「腰痛はもう治った」そう思っていた30代女性が、2回目に気づいたこと
fromよご@Movingbody
「もう腰は大丈夫です」
そう言って、2回目の施術に来られた女性がいました。
【事例1】デスクワークで腰痛になった30代の女性
その方は30代。
デスクワーク中心のお仕事で、初めて来られた時は腰痛に悩んでいました。
体を確認してみると、長時間のデスクワークの影響もあって、
姿勢のバランスがかなり崩れていました。
股関節の動きにも癖があり、体全体をうまく使えているとは言いづらい状態。
肩甲骨や首も動きが重く、特に右肩は動きが重いし、挙がりにくい。
初回では、そのあたりを確認しながら施術をしていきました。
すると腰もかなり楽になり、
「また来ます」
と、ちょうど2週間後の予約を取って帰られました。
そして2週間が経ち、2回目の日。
来店してすぐに聞いてみると、
「めちゃくちゃ楽になりました」
とのこと。
腰痛は、ほとんど気にならなくなっていたそうです。
これはもちろん、私としても嬉しいことです。
ただ、
ご本人の雰囲気としては、
「もう良くなったし、特にやることもないんですけどね」
という感じでした。雰囲気というか、実際に、そんなようなことを言っていました。
ただ、予約していたし、2回目の分も購入していたから来た。
そんな感じだったと思います。
痛くない。でも、体を見てみると……
彼女の話を聞いてから、改めて体を確認して施術を始めました。
すると、やっぱりまだまだあるんです。
股関節の動きの癖。
体の硬さ。
姿勢のバランス。
肩はまだバキバキ、右肩の癖も強い…
腰が痛かった時に比べれば、もちろん状態は良くなっています。
でも、
「痛みがない」ということと、
「体が十分に動けている」ということは、
必ずしも同じではありません。
施術をしながら、ご本人にも自分の動きの悪さや硬さを感じてもらいました。
といっても、大袈裟でなく、ただ普通に施術を進行させていただけですが、
途中で、こんなことを言われました。
「痛くなくなったから良かったと思ってたけど、全然まだまだですね…」
自分の体の現実に気づいた彼女から、深いため息が漏れてきたような気がしました。
これ、すごく印象に残っている言葉です。
痛みがなくなると、人は「治った」と感じる
これは彼女だけの話ではありません。
腰痛でも肩こりでも、
痛い時にはみなさん、とても真剣です。
「何とかしたい」
「このまま繰り返したくない」
「姿勢も良くしたい」
「普通に生活できる体に戻りたい」
初回のカウンセリングでは、そう話される方がたくさんいます。
つまり本当に望んでいるのは、
「今日の痛みがなくなること」
だけではないんですよね。
また痛くなることを気にせず生活したい。
仕事もしたい。
旅行にも行きたい。
運動もしたい。
できれば、整体にずっと頼らなくても自分で体を管理できるようになりたい。
おそらく、そこまで含めて「良くなりたい」と思っているはずです。
ところが不思議なもので、痛みがなくなると、
「もう大丈夫」
という気持ちになります。
それ自体は、とても自然なことだと思います。
痛くないのに、毎日「腰を何とかしなきゃ」と考えていたら、それはそれで疲れてしまいますから。
ただ、体を見ている立場からすると、
「ここで全部やめてしまうのは、ちょっともったいないな」
と思うことがあります。
「痛くない」は、次の段階へ進めるサイン
体は、普段の使い方に少しずつ適応していきます。
・長時間座っている。
・いつも同じ姿勢をしている。
・動かしやすいところばかり使う。
・動きにくいところは、ますます使わなくなる。
そんな毎日を繰り返せば、体はその使い方を覚えていきます。
逆に言えば、
動きやすい状態で、
良い動きを少しずつ繰り返す。
必要なセルフケアを続ける。
適度に歩く。
体の状態に合えば、筋トレや運動もしていく。
そうやって良い使い方を繰り返せば、それもまた体に定着していきます。
だから私は、
「痛みがなくなったら終わり」
というより、
「痛みがなくなったら、次の段階に進める」
と考えています。
痛い時にはできなかったことが、できるようになるからです。
【事例2】腰痛が良くなっても「もっと良くなりたい」と言った人
逆のケースもあります。
40代の男性で、腰痛をきっかけに来られた方がいました。
この方も、最初の頃に腰はかなり楽になりました。
そこで終わることもできたと思います。
でも、その方は、
「せっかく楽になったから、しばらく続けてもっと良くなりたい」
と、その後も体を整えることを続けました。
腰痛をなくすことだけが目的ではなく、
もっと動けるようになりたい。
今より楽に生活したい。
自分の体を良くしていきたい。
そんな方向に目的が変わっていったんです。
私は、こういう変化を見ると、とても嬉しくなります。
これは「もっと整体に通ってください」という話ではありません
ここは、誤解されたくないところです。
私が言いたいのは、
「痛みがなくなっても、ずっと整体に通ってください」
ということではありません。
むしろ逆です。
できれば、自分の体を自分で整えられるようになってほしい。
少し疲れた。
ちょっと腰が重い。
最近、体が硬くなってきた。
そんな時に、
「また悪くなった。どうしよう」
ではなく、
「最近ちょっとケアが足りなかったな。今日はこれをやっておこう」
と、自分で対処できる。
私は、そこまでいけたらかなり強いと思っています。
施術は、そのためのきっかけです。
自分では動かしにくかったところを整えて、
「こうすると楽に動けるんだ」
という状態を一度作る。
そして、その状態をセルフケアや日々の動きで少しずつ自分のものにしていく。
Movingbodyで大切にしている
「施術はきっかけ、主役はセルフケア」
という考え方も、そこにつながっています。
痛くなったらケアする、から一歩先へ
最初に紹介した30代の女性は、その2回目を最後に来られなくなりました。
その後どうされているのかは分かりません。
今も腰痛なく元気に過ごされていたら、それが一番です。
ただ、
「痛くなくなったから大丈夫」
と思っていた本人が、実際に自分の体を確認して、
「全然まだまだですね」
と気づいた。
この出来事は、今でもよく覚えています。
痛みがなくなることは、とても大切です。
でも、せっかくそこまで来たのであれば、
そこで体への関心までなくしてしまうのではなく、
もう少しだけ先へ進んでみてもいいのではないでしょうか?
痛くなったらケアする。
ではなく、
痛くなりにくいように、普段から整えておく。
そして少し崩れても、自分で戻せる。
そんな体との付き合い方を覚えていく。
「もう痛くない」は、ゴールではなく、
自分の体を育てていくためのスタート地点にもなる。
私は、日々いろいろな方の体を見ながら、そんなふうに思っています。

