【令和8年4月四国お遍路物語①】「出発するか、前泊するか」
午前4時44分、すべてはそこから始まった。
呼ばれるように決めた四国お遍路。前夜は酒と笑い、朝はジャグラー、そして今は徳島行きのバスの中。これはただの旅じゃない。“実験”だ。
2026.3.31
お遍路旅に興味を持ったのは、たしか2週間ほど前のことだ。
いつもそうだ。
突然、呼ばれる。
“呼ばれる”という感覚が何なのか。
ただの思い込みなのか、妄想なのか。
それを証明しようとは思わない。
ある人にとっての現実が、
別の誰かにとっても同じように現実とは限らないからだ。
私なりに言えば——
ふと、言葉やイメージが頭に浮かぶ。
そして、それが何度も繰り返し現れる。
やがて、そのための時間が自然と空いてくる。
気づけば、そこに向かっている。
これまで何度もそうやって“呼ばれて”きたが、
結局は必ず、その場所に辿り着いている。
時には、説明のつかない体験をしたり、
より鮮明な声やイメージに触れることもあった。
そして今日。
この旅の初日を迎えている。
私の体力が、3日で尽きるのか。
それとも1週間持つのか。
あるいは、もっと続くのか。
その過程も含めて、
これから見ていきたいと思う。
——
出発前夜。
私は梅田で、友人と朝まで酒を飲んでいた。
将来の話をして、笑って、遊んで。

そのまま迎えた翌朝の出来事だ。
宗右衛門町のドン・キホーテで、
“たぶん必要だろう”という物を一通り揃える。
準備は整った。
時刻は、午前4時44分。

——やはり、来た。
なんばから梅田へ。
梅田から三宮へ。
そして三宮から徳島駅前まで、
高速バスで向かうことにした。
午前6時。
三宮のバスターミナルに到着。
しかし——雨天のためバスは運休。
次の便は、13時05分発。
ここで、今日の“流れ”を感じた。
「なら、やるか」
本日のラッキーナンバー、444番台。
ジャグラーでの修行が始まる。
理想は——
BIG4回、REG4回、差枚400枚。
だが現実は、
投資2000円で
BIG5回、REG3回。

最後はBIG先行で即ヤメ。悪くない。
むしろ、出来すぎだ。
——
お遍路の前日にキャバクラで朝まで飲み、
そのまま朝一でパチンコに行き、
三宮を満喫してからの出発。
我ながら、なかなかいい流れだと思う。
そして13時05分。
小走りでバス停へ向かい、ギリギリで乗車。
これもまた、いつもの感じだ。
——
今回の旅の目的。
正直に言えば、まだよく分かっていない。
ただ一つ、はっきりしているのは
「実験」だということ。
誰に言われたのか?
それも分からない。
ただ、3年前から
私の中に共に存在している
ある“認識”がそう告げている。
それが何なのかは説明できないが、
確かにそこにある。
そして私は、これまでの3年間、
その認識から何かを学びながら
世界や人を見てきた。
ただし——
人生はあくまで、私のものだ。
それだけは、変わらない。

——
出発前、友人に言われた。
「お遍路、そんな甘くないやろ」
「覚悟いるで」
たしかに、その通りだと思う。
彼はとても現実的な人間だ。
そして最後に、こう続けた。
「無理やったら、3日で帰ってきたらええやん」
その一言に、すべてが詰まっていた。
私は、本当に良い友人に恵まれている。
——
午後3時42分。
まだ、今夜の宿は決まっていない。
できるだけ、無料宿や野宿を選びたいと思っている。
旅には、怖さがある。
だが、人生の中で
“純粋な怖さ”を味わえる機会は
そう多くはない。
だからこそ私は、あえてその道を選ぶ。
怖さの先には、必ずワクワクがあると知っているからだ。

