見出し画像

「記憶に残る」マジックアイテムの渡し方 | D&D5e/DM向け

キャンペーンでプレイヤー達に渡したはいいものの、忘れられたままになった魔法のアイテムや、せっかく強力なアイテムを手に入れたのに、使ってみるとあまり特別感がなかったという事はありませんか?

この記事では、ゲームデザイン的な観点から、「記憶に残る」アイテムの配置を紹介していきます。

本記事では『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(第5~5.5版)を規準としていますが、読者の皆さんの判断次第で、他の類似したシステム(主にファンタジー系?)にも応用できるかもしれません。

なお、本記事は以下の動画(YouTube、Trekiros氏)の動画をもとに翻訳・再構成したものです。
問題があった場合は削除します。

実践的なアイテム分類

動画では、ルールでの分類ではなく、アイテムのゲームやシナリオ上の機能を加味した、実効的な分類、立ち位置でアイテムを分けています。

目標系 (Trophies)

これには+1や+2などのの武器や防具、フレイム・タンのような追加ダメージ付きの武器など、単純に数値が強化されるだけの装備や、主に戦闘で純粋に強力なアクションが取れるようになるものが該当します。
これらはただ攻撃や防御の数値を上昇させるだけのものであり、それゆえに、一度手に入れてしまえばアイテムとして意識することがあまりありません。
しかし、単純な数値の上昇はプレイヤーたちから喜ばれるのも事実。なので、「目標」として配置するのがよいでしょう。

遺跡に眠る伝説の剣、お店に並んでいたけど高すぎて買えない鎧などといった形で配置し、長期的なモチベーションとして、そこに至るまでの過程を記憶に残すことができます。

動画では、この立ち位置に配置するアイテムの注意点として、「効果はできるだけわかりやすくする事」が挙げられています。
「敵の首を一撃で斬り落とせるかもしれない」ヴォーパル・ソードと、「エルフの家系と結びつき、さまざまな効果を持ちうる」ムーンブレードは、どちらもルール上ではレアリティ「レジェンダリー」で同格ですが、ヴォーパル・ソードの方が強烈な印象を残せるのは、先ほどの説明でおわかりでしょう。
(筆者から:そもそもムーンブレードは家系ごとに異なる効果があるという想定なので、決めた効果をいかに見せるかという所も、DMの腕の見せ所かもしれません。)

筆者の私見として、魔法のアイテムではありませんが、一部の初期装備の範疇を超えた購入金額の鎧(重装のプレート・アーマーや中装のスプリント・アーマーなど)もこれに含まれると考えています。
いずれも価格設定が3桁以上と高めになっており、システム上で一山当てて帰ってきた後の目標を想定されています。

発見系(Gifts)

ドラゴンの宝の山の中や、ダンジョンの本筋を外れた場所など、思いがけず発見するタイプの配置に向いたアイテムです。

先ほどの「目標」系は前もって存在が伝えられ、手に入れるまでの過程がプレイヤーの選択に影響を与えるのに対し、この形で配置されるのは「手に入れた後」にプレイヤーの選択に影響を与えるアイテム、つまり、「選択肢を広げる」「何か面白いことができる」タイプのアイテムが望ましいと言えます。

実例として、ボタンを押すだけでその空間に固定されるイムーヴァブル・ロッド不動の杖のように、直接キャラクターは強くならないものの、発想次第で想定以上の効力を発揮するものや、プレイヤーたちが今までできなかった事ができるようになるアイテムなどが挙げられます。

もちろん後者の場合、キャラクター作成やレベルアップの内容と重複するのは望ましくありません。動画で紹介されている「ウォーロックが『百面相』の妖術で脱獄したという設定があったのに、同じ効果を持つハット・オヴ・ディスガイズを手に入れてしまった」などのように、能力を背景設定に紐づけているケースならなおさらです。

物語系(Catalysts)

この分類は、プレイヤー達の倫理観や感情に訴えかけ、動画曰く「化学反応を起こす」アイテムが含まれます。中では呪われた装備、知性持つアイテム、特定のロールプレイをしないと効果がないものなどが代表例として挙げられています。

D&D5版/5.5版のアイテムに直接的にこれに該当する特徴を持つアイテムはあまり多くありませんが、「各勢力が喉から手が出る程欲しい歴史的な秘宝」のようなバックストーリーなどをうまく紐づけることで、本来これにあたらない物に価値を与えることもできるでしょう。

ただし、物語系が多すぎるのも、それだけプレイヤーが考慮しなくてはならない事も増えてしまうことになるので考え物です。動画では前のアイテムの話がひと段落してから(必ずしも完全な決着ではない)次を出すとよいとしています。

世界観系(Props)

これは冒険とは無関係なものの、世界観描写の一環として配置されるアイテムです。

動画で紹介されている「エベロン」の世界観における「クレンジング・ストーン」は、どれだけ汚れていても簡単に汚れを落としてくれるという優れ物。ご家庭に一つレベルで普及はしていますが、冒険の際に特別役立つ訳ではありません。しかし、あるだけでその世界観における魔法の普及度合い、その強さを示してくれることになります。

おわりに

「この装備を手に入れるために〇〇セッション費やしたんだ」「〇〇のアイテムでシナリオをぶっ壊された」海外のTRPGに関連して、そういう話を数多く見いたことがあります。私もそういった話に憧れて、様々なアイテムを試してみましたが、なかなかうまくいかず、私も配分に悩む側でした。しかし、冒頭で紹介した動画で一つの規準を得た事で、少し気が楽になりました。この記事を読んでいるあなたも、同じ気持ちなら幸いです。

いいなと思ったら応援しよう!