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【小さなリーダーシップ】12.「ごめんなさい」と言う

「ごめんなさい」。たった一言です。
子どもの頃なら当たり前のように言っていた言葉なのに、大人になると、なぜか言いにくくなることがあります。
特に、上司になったときは、「自分が謝ったら立場が弱くなる」「部下に舐められる」「威厳がなくなる」と考えてしまう人もいるかもしれません。

でも、本当にそうでしょうか。私はむしろ、自分が間違ったときに「ごめんなさい」と言える上司のほうが、信頼されると思っています。

「ごめん、私の伝え方が悪かった」の一言


例えば、部下に間違った指示を出してしまい、後から「自分の伝え方が悪かった」と気づいたとします。
「いや、普通は分かるでしょう」
「そういう意味で言ったんじゃない」
と自分を守ることもできますが、「ごめん。私の伝え方が悪かった」と素直に言う。
たったこれだけです。
でも、言われた側は「この人は、自分の間違いを認められる人なんだ」と感じます。

これは、部下にとっても大切な学びになります。上司が「ごめんなさい」と言っている姿を見れば、「失敗したら謝っていいんだ」「間違ったら認めていいんだ」と分かります。
言葉ではなく行動で教える。
これこそ、背中で見せるリーダーシップなのかもしれません。

逆に「上司は謝らない」という職場では、
ミスをしても言い訳する、
誰かのせいにする、
「自分は悪くない」と主張する、
そうなると部下も同じようになり、職場全体に「謝ったら負け」という空気が生まれてしまいます。これは、とても危険なことです。

謝罪と改善はセットにする


もちろん、何でも「ごめんなさい」と言えばいい、という話ではありません。
自分に責任がないことまで謝る必要はなく、事実関係を確認することも必要です。ただ、自分に非があると分かったときには、素直に認める。これは大切なことです。

そして、謝るだけで終わらせない。
「ごめんなさい。次からこうします」まで言う。
謝罪と改善をセットにすることで、「謝る人」ではなく「間違いから学べる人」になります。

部下に謝っても、上司の価値は下がらない


管理職になると、部下に謝ることが難しくなる人がいます。
でも、部下に謝ったからといって、上司としての価値が下がるわけではありません。
むしろ逆です。
「この人は間違いを認められる」
「自分の言葉に責任を持っている」
「立場が上でも、間違えば謝る」
そんな姿を見れば、信頼はむしろ強くなるでしょう。威厳は、謝らないことでつくるものではありません。

小さな「ごめんなさい」も大切にする


「ごめんなさい」は、大きな失敗のときだけ必要な言葉ではありません。
約束を忘れてしまった、
言い方がきつかった、
相手の話を途中で遮ってしまった。
そんな小さなことでも「さっきはごめん」と言える。その一言で、人間関係が壊れずに済むことがあります。

逆に、「そんなことで謝る必要ない」と放置した小さなわだかまりが、時間とともに大きくなることもあります。

「ごめんなさい」と言える強さ


リーダーシップというと、人を引っ張ることを考えがちです。
でも、間違ったら謝る、
人を傷つけたら謝る、
迷惑をかけたら謝る、
そして「次はどうするか」を考える。
そんな姿を見せることも、立派なリーダーシップです。

「ごめんなさい」と言える強さは、自分を小さくする言葉ではありません。むしろ、自分の間違いから逃げない強さなのだと思います。

今日、もし自分が間違っていたことに気づいたら。立場やプライドを少し横に置いて、「ごめんなさい」と言ってみる。たった一言でも、それが誰かとの信頼を守るかもしれません。そして、その姿を見た誰かが、また別の誰かに「ごめんなさい」と言えるようになる。そんな小さな連鎖が、良い職場をつくっていくのかもしれません。

「ごめんなさい」と言う。
それもまた、小さなリーダーシップです。


さらに詳しく知りたい方へ(参考図書)

ブレネー・ブラウン『本当の勇気は「弱さ」を認めること』(サンマーク出版)— 弱さやミスをさらけ出すことがなぜ本当の強さにつながるのか、リーダーシップの観点も交えて論じた一冊

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