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なぜ「若手コンサル」は不要なのか?

はじめに

コンサルティング業界は近年、驚くほど多くの志望者を惹きつけています。あるトップ戦略コンサルファームには、年間で約100万件もの履歴書が届くとされており、その数は年々増加傾向にあります。

MBA取得者や若手プロフェッショナルの間での人気も、今も昔も変わらず根強いものがあります。

企業の変革をリードし、戦略を描く…



そんなコンサルタント像に憧れる人が増える一方で、私自身が見てきた現実には、華やかなイメージとは裏腹に、高額な費用やスケープゴートとしての役割など、決して華やかとはいいがたい役割が混在しています

特に製薬業界においては、コンサルへの依存がコスト構造や意思決定に影響を及ぼし、その結果が患者や社会全体にまで波及する可能性もあります。

本noteでは、コンサル費用の実態や過去の問題事例、AIによる代替の可能性、そして日本独自の事情にも触れながら、転職や新卒でコンサル業界に関心を持つあなたに、現場を知る視点から思考のヒントをお届けします。

こちらも参考にしてください。



高額なコンサル費用

6000億円のサービス契約打ち切り

コンサルティング会社は、戦略立案やデータ分析、規制対応など、高度な専門性を求められるサービスを提供しています。しかし、企業の意思決定の現場に立ち会ってきた立場から見ると、その費用は決して軽視できるものではありません。

実際、米国では国防総省(ペンタゴン)が、大手コンサルファームとのITサービス契約、総額40億ドル(約6,000億円)を「本質的ではない」と判断し、打ち切ったというケースが注目を集めました。(2025年4月)

国防長官ヘグセス氏は「コンサルへの過剰な依存が組織の効率性を損なっている」と判断、内部職員だけで同様の業務が遂行できると結論づけました。結果、約40億ドル(約6,000億円)のコスト削減が見込まれています。

この事例は、コンサルティング費用が非常に高額である一方で、その支出に見合うだけの明確な価値が常に提供されているとは限らない、という現実を突きつけています。

このような契約の見直しは、景気動向に応じて周期的に起こる傾向があります。例えば、景気が減速し始める局面では、企業や政府機関は支出の見直しを迫られるため、「外注コスト=コンサル費用」が真っ先に俎上に上がる傾向があります。

逆に好景気時には、余剰資金を活用して外部の専門性に依存しがちになるため、契約が膨張する。つまり、コンサル契約は景気動向に敏感な“循環的支出”の側面を持っています

製薬業界も、コンサル支出の規模と影響を無視することはできません。新薬開発、市場戦略、規制当局との交渉といった場面で、多くの大手製薬企業が戦略系やIT系のコンサルに大きく依存しています。中には、年間で数億円単位のコンサル契約を結んでいる企業もあります。

こうしたコストは、企業の研究開発費や薬価に間接的な影響を及ぼし、最終的には患者や医療システム全体に跳ね返ってくる可能性があります。このような高額契約がどのように生まれ、どのような影響を及ぼしているのか、いくつかの具体的な事例から、もう少し深く掘り下げてみましょう。

William Holman Hunt - The Scapegoat, 1854
National Museums Liverpool

過去の事例:オピオイドと責任転嫁

最近、コンサルと製薬企業の関係が注目された代表的な事例が、米国のオピオイド問題です。この問題は、コンサル業界の影響力を考える上で、重要な教訓を残しています。

出典と解説

The New York Times, “McKinsey to Pay $650 Million to Settle Opioid Case”

MBBの一角をなすマッキンゼーは、オピオイド系鎮痛剤「オキシコンチン」の製造元であるパーデュー・ファーマに対し、販売戦略の策定を支援していた経緯があります。

1990年代から2000年代にかけて、アメリカではオピオイドの過剰処方が蔓延し、依存症の急増や過剰摂取による死亡者の増加といった深刻な社会問題へと発展しました。

報道によれば、マッキンゼーはこの間、医師への積極的なマーケティング手法や、規制当局の監視を巧みに回避する戦略の提案を行っていたとされています。

これらの関与が、結果としてオピオイドの過剰供給を助長したとみなされ、同社は2021年、米司法省との間で和解金を支払うことに同意。公式に謝罪を表明、製薬業界向けの業務方針を見直す意向を明らかにしました。

ジェフリー・ローゼン米司法副長官は、2020年10月21日にワシントンで行われた記者会見で、「パーデュー・ファーマ社が中毒性のある処方オピオイドオキシコンチンの取り扱いに関する刑事告発に対し有罪を認めることに同意した」と発表した。

問題の詳細

発端は、パーデュー・ファーマが1990年代に鎮痛剤オキシコンチンを「依存性が低い」と宣伝し、市場に投入したことにあります。

医療現場で広く処方されるようになったこの薬は、やがて過剰使用と依存の拡大を引き起こし、深刻な社会問題へと発展しました。

その後、2000年代に入ってから、マッキンゼーはパーデューと契約を結び、同社の売上拡大を支援します。

公開された内部文書によれば、マッキンゼーは、特定の医師グループをターゲットにした販売戦略や、処方量を増やすため「ハイリスクな患者への処方を最適化する」といった手法を提案していたとされています。

これらの戦略は確かにオキシコンチンの売上を押し上げましたが、その一方で、依存症患者の急増や過剰摂取による死亡例の増加に拍車をかけたと指摘されています。

Empire of Painは、オバマ元大統領の2021年のブックリストにも入っていた

コンサルを使う理由は何か?

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