『AIという鏡』 佐々木閑、佐々木斎生(著)
AIを題材にした、少し哲学的な本
いつもと、切り口を変えてみるのもいいかな、と
AIが人間を追い越した先で、
人は、生きる意味、存在価値を問い直すことになる
本書では、「生きる苦しみが現実になる」、と言っている
私も、ときどき考えるのですが、
ベーシックインカムが現実になると
餓死する人は減るけど、
精神的に病む人が急増するだろうな、と思います
『AIという鏡』 佐々木閑、佐々木斎生(著)
AIという鏡 -人の価値とは何か-
佐々木閑、佐々木斎生(著) 2026.3、139/88p
著者のお二人は、
69歳の仏教哲学者(人の立場)と、
38歳の数学者(AIの解説)
前半は刺激的でおもしろい対談が続き、
後半は、AIの原理解説
まったく違うアプローチの2部構成
知性とは?
知性とは、という問いに対して、古典の2つの考え方を示している
見えないものを見る。見るように捉える(プラトン)
具体的に論理的に考え、問題解決する(アリストテレス)
自分の知識や経験と結び付けて観察し、考え、理解する
思考や推論を使って、真理を探究する力
とも言える
こういうレベルでは、すでに
AIは知性を獲得していると言える
AIの中に概念のようなものが生まれている
LLMの中核技術であるアテンションとトランスフォーマーによって、
AIの中に概念的なものが生まれたと言っていい。
アテンションの発明は画期的なことで、
文脈によって、単語の重要性が変わることを数学的に表現できている。
しかし、意味は理解していない
理解しているように振舞う
このあたりが微妙
仕組み・原理は明快なのに、
なぜそうなるかは、よくわかっていない
現象だけが見えている
不透明で謎な部分が多い
概念とは、高次ベクトルの「内積」でできている
AIは、
情報、知識を高次ベクトル情報として蓄積し、
行列の内積の結果として、概念っぽいものをつくっている
ベクトル演算しているだけなのに、
そこに、意味、意志、意識が埋め込まれるのか?
記号接地問題(シンボルグラウンディング問題)とか
記号創発とか
難しい話も出てきますが、理解できませんw
五感と身体性
人間には五感がある
そして、体で感じる、身体性を持つ
五感と身体性から、意志が生まれる
ここが、AIとは決定的に違う
人間が感じるのは、五感を統合処理したもの
五感が凄いというよりは、
無意識領域の膨大な記憶と
統合処理系の方が特徴的
ここからは、本書の範囲を超えて、私の理解で、追記しますが、
五感から得られる情報量は膨大で、時系列に積み重なり
過去の体験を多層的に記憶しているので、情報量は超膨大になる
現代のAIシステムではウインドウという
一度に処理できるデータ量の制約がある
メモリー量も、人の一生分の記憶、体験を蓄積するには全然足りない
膨大な情報への同時多重アクセスや、統合処理もできない
人は、曖昧性と引き換えに、膨大な情報を蓄積し
新しい情報、刺激と、
過去の体験、知識を重ね合わせて多重処理できる
曖昧さと、扱える情報量(範囲)のトレードオフが
現代のAIと人間との得意領域の差につながっている気がします
そもそも 「AIに負けない」 という発想がおかしい
AIに負けない人間らしさ、とか
AIに勝つ、とか
そういう発想自体が、人間の慢心の現れ
心のないAIより、心を持つ自分の方が優れている、
という考え方も放漫である
人間はそんなにエラくない(笑)
AIと人間は比べる対象ではなく
得意、不得意な領域が違うだけ
対等な存在として認める
どうやったら仲良く、一緒にやっていけるか
よりよい未来を構想する方が、本筋
肥大した自我が苦しみを生む
従来型の勝ち組は、
自我、欲求、執着による幸福を追求してきた
自分中心の世界
しかし、AI時代は、「肥大した自我が苦しみを生む」
自我に対して、無我という言葉がある
仏教では、あえて無我を目指す
自分中心ではなく、流れの中に自分を置く
一緒に楽しむ、一緒に喜ぶ、執着を捨てる
我欲を消す、無我になる
世間では負け組と言われるような、
無気力で意欲に乏しい生き方
我執(がしゅう)を捨てて生きる
難しい言葉が出来たので、AIに解説してもらいました
我執(がしゅう)とは、
自分中心の考えや
「私こそが正しい」「これは私のものだ」
という強いこだわりを手放すこと(AI解説)
謙虚さと構想力が、
AI時代の新しい生き方、ということか
少し極端な話に聞こえるが、
一旦、極論を置いてみて、自分はどう考えるか、と
問い直すことが大切
答えは1つではなく、
人それぞれ違っていい
ちょっとまだ、消化しきれない感じですが、
刺激的な本でした
これからも、引き続き、
AIと人間との関係性
得意、不得意な領域を考えていきたいと思います
この記事を書いたのは、
収益の柱を増やす「未来実現パートナー」 川原茂樹
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