絵本|パライパンマンマと、未来への希望
パライパンマンマ
最近、韓国絵本『パライパンマンマ』を最近読み聞かせした。
ボローニャ国際児童図書展、2021年ボローニャ・ラガッツィ賞を受賞された作品らしい。
いつもの如く、子どもたちとストーリーに関しては事前情報もなく読み聞かせをはじめる。2歳、5歳、8歳の子どもたちとこの本を開いて、自分でも驚く程に、物語の中盤で自分の心がざわついた。
正体のわからない大きなモジャモジャに対し、自分たちの平穏を守ろうと過剰に武装し、排除しようとする村人たち。その姿が、SNSやニュースで日々目にする、偏見に基づいた激しい攻撃や、一度火がついたら止まらない誤解の連鎖と重なって見えたから。
同時に、少しずつ読み進めながら、過去の自分の中にあった同調圧力の記憶とか、偏見いじめ差別…色々なものがごちゃ混ぜになってフラッシュバックして、嫌な気持ちになる。
現実の世界でも、こうやって火花が散り続けているんだよなぁと、思いながら、読み進める。最終的には、ハッピーエンドで、物語としてはスッキリした読了感がある。
だけど、実際に中盤の不穏な経験をしたことがあった私は、なかなか気持ちの落とし所というか切り替えが難しい部分もあった。
が、読み聞かせ、という形をとったことに救われる。
読み終わるやいなや、まず騒ぎ出したのは2歳の三男。言葉が近いのか、自分なりに解釈したのか「マンマ、まんま、ママァ?!」と弾んだ声で繰り返しだした。テンションが上がり、繰り返しながらてんどんまんのように踊り出す。それに合わせて次男もはしゃぎ出す。とても可愛い。
恐怖の対象だったはずの咆哮さえも、三男からしたら大好きな食事を連想させる愛らしい響きに変換されていたのかもしれない。その無邪気さに、緊張していた私の肩の力がふっと抜ける感じがわかる。
この三男の行動に、空気が切り替わった感覚を覚えたのは8歳の長男も同じだったのかもしれない。次に長男が話し出す。
物語が描く「偏見」や「誤解」という複雑な構造を、彼は肌で感じ取っていたようで「〜なら、この子みたいなことができるかも」とか「次男ぽいよねこれ」とか言い出す。もしかしたら、彼の世界ではもう、こういう壁が立ちはだかる瞬間があるのかもしれないと思った。
この子たちが生きていく世界線では、この絵本のように、途中で誰かが気がつき橋渡しとなり、不要な対立や悲しい出来事がなければいい。でも、案外これは取り越し苦労だったら良いと思う。できれば、後戻りができないくらいになる前に、誰かが、何人かがその壁を取り壊すきっかけを作れるようになればいい。
「パライパンマンマ!」という謎の叫び、自分の限界で閉じてしまう情報源。相手の声を聞こうとしない、心の耳の閉塞。自分たちの思い込みがいかに滑稽で、残酷かすら、気がつかない。
現代社会において、未知のもの、異質なものを排除しようとする動きを止めるのは容易ではないけど、この絵本を読んだ後の心地よさは、一つの希望も見せてくれた気がする。
まずは相手が何を言っているのか、耳を澄ませてみる。たったそれだけのこと。寝室に響く三男の「マンマ〜」というおちゃらけた笑い声と、長子の頼もしい言葉。話なんかそっちのけで「ねむい」と布団にくるまる次男。彼らがこの先、絵本の終わりのような幸せな世界で生きてくれたらいいと思う。
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◽️余談 〜せっかち〜◽️
私が主にチョイスする絵本は、国内の作家さんが作られたものが多く、海外の絵本はあまり読みません。これは絵本に限ったことではなく、今まで触れた文学自体もすごく数少なくて。
今回は、たまたま普段行かない書店でこの絵本を見つけて、可愛らしい表紙に手をとってみたのがきっかけです。
このnoteをはじめて、記録した絵本の中に韓国絵本ってあったっけ?と思い、自分でマガジンを見返してみました。
◎おすすめえほん◎です。
想定以上に数が溜まっていて、韓国絵本あったっけ?と見つけ出す作業は早々に諦めました。
とても好きで何度も読み返しているものもあれば、たまにしか開かないもの、図書館にお返ししてまた借りたいなというもの、色々あったのと、当時の子どもたちのことが頭にまた浮かんできて、少し幸せでした。自己満足ですが、こうやって記録する、というののメリットはきっとこれですよね。思い出す、こと。
読んだ本を振り返る。こういう読書ノートも気になっていたのですが…
手を出さなくてよかったかも。
最近気が付いたんですけど、私も字を書く時間すら耐えれなくなっているなと。丁寧に書く、時間が取れなくて殴り書きになってしまう。まさしく日記や手帳やメモ帳がそうです。めちゃめちゃ汚い。そして冠婚葬祭で筆ペンで書くときすら、丁寧に書く時間がソワソワする。
今は、noteを書いたり、ブクログに登録するほうが性に合っているようです。
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