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もうすぐ6月。新茶のピークを終えたお茶屋が、今ひそかに仕込んでいること。

​こんにちは。


怒涛のようだった5月の新茶商戦もいよいよ終盤。お茶屋にとって一年で最も熱く、目の回るような1ヶ月が一段落しようとしています。


​「新茶が終わったら、お茶屋さんはのんびりできるの?」


そう聞かれることもありますが、実はここからの「6月の動き」こそが、これからの夏、そして今年一年の店舗の運命を左右する極めて重要な時期なのです。


​今日は、華やかな新茶の舞台裏で、私たちお茶屋が今まさに取り組んでいる「4つの仕事」についてお話しします。


​1. 店内の「衣替え」とディスプレイの切り替え


​5月いっぱいで、新茶のピークは一旦終了します。
まずやるべきは、店内のディスプレイやパッケージ(包材)の切り替えです。


​これまでお店の主役だった「新茶」ののぼりや鮮やかな緑のパッケージを下げ、一気に爽やかな「初夏・夏仕様」へと店内の雰囲気をガラリと変えます。

このスピーディーな衣替えが、お客様に常に新鮮な印象を持ってもらうための第一歩です。


​2. 暑い夏を乗り切る「夏のセール企画」の立案


​お茶の需要は、気温が上がるにつれてどうしても落ち着きがちになります。
だからこそ、この時期に「夏の仕掛け」をどれだけ緻密に終えられるかが勝負です。


​「お中元」などのギフト需要はもちろん、暑い夏でもお茶を楽しんでもらうための店舗独自のセール企画や、デジタルマーケティングを活用したECサイトのキャンペーンなどを、数字とにらめっこしながら組み立てていきます。


​3. 今年一年を占う「通年用原料」の見極め


​新茶時期に売るお茶は、その時に仕上げた限定品が多いですが、これから来年の春まで「お店の味」として安定して販売し続ける通年用の茶葉(原料)を決定するのもこの時期です。


​製茶問屋から続々と集まってくる今年の茶葉の見本をずらりと並べ、実際に何度も拝見(はいけん:お茶の品質を吟味する専門的な試飲)を行います。


「今年のこの価格帯の原料は、例年に比べて火入れのノリがどうか」「お店の基準を満たしているか」など、職人としての経験と五感をフルに働かせて、今年一年分のベースとなる原料を買い付けていきます。


​4. 待ったなし!「水出し茶商品」の製造・準備


​そして、間近に迫った本格的な暑さに向け、「水出し緑茶」や「冷茶用ティーバッグ」などの夏限定商品の準備を急ピッチで進めます。


​近年、若い世代を中心に「手軽にマイボトルで作れる水出し茶」の需要が非常に高まっています。


茶葉の選定から、パッケージへの袋詰めなど、夏本番に在庫切れを起こさないよう、今からしっかりと準備していきます。

​■ おわりに


​5月の新茶が「お茶のプロモーションのハレの舞台」だとしたら、6月は「一年の土台を支えるケの舞台(裏方仕事)」です。


​目まぐるしく変わる季節とお客さまのニーズに先回りして、常に「今、一番美味しいお茶」を最高の状態でお届けする。この地道な準備の繰り返しこそが、伝統を繋ぐお茶屋の矜持でもあります。


​今日もお茶を一杯淹れて、次の季節への準備を始めます。

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