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【VIVA LA ROCK 2025 レポ】新しい景色、憧憬と生き様。

JAPAN JAMの翌日。
私の熱はさいたまスーパーアリーナにあった。

JAPAN JAMがあるが故、
行きたい気持ちと現実的問題の狭間で揺らいでいたところを友人に拾ってもらい、
連日のフェス参加を決意した。がんばった。
ロッキン以外の大きめのフェスに行くのは初めてで、
もとよりビバラは自由度が高いと聞いていたため、
どのような光景が見られるかドキドキしていた。

1st Act - KANA-BOON

場内を回りつつ、
軽い気持ちで見てみたKANA-BOONのステージ。
代表曲しか知らない状態で、
やはり爽やか系バンドなのかなと思いつつ見たが故、
初めてKANA-BOONのダークな部分に触れることとなった。
バンドとしての根底に存在する爽やかさとは裏腹に、
「ハグルマ」のような仄暗さがかなり刺さった。

その中でも演奏された「日々」という楽曲は、
谷口鮪も「リリースしてから大切に歌い続けている楽曲」と説明したように、
今までの暗さや爽やかさを取っ払った真っ直ぐな希望の歌だった。
音楽が繋ぐ命の形をバラード調で歌い紡ぐ姿が強く印象に残っていて、
バックにも歌詞が映し出されていたから、
その歌詞を胸に刻みながらしんみり聴いていた。
MCで誕生日に100万のギターを買った話をしていた際も「音楽で稼いだ金は音楽に投資するんだ」と言い張っていたり、
最後に「シルエット」を歌い立ち去っていく姿は、
音楽を楽しんだうえで誰かをどこかで救っているヒーローの姿に私は見えた。
ただただかっこよかった。


2nd Act - Arakezuri

初めて目の前でダイバーを見た。

想像以上にライブハウスのような設計になっていたCAVE STAGEに移動し、
初めて出会うアーティストに胸を躍らせて待つ。
しかし目の前に広がった光景は全くもって新しいもので、
今まで話でしか聞いていなかったダイバーを本当に間近で見ることとなった。
バンド名からして激しいロックを奏でるのかと思っていた矢先、
重たい現実とそれを打ち砕くような歌をベースに敷いていた。
それはもう魂によるものであったし、
その魂に心揺さぶられてダイブという行為に至る気持ちもよくわかる。

私はArakezuriの価値観と生き方が好きだ。
私は誰かを救うアーティストが好きだ。
私はヒーローが好きなんだ。
いくら綺麗事が歌われていたとしても、
私は音楽だけは信じて生きていられるから。

「俺にもっと才能があればあっちのステージに行けた。それでも俺にしか歌えない人生がある。だから俺はこの人生が好きだ。この人生で良かった。」
劣等に沈む人間は沢山いる。私だってそう。
その中で自分の生き様を強く肯定する姿に救われる人はきっと少なくないし、
私だってそのうちの一人だった。
音楽で飯を食っている以上、
周りのアーティストが自分より大きなステージに立っていることに嫉妬したり、
悶々としてしまうこともきっとあるとは思う。
しかしその中で自分が自分であることをファンの前で示して、
それを自分自身で肯定していく姿がただただ眩しくかっこよかった。

「偶然なんてなかった 運命なんてなかった ただ其処にあるのは俺が選んできた人生」と歌い上げる「結果論」も、
私の生き方と理想像にもれなく沿っている歌であった。
最後に歌われた「ヒーロー」も、
先程の自己肯定を踏まえて聴くと歌詞が等身大で率直な愛情に思えてきて、
ひどくその空間が愛おしく、幸せなものに感じられた。
歌には底知れぬ力があると改めて感じるアクトだった。


3rd Act - Mr.FanTastiC

先程のArakezuriを経てそのまま臨んだため、
運よく3列目正面に陣取ることに成功。
リハで突然フロアに降りてきたメガテラ・ゼロに触れられたのは予期せぬ幸福だったが。

先程のArakezuriはメッセージ性に満ち溢れたバンドだった。
目の前のあなたを全力で救いにいくバンドだったし、私はその姿に惚れた。
対してミスファンは、音を全力で楽しむバンドだった。
演奏中に強く感じたが、
きっとミスファンのメンバーはお互いの奏でる音楽が好きだ。
勿論演奏レベルも高く、
特にギターのパフォーマンスが前面に出ていた。
それはきっとメガテラがつっくんのギタースキルを絶賛していて、
なにより彼のギターパフォーマンスをファンの誰よりも好きだからだと思う。
3列目故のもみくちゃ具合ではあったものの、
私も私で彼らの楽しさをありのままに享受した。
ギターとドラムの練度もさることながら、メガテラの歌唱力は全くもって楽器隊に劣らない。
特徴的なしゃがれ気味の声質に、放たれる力強い裏声。
夢中になって彼らの音楽を楽しんでいたし、
単純なレベルの高さ故、耳が勝手に彼らの音を欲していた。
音楽の持つパワーを最大限に活かせる演奏スキルにただただ心を奪われ続けたアクトだった。


4th Act - ヤバイTシャツ屋さん

前日のJAPAN JAMでは炎天下の中で見たヤバT。
今日はスタンド席で大人しく見ることに。

前日を経て更にコーレスに磨きがかかっている私もいて、
前日よりも楽しめることができた。
スタンドから見るアリーナのサークルモッシュの様子もより楽しさを増すピースになっていたし、
そもそものヤバTの世界観が楽しいということも相まって、
フェスらしい楽しさを一番発揮していたアクトだと言っても過言ではないと思う。

昨年のビバラに呼ばれなかったことに対して、
「ロックフェスに俺たちが必要だってことをここで証明します」と言い切って最後の畳みかけに入る。
「ヤバみ」から「かわE」に繋ぐ流れは前日のJAPAN JAMとは逆だなと思いつつ、
時間ギリギリまで使って最後に「Universal Serial Bus」をやり切って終わる様は昨日と変わらないもので、
「時間ぴったり!」と言い放ってステージを後にした。
ユーモアに留まらない、音楽の楽しさをどこまでも追及するこのバンドは、
きっと来年も同じ場所に立っているし、
きっと来年も同じ場所に立つことを求められる大きな存在だと信じている。


5th Act - 東京スカパラダイスオーケストラ

開始前から「今日は誰をゲストに呼ぶんだろう」という話で盛り上がるように、
スカパラは自分たちをバックにおいて誰かを立てることをよくする。
それはスカパラが楽器隊によって構成されているからではあるが、
スカパラが他のアーティストに対してリスペクトの念を抱いているからなのではとも思う。
それほどまでに色んなアーティストと盛んに交流をしていて、交流の幅も非常に広い。
このアクトでも、最初に自分たちの音楽を奏でたのち、スペシャルゲストを呼ぶ流れとなった。

一人目に選ばれたのは、トップバッターとしての役目を十二分に果たしたKANA-BOONの谷口鮪。
アジカンとのコラボで作られた「Wake Up!」をカバーした。
スカパラとアジカンとKANA-BOONの融合。
JAPAN JAMでも感じたバンド間の深い繋がりが、このステージでも強く見られた。
間髪入れずに二人目はこの日のトリを務める04 Limited SazabysのGEN。
スカパラの軽快な音楽に合わさるGENの爽快な歌声がマッチしていて心地よかった。

そして三人目はフォーリミの前のステージを務めるUNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介。
「白と黒のモントゥーノ」を披露しても尚ステージに留まり続ける斎藤に対して少々の期待の眼差しを向けていたが、
スカパラがフェスに斎藤をあまり呼ばなかったことについて嫉妬の感情を露わにしていた斎藤の姿が面白くて、
しかし「なので今日は2曲やります」という発言に沸く会場と私と、
果たしてなにをやるんだ、もしかしたらユニゾン側の曲かもと淡い期待を抱いていた私を真正面から突き刺すような衝撃を彼らは与えてくれた。

「この後のユニゾンではやりません。」という発言と共にタイトルコールされた「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」。
フェスではやらないとユニゾン側が豪語していたこの曲を、
まさかスカパラとのコラボで解禁するとは。
信じられない状況に私も今日一の叫びが出てしまう。
スタンド席で見ていたユニゾン側のファンもたまらずアリーナに向かい出すほどに場内を沸かせたのち、
最後の最後に「Paradise Has No Border」というスカパラの代表曲を引っ提げてくる辺り、
セトリ構成が巧すぎるなと素直に感心してしまった。
皆をスカパラの虜にするには申し分のない構成で、
かっこいいという言葉だけでは表せないものがそこにはあった。


6th Act - berry meet

気付けば3回目の現地参戦になったベリミは、
7月にリリースされる新アルバム収録曲から一曲を絶対にセトリ入りさせるという構成を取るようになっていた。
この日に関しては「結婚式には呼ばないで」もセトリ入りしていた為実際二曲セトリ入りしていたが、
新アルバムの存在がまたベリミの奏でる音楽の幅を広げていくような、
将来への期待が込められるセトリ構成だった。

先日先行リリースされた「陽だまり」まで、
三曲続けて新アルバムからの曲が演奏されたが、
一転して冬のバラードである代表曲「月が綺麗だって」が演奏される。
回を追うごとに裏声の表現力が増しているように思えるたくと、
その勢いに重なってアレンジが多発する楽曲群。
アレンジによって既存曲にも新たな彩りがいつまでも放たれることは、
ベリミが新曲だけに留まらない進化を見せている何よりもの証拠である。
それでいて熟練されている「溺愛」のコーレスも、
その幸せな空間からしか得られない感情があって。
だから私はベリミのライブに行き続けるし、
愛し続けることをこれからも永久に誓うんだ。


7th Act - サンボマスター

優しさってエゴの塊だと思うの。

サンボマスターのフェスでのあり方は、
音楽好きなら皆ほぼ知っているであろう。
「全員優勝」を掲げ、歌いながらフロアに語りかける山口隆の姿が思い浮かべられる。

「全員優勝」を掲げているサンボマスターだからこそ、
優しさを大々的に打ち出している。
その優しさは、捉え方によってはエゴに満ち溢れたものだと思う。
10年ぶりに出演するビバラに対して、
「この10年で、本当に沢山の人を喪った。その人たちに対して俺は何もできなかった。その人たちのこと想って歌っていいか。」
という語り出しで始まった「ラブソング」も、
大切な人に想いを込めて歌うエゴイスティックな優しさに、
どうしようもなく救われてしまう。
果たして何故なのだろうか。

私のことを全く知らないバンドマンの言葉が響く。
私のことを微塵も知らないのに、
「生まれてきてくれてありがとう」という一言が心の底まで染みる。

優しさは、エゴなんだ。
私が思い悩んでいた優しさの形を、サンボマスターが示してくれた。
エゴでいいんじゃないか。
私が誰かに優しくありたいからという一心で優しくいていいんじゃないだろうか。
優しさというエゴで救われている人が、この場には沢山にいる。
同行者も隣で涙を流していたらしい。
一人ひとりの心に全力で干渉してくるこの優しさがサンボマスターのアイデンティティであり、
そのアイデンティティを貫いているから、サンボマスターは今でもこうやってフェスで輝き続けている。


8th Act - UNISON SQUARE GARDEN

ユニゾンのセトリはどのバンドより予想できない。
この日は前半5曲が予測不可能なセトリをしていて、
またユニゾンらしさに振り回された。
それでも6曲目の「カオスが極まる」からはユニゾンの中でも王道の曲選になり、
コアなファンのことも、私みたいなゆるく追っているライトなファンのことも惹きつけ、
その上コアな曲をやることでライトなファンに自分たちの音楽をもっと届けられる。
そういうユニゾンらしさは、他のアーティストにはあまりない強みだ。

一番聴きたかった「天国と地獄」を経て、
今のユニゾンを語るに外せない代表曲たちが演奏される。
そのどれもが音源を超えるクオリティで演奏され、
純粋な演奏力にもっともっと彼らの音楽を聴きたくなってしまう。
「傍若のカリスマ」での田淵のベーススラップだったり、
部分部分で自分たちの持つ演奏スキルをふんだんに発揮してくるのが非常にわくわくする。
次会った時は何の曲が聴けるのだろうか。今から既にドキドキ。


9th Act - 04 Limited Sazabys

ビバラは、ダイブモッシュが当たり前の世界。
となれば、トリにフォーリミが置かれるだけでステージに帯びる熱はある程度予測できるだろう。

1曲目からステージ付近ではダイブが多発し、
フロアの至るところでサークルモッシュが巻き起こっているのを、
私は同行者と2人で2階席から落ち着いて見ていた。

「もう俺は夢は掴んだから、夢の延長線上にいさせてくれ」と語るGEN。
どうしてもアーティストって上昇志向にいるイメージがあって、
そんなことをGENの口から聞くとは思っていなかった。
それもサンボマスターやArakezuriのように、
生き方として学ぶ点がこの日のアーティストの言葉には多すぎる。
今を幸せだと受け取って、この幸せのまま駆け抜けるというフォーリミの姿勢は、
むやみやたらに何かを追おうとして現実に打ちひしがれている私に響く。
今のままでもいいんだなと思う。

「swim」が最後に演奏されるのは薄々分かっていたが、
そこに現れたのは東京スカパラダイスオーケストラ。
予想だにしていなかったスカパラとのコラボに、
トリの最後までこういうことを仕込んでいたのかと吃驚してしまう。
フォーリミの疾走感に満ちた音楽にスカパラの音色が面白く融合していく。
それに合わせて泳ぎ出すフロアに思わず笑いが漏れてしまう。後方では地面をすってまで泳ぐ人がいて愉快な現場だった。

ダイブやモッシュはかなり危険で、
言ってしまえば見知らぬ人に自分の命を預ける行為である。
音楽が好きという共通点だけで、見知らぬ人に命を預けられる。
一見野蛮で、人によっては批判もしかねないこれらの行為は、
前日のJAPAN JAMで全身で音楽を楽しむことを知ってしまった私としては良識の範囲内であれば咎められる行為ではないと思う。
むしろそういう文化をコロナ禍を経てまで大切にしている音楽シーンの人々に、
新参者の私があれやこれや言うのもお門違いだと思う。
音楽という一つのファクターでこれほどまで密接に人が繋がれることは、
とっても素敵で、これからも続いていってほしい光景である。


終幕。
連日のフェスを経て、
新しい景色と音を沢山享受することができた。

実はJAPAN JAMのライブレポートと同じ日にこのnoteを投稿しているのだけれど、
まとまった時間が取れたのが今日だったことも然り、
一番は投稿日翌日にメトロックというフェスが2日間控えていることが大きかった。
記憶の残っているうちに言葉として著しておきたかったので、
どうにかそれを達成できて肩の荷が降りた。頑張った。
つまりそのうちメトロックのライブレポートも書く予定であり、
こうやって言葉で自分の好きを誰かに発信できることは自分の強みであり長所になり得るのだ。
年末のCDJから歳も取り、言葉や表現も少しずつ変容していく中で、
今の私が感じたものを書き記すということはブレないでいたい。
ずっと今の私でありたい。
自分から変わるということは、この分野においてはしなくていい。
自然と変わりゆく私と私を取り巻く音楽が、
きっと私を導いてくれるから。

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