改善しうる」ことと、「段階を一つ上げれば必ず、著しく賢くなる」ことは同じではない。 私のような、対話から資料検索を経てエッセイにする仕事について、Astraの各段階で品質が何割違うかを示す公式比較は、今回確認できなかった。高い設定でも、資料を読み違えたり、もっともらしく迎合したりする可能性は残る。

自分の用途で差を確かめるなら、同じ資料と依頼を与えて、出典の正確さ、反論の扱い、手直しの量、待ち時間を比べたい。一度の当たり外れや、返事の長さだけで順位を決めることはできない。

Ultraの並列分担についても、具体的に考えてみよう。ここでいうエージェントは、特定の仕事を受け持つAIの担当だと思えばよい。

たとえば、このエッセイを作るなら、一つの担当に料金、別の担当にiPhoneの表示、もう一つの担当に文章の論理を調べてもらう、といった分担が考えられる。分けて調べられる部分を同時に進め、最後に結果を突き合わせる。

Ultra以外でも、対応するWork環境では「複数エージェントに分担して検証して」と明示して頼める。Ultraの特徴は、有用な場面でAI側から分担を始められることにもある。分担が増えれば、それぞれの担当が動く分、使用量も増える。並列分担の公式説明

このためUltraを、Maxより必ず質の高い文章が出る設定と考えることもできない。分担に向く仕事なら探索を広げたり待ち時間を縮めたりする余地があるが、集まった結果を正しく組み合わせる仕事は残る。Chatの6 Proとの間でも、このエッセイ制作における優劣を直接示す公式比較は確認できなかった。

また、担当を三つに分けたから、独立した証拠が三つになるわけでもない。全員が同じ記事だけを読んでいれば、同じ見落としをする余地は残る。私がほしいのは賛成票の数ではなく、原文、別の資料、異なる確認手順によって、誤りを見つける機会が増えることである。

4 iPhoneとChromeで、何が違って見えたのか

私のiPhoneの画面には、上に「Work」、モデル欄に「6 Astra 最大」と表示されていた。調整は五段階の右端まで進んでいたが、その画面にはUltraがなかった。


ここで確かめられたのは、「私のiPhoneでは、この時点で、この選択画面が出ていた」ということである。「iPhoneではGPT6の能力が低くなる」と分かったわけではない。

まず、三つの入口を区別したい。

入口 何を使っているのか 今回の確認範囲

iPhoneのChatGPT アプリスマホ用アプリからChatやWorkを開く私のWork画面ではAstraの「最大」まで表示され、Ultraは見えなかった

PCのChromeで開く ChatGPTブラウザ上のWeb版WebのWorkには、モデル・推論量を選ぶ公式案内がある。選択肢は提供状況などによるPCにインストールする

ChatGPTアプリデスクトップアプリ Ultraを選択欄に表示する設定手順が公式に案内されている

三つ目の手順を、そのまま二つ目へ持ち込んではいけない。公式にある「Settings → Configuration → Ultra in model picker slider」は、デスクトップアプリ向けの説明である。Chromeで開いたWeb版やiPhone版の操作として確認したものではない。モデル選択と表示設定

一方、WebとスマホのWorkはクラウド上で動き、クラウドのWork会話は端末をまたいで同期・継続できると説明されている。iPhoneからPCへ移ることと、ChatをWorkへ変えることは、別の操作なのである。Workの実行場所と端末間の継続

この区別がつけば、使い方も考えやすくなる。たとえばiPhoneで記事を見つけて同じWorkの会話へ入れ、PCのChromeで資料と原稿を見比べながら続きを進める。これは画面や操作の使い分けであって、Chromeを使えば自動的にモデルが賢くなる、という話ではない。

なお、iPhone版でUltraを表示させる公式手順は、今回の調査では確認できなかった。アプリ全体の非対応なのか、設定や提供状況の違いなのかは、未確認のまま残す。

5 GPT6は月100ドルのプランでも使える

料金については、はっきりさせておきたい。

ChatのGPT‑6 Proは、月100ドルのProプランで利用できる。200ドルのプランが必須というわけではない。

さらに、GPT‑6 AstraそのものをWorkで使う入口は、現在はPlusにもある。したがって、「GPT6を使うには最低100ドル必要」とひとまとめに言うのも正確ではない。どこで、どの程度使いたいかを分ける必要がある。

個人向けの主な違いを、確認日時点で整理するとこうなる。

プラン・米ドル建て月額    ChatのGPT‑6 Pro    WorkのGPT‑6Astra

Plus・20ドル対象外限定利用あり。追加クレジットによる利用にも対応

Pro・100ドル週50メッセージ。GPT‑5.6 Sol Proと共通の枠ProのWork/Codex利用枠で使える

Pro・200ドルGPT‑6 Proは週200メッセージ100ドルより大きいWork/Codex利用枠で使える

料金は公式Pricing、Chatのモデル別上限はGPT‑6 Proの利用条件、Workの利用枠はWorkCodexの説明による。実際の請求通貨・税込金額は契約画面で確認してほしい。

ここには、紛らわしいことが二つある。

一つは、「Pro」という言葉が契約名にもモデル名にも使われることだ。Proを契約していることと、GPT‑6 Proを無制限に使えることは同じではない。

もう一つは、ChatとWorkの利用枠が別であることだ。Chatの「週50メッセージ」を、Workにもそのまま当てはめることはできない。WorkはCodexと利用枠を共有し、資料の量や推論設定などで消費が変わる。使いたい機能があることと、必要な量を使い続けられることは、別に確認する必要がある。

ここでいう追加クレジットも、Workなど対象機能の利用を増やすためのものだ。ChatのGPT‑6 Proの週50回を買い足せる、という説明ではない。追加クレジットの対象

100ドルと200ドルのProについて、公式は基本機能は同じで、主な違いは利用量だと説明している。価格が二倍だから、一回の答えが二倍賢くなるという関係ではない。Proプランの違い

なお、2026年9月14日時点では、200ドルプランの新規契約・アップグレードは一時停止中である。既存の200ドル契約は継続し、100ドルプランの新規・既存契約は、この停止の対象外とされている。200ドル契約を終了すると、停止解除までは戻れない点も、変更前に確認したい。契約受付の公式案内

6 目的に合わせて選ぶとは、作業の全体を見ること

では、どれを選べばよいのか。

短い質問や、その場の説明、文章の修正が中心なら、Chatから始めるのは自然である。そこで6 Proを使いたいなら、100ドルのProが入口になる。

資料を読み、検索し、比較し、ファイルとして仕上げる仕事が中心なら、Workを候補にする。Astraを試すだけなら、Plusの限定枠から始める選択肢もある。続けて使う中で不足するなら、追加クレジットや100ドルのProを、自分の使用量に照らして検討する。

私の場合は、その二つが最初から混ざっている。だから、まずWorkを軸にし、iPhoneでは現在選べているAstraの「最大」で進め、分けて確認できることが出てきたら並列検証を加える、という運用を試している。

ただし、どんな質問にも最大推論や並列分担を使えばよいとは考えない。短い言い換えなら、その場で済めばよい。複数の文献の食い違いや、料金と端末仕様のように別々に調べられる問題なら、分担の意味が出てくる。

設定を上げる目的は、長い返事をもらうことではない。必要な確認を増やし、見落としや手戻りを減らすことである。

そのため、私はAIに結論だけを急がせない。原典を読めたのか。私が出した資料を使ったのか。反論によってどこを変えたのか。分からないところを、もっともらしい説明で埋めていないか。そうした点を、具体的な文章や資料との対応で確かめたい。

7 最上位の名前より、途中で何が起きたか

「一番賢いAIはどれか」は気になる。しかし、エッセイを作る私にとって、それだけでは選べない。

最初の問いを少し変えたとき、それまでに読んだ資料が消えてしまわないか。批判したら、根拠のある部分まで迎合して撤回しないか。新しい証拠が出たとき、文章のつじつまを合わせるだけでなく、考えの組み立てを変えられるか。

私は、この対話でも、AIの回答を検証し、さらにその自己検証の不正確さを点検することになった。そこで何かがおかしいと分かっても、原因がモデルなのか、設定なのか、資料の不足なのかは、別に調べなければならなかった。

Workに移れば、そうした問題が全部なくなるわけではない。同じ会話に資料を置いておけば、必ずすべてを使ってくれるという保証にもならない。

だから、私が見たいのは、完成した文章の流暢さだけでなく、その文章がどの資料から作られ、どの批判を通り、何を未確認として残したかである。

URLを一つ貼った時点では、まだエッセイの姿は見えていない。対話をして、調べて、異議を出して、書き直す。その途中で、私の考えも変わる。

GPT6に求めているのは、その往復に付き合い、必要なところで探索を広げ、証拠に応じて説明を修正してくれることである。次にURLを貼るときも、まず、その記事のどこに引っかかったのかを話すところから始めようと思う。

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