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E152 Rod Steweart/Every Picture Tells a Story

魂を削る掠れ声、ロックの真実がここにある。

ロッド・スチュワートが「自分」を裏切る前に刻んだ、泥臭くも高潔なロックンロールの聖典を今こそ聴け!
いいか、耳をかっぽじってよく聞け。今時の、精製されすぎて栄養失調に陥ったデジタル音源の海に溺れているガキども、そしてかつて熱狂を忘れたオヤジどもに告ぐ。お前らが「ロッド・スチュワート」と聞いて思い浮かべるのは、ブロンドの女を侍らせてディスコで腰を振る、あの小綺麗なスター様か? 冗談じゃねえ。俺が話しているのは、喉に砂利を詰め込んだような声で、人生の悲哀と喜びを同時に吐き捨てていた、あの「本物」のロッドのことだ。

1971年、世界はまだ泥にまみれていた。ベトナムの悪夢は終わらず、平和への祈りは虚しく響き、ロックンロールだけが唯一の救いだった時代だ。そんな中、ロッドが放った『Every Picture Tells a Story』は、ただのレコードじゃない。それは、ロンドンの一角で安酒を煽りながら、明日をも知れぬ男たちが紡いだ「魂のドキュメンタリー」なんだ。アコースティック・ギターの乾いた響きと、マンドリンの震える音色、そしてあの唯一無二のハスキーボイスが重なったとき、音楽は単なる娯楽を超えて、俺たちの皮膚に突き刺さる鋭利な破片となる。

この曲を聴いて何も感じないなら、お前の心臓はとっくに止まっているか、あるいはプラスチックでできているかのどちらかだ。これは、名声に目が眩む前の、剥き出しのロッド・スチュワートが俺たちに叩きつけた挑戦状なんだよ。 (記: 蛮楠烈太)

基本情報

* 作詞者: Rod Stewart, Ron Wood
* 作曲者: Rod Stewart, Ron Wood
* 編曲者: Rod Stewart
* プロデューサー: Rod Stewart
* 発売日: 1971年5月(アルバム先行発売/シングルカット)
* レコード会社: Mercury Records
* 収録スタジオ: Morgan Studios(ロンドン)

レコーディング参加アーティスト

* Vocals: Rod Stewart
* Guitar / Bass: Ron Wood (Faces)
* Acoustic Guitar: Martin Quittenton (Steamhammer)
* Drums: Micky Waller
* Piano: Ian McLagan (Faces)
* Mandolin: Ray Jackson (Lindisfarne)
* Backing Vocals: Maggie Bell, Madeline Bell, and others

チャート状況

本作は、ロック史上稀に見る「完全制覇」を成し遂げた。
* 全米Billboard 200: 1位(4週間連続)
* 全英アルバムチャート: 1位(6週間連続)
* シングル「Maggie May」: 米英共に1位を記録。
* アワード: 『Rolling Stone』誌の「史上最高のアルバム500」において常に上位にランクイン。2020年版でも102位をキープ。

楽曲のエピソード

泥水から生まれた奇跡のアンサンブル
この「Every Picture Tells a Story」という曲、そしてアルバムが、どれほどデタラメで、かつ神がかっていたか、お前らに教えてやる。
当時、ロッドは「フェイセズ」という、世界で最も酔っ払って、世界で最も愛すべきバンドのフロントマンだった。だが、彼はソロとしての契約も持っていた。つまり、二足のわらじだ。この曲のレコーディング風景を想像してみろ。スタジオには高級な機材なんて似合わない。そこにあるのは、空になったビールの瓶と、タバコの煙、そして「何か凄いことが起きる」という予感だけだ。

特筆すべきは、ロニー・ウッドとのコンビネーションだ。今の若い奴らはロニーを「ストーンズの三男坊」くらいに思ってるかもしれないが、この頃の彼は、ギターを持った野獣だった。彼が奏でるスライド・ギターと、ロッドのヴォーカルが絡み合う様は、まるで二匹の野良犬が月夜に吠えながらダンスを踊っているようだ。洗練? クソ食らえだ。ここにあるのは「初期衝動」という名のガソリンだ。

歌詞を見てみろ。「パリで捕まりそうになった」とか「ローマで女と揉めた」とか、まるで安っぽい三流の放浪記だ。だが、ロッドが歌うと、それがドストエフスキーの小説よりも重厚な「人生の真実」に聞こえてくるから不思議だ。彼は、自分の情けない経験、惨めな失敗を、誇らしげに、かつ少しの照れを持って歌い上げる。これこそがロックンロールだ。完璧なヒーローの歌なんて、俺たちの腹を膨らませちゃくれない。俺たちが聴きたいのは、自分と同じように泥を啜り、それでも「昨日は最高だった」と笑える男の歌なんだ。

レコーディング中、マンドリンのレイ・ジャクソンを呼んだのも慧眼だった。ロックにフォークの温もりを持ち込む。だが、それは決して甘ったるい「フォーク・ソング」じゃない。もっと荒々しく、地面から湧き上がるような生命力に満ちている。この曲の疾走感はどうだ? 途中でテンポが変わるパートがあるだろう。あの、ドラムのミッキー・ウォラーが叩き出す、つんのめるようなリズム! 現代の正確無慈悲なメトロノームに飼い慣らされた耳には、あれが「ミス」に聞こえるかもしれない。だが、断言する。あれこそが「グルーヴ」の正体だ。機械には逆立ちしても真似できない、血の通った人間の鼓動なんだよ。

ジャケットの話もしておこう。あのロッドの横顔。どこか遠くを見つめ、何かに抗っているような、あるいは何かを諦めたような表情。あの写真一枚に、1970年代初頭の混沌とした空気感がすべて凝縮されている。まさに「Every Picture Tells a Story(すべての写真は物語を語る)」というタイトルの通りだ。

アーティストの歴史・キャリア

砂利道の向こうに見えた王冠
ロッド・スチュワートという男は、最初からスターだったわけじゃない。彼は墓掘り人をやり、サッカー選手を目指し、そしてフォーク・シンガーとしてヨーロッパを放浪した。彼の声が、なぜあんなに傷だらけなのか? それは、彼が本物の「生活」という名の戦場で叫び続けてきたからだ。

ジェフ・ベック・グループで、彼は「楽器としての歌声」の極致を見せた。ジェフの凶暴なギターと対等に渡り合えるのは、世界中でロッドだけだった。しかし、彼が本当に自分の「居場所」を見つけたのは、フェイセズの仲間たちと、このソロ活動の合流点だったんだ。

『Every Picture Tells a Story』は、彼のキャリアにおける「エベレストの頂上」だ。この後、彼は確かに世界的スーパースターになり、ヒョウ柄のタイツを履いて「アイム・セクシー」と歌うことになる。それも悪くない。だが、あの頃のロッドが持っていた、繊細さと大胆さが危うい均衡で保たれていた奇跡の瞬間は、二度と戻ってこなかった。彼はこのアルバムで、労働者階級のヒーローから、ロックの王族へと上り詰めた。その代償として、彼は「泥臭さ」を少しずつ失っていくことになるんだが、それはまた別の話だ。

評価

爆発する生命力と、失われた純真
さて、当時の評論家どもは、こぞってこのアルバムを絶賛した。当然だ。これを貶す奴がいたら、そいつは耳の代わりにコンクリートでも詰まっているんだろう。

1971年当時、この作品は「フォーク、ブルース、カントリー、そしてロックの完全なる融合」として迎え入れられた。ビートルズが解散し、ロックがどこへ向かうべきか迷走していた時期に、ロッドは「ルーツに戻れ、だが熱狂を忘れるな」という答えを提示したんだ。特に、ボブ・ディランの「Tomorrow Is a Long Time」のカヴァー。ディラン本人よりもディランらしい、魂の震えがそこにはあった。

今の耳で聴くとどうだ? 驚くべきは、その「風化しないエネルギー」だ。現代の音楽が、レイヤーを何百枚も重ねて、欠点を修正して作られるのに対し、この曲は「一発勝負の生々しさ」で勝負している。

欠点があるとすれば……そうだな、あまりにも「完成されすぎた未完成」であることだ。この熱量を、後のロッド自身も、そして後世のフォロワーたちも超えることができなかった。それはある種の呪いでもある。

しかし、冷静に見てみろ。この曲の構成、アコースティックからエレクトリックへとギアが上がる瞬間のカタルシス。これは現代のEDMのビルドアップなんかよりも、ずっと肉体的で、ずっと危険だ。今の音楽シーンに足りないのは、この「不完全なまでの美しさ」なんだよ。

あとがき

お前の物語を語れ『Every Picture Tells a Story』。
この言葉を、俺はお前に返したい。お前の人生という写真は、どんな物語を語っている?
 ロッドの歌声は、俺たちに語りかける。「失敗したっていい、酒に溺れたっていい、女にフラれたっていい。だが、自分自身の声で叫ぶことだけはやめるな」と。
 この曲を聴き終えた後、静寂の中に残るのは、心地よい疲労感と、少しの勇気だ。音楽が、ただのBGMではなく、お前の人生の「伴走者」になれることを、ロッド・スチュワートは証明した。

さあ、ボリュームを最大にしろ。近所迷惑? そんなもん知ったことか。お前の魂が燃え尽きる前に、この掠れた咆哮を脳髄に刻み込め!


Forget the disco king Rod. "Every Picture Tells a Story" (1971) is a gritty, raw masterpiece of rock 'n' roll. With Ron Wood's savage guitar and Rod’s gravelly vocals, this track captures the essence of life's struggles and joys. It’s not just music; it’s a soul-piercing document of human imperfection. Turn it up loud and feel the real fire of the 70s!

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