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美容師妻と会社員夫、10坪美容室を開業する

はじめまして。

2026年10月、千葉県我孫子市に約10坪の美容室「musubi」を開業する予定です。

musubiは、年齢とともに変化する髪や頭皮に悩む大人女性に向けて、髪質改善やオーガニックカラーに力を入れる、少人数制の美容室です。

店に立つのは、美容師歴20年以上の41歳の妻と、長く一緒に働いてきたスタイリストの2人です。

この記事を書いている私は、美容師ではありません。平日は人材派遣会社の営業として働く38歳の会社員で、妻の夫です。もちろん、美容室を経営した経験もありません。

そんな私たちが、物件探し、内装工事、融資、資金計画、設備選びなどを一つずつ調べ、迷いながら、約10坪の美容室を開業するまでの記録を、このnoteに残していきます。

お客様と話すことが好きな、猫好きの美容師です

妻は41歳。猫と美容が大好きで、人と話すことも好きな美容師です。

お客様とおしゃべりをしながら、服装や雰囲気、普段の過ごし方まで知ったうえで、その方に似合うスタイルを一緒に探していくことを大切にしています。

得意なのは、デザイン性のあるパーマ、自宅でも再現しやすいパーティーアレンジ、ショートスタイルです。ヘッドスパのディプロマとヘアケアマイスター2級も取得し、見た目の仕上がりだけでなく、髪や頭皮の状態も考えた提案を続けてきました。

一方、仕事が終われば、家で猫たちと過ごす時間が何よりの癒やし。基本的には、家で猫とゴロゴロしていたいインドア派です。

美容師として20年以上働き、現在は毎月安定して約100万円の売上をつくっています。

数字だけを見れば、「独立の準備も一人でできるのでは」と思われるかもしれません。しかし、お客様への施術や接客に力を注ぐことと、物件、融資、内装、補助金、契約、収支などを調べて比較することは、まったく別の仕事でした。

妻の強みは、お客様の気持ちをくみ取り、髪の状態を見ながら、その方に合う施術を考えることです。私の強みは、情報を調べ、複数の選択肢や数字を比較し、業者との連絡や調整を進めることです。

そこで、妻は美容室のコンセプト、施術、薬剤、メニューづくりを担当し、私は業者との連絡、見積もりの比較、融資の準備、収支計算などを担当することにしました。

物件探しから一緒に歩いた、もう一人のスタイリスト

musubiには、妻と一緒に働く、もう一人のスタイリストがいます。

美容師歴20年以上のベテランで、都内のサロンなどで経験を積んだ後、我孫子で長くお客様を担当してきました。明るく元気な人柄で、ナチュラルなスタイルやボブを得意とし、アップスタイルやまとめ髪にも豊富な経験があります。

毎月100万円を超える売上を継続していることからも、技術だけでなく、多くのお客様から信頼されていることが分かります。

ただ、私たちが一緒に店をつくりたいと思った理由は、売上だけではありません。

まだ物件が決まっていない頃から、休日には妻と一緒に街を歩き、空き店舗を探してくれました。条件に合いそうな物件を見つければ、広さ、場所、家賃について一緒に考える。現在の物件が見つかった後も、料金メニュー、使用する材料、施術の流れなど、実際に店に立つ美容師の視点から意見を出してくれました。

店を借りてから参加するのではなく、店がまだ形になる前から、一緒に考え、動いてきた人です。

妻にとっては、長く一緒に働いてきた同僚であり、技術や接客を信頼できる仲間です。私にとっても、経営上の数字だけでは分からない現場の感覚を率直に伝えてくれる、心強い存在になっています。

musubiは、夫婦2人だけでつくる店ではありません。

お客様に長く通ってもらうために何が必要なのか。2人の美容師と会社員の夫が、それぞれの立場から考えながらつくる美容室です。

なぜ独立を考えたのか

妻が独立を考えた一番の理由は、お客様に長く愛され、これから先も安心して通い続けてもらえる美容室をつくりたかったからです。

美容師を長く続ける中で、白髪、うねり、パサつき、ボリュームの変化など、年齢とともに変わる髪の悩みを相談されることが増えました。

しかし、店舗の方針や限られた施術時間の中では、妻が理想とする接客や施術を続けることが難しい場面もありました。

私たちが目指すのは、回転数を優先する店ではありません。

小さくても、ゆったりとした落ち着きがあり、お客様それぞれが持つ「色=個性」を大切にできる店です。誰にでも同じ髪型を勧めるのではなく、生活や好み、髪の状態に合うスタイルを、一緒に考えていきたいと思っています。

通いやすさも、その一つです。

現在のお客様の中には、「根元だけ染めたいときは、価格の安い別のお店へ行く」という方もいます。それは、おしゃれを保ちたい気持ちと、毎月の負担を抑えたい気持ちの両方があるからです。

そこでmusubiでは、比較的予約に余裕が出やすい平日の時間を活用し、必要なリタッチを無理なく続けてもらえる平日限定メニューを検討しています。単に安くするのではなく、店の空いている時間とお客様の希望を結び、双方にとって続けやすい料金を考えています。

使用するカラー剤やシャンプーなども、基本的にはオーガニック由来のものを中心に選び、髪と頭皮への負担に配慮します。短期的な仕上がりだけでなく、この先もカラーや髪のおしゃれを楽しんでもらうためです。

店名の「musubi」には、人とのつながりを大切にしたいという思いがあります。

お客様と美容師が長くつながり、それぞれの個性を大切にしながら、ゆったりと過ごせる美容室にする。それが、私たちの目指すmusubiです。

そこから、musubiの開業準備が始まりました。

物件探しには約2年かかりました

独立を決めても、すぐに店舗が見つかったわけではありません。

希望していたのは、今のお客様が通いやすく、2人で無理なく営業できる10坪前後の物件です。

家賃や駅からの距離だけでなく、長く経営を続けられる物件であることも重要です。そのためには、電気、ガス、水道、給湯などの設備面も、契約前に確認しなければなりません。

見た目や立地がよくても、美容室として使用するために多額の追加工事が必要になる物件もあります。

インターネットで空き店舗を探し、休日には実際に街を歩く。その状態が約2年間続きました。

そして2026年5月26日、ようやく条件に合う物件を見つけました。前のテナントが退去する時期と重なり、その日のうちに不動産会社へ連絡しました。

長い間探していた物件が見つかったときは、「これで開業できる」と思いました。

しかし、実際には、そこからが本当のスタートでした。

物件が決まってから、一気にやることが増えました

物件が決まった後、私たちが対応した主な内容は次のとおりです。

  • 毎月の売上目標と支出の試算

  • 内装工事会社4社への現地調査と見積もり依頼

  • 日本政策金融公庫への融資申請

  • 融資支援者約10社の比較

  • シャンプー台やセット椅子などの設備選び

  • 薬剤、メニュー、料金の決定

  • 保健所への事前相談と開設手続き

  • ホットペッパー、Google、Instagramの準備

  • インターネット、固定電話、レジ、決済端末の選定

  • 家電や店舗運営に必要な備品の購入

美容室を開業するには、内装と美容器具だけを用意すればよいわけではありませんでした。

一つひとつの契約は少額に見えても、毎月発生する費用を積み上げると、必要な売上は大きく変わります。

最初に収支を計算せず、「今まで月100万円を売り上げていたから、何とかなるだろう」と考えて進めるのは危険だと感じました。

このnoteで伝えたいこと

インターネットで「美容室 開業」と検索すると、一般的な流れや必要な手続きは見つかります。

一方、実際に開業準備を進めてみると、次のような細かな部分は意外と見つかりませんでした。

  • 10坪の美容室では、目標月商をいくらに設定すればよいのか

  • 内装見積もりは、金額以外の何を比較すればよいのか

  • 日本政策金融公庫へ相談する前に、何を準備するのか

  • 融資支援者によって、料金や支援範囲がどう違うのか

  • 商工会や市の創業支援には、いつ相談すればよいのか

  • 補助金は、契約や工事を始めてからでも申請できるのか

これから小さな美容室を開業する方が、自分の家賃、材料費、広告費、業務委託報酬、借入返済などを当てはめて考えられるように、私たちが「何を確認し、どのように判断したのか」を、できるだけ具体的に書いていきます。

うまくいったことだけでなく、もっと早く相談すればよかったこと、知らずに進めて失敗したことも記録します。

私たちの経験が、美容室の開業を考えている方の助けに少しでもなれば、うれしく思います。

これから掲載する内容

今後は、次のテーマを順番に掲載する予定です。

  • 10坪・2人美容室の目標月商を設定した方法

  • 内装工事会社4社を金額以外で比較した方法

  • 日本政策金融公庫の融資申請前に準備した資料

  • 不動産契約とフリーレント交渉で確認したこと

  • 商工会や無料相談をもっと早く利用すべきだった理由

  • 国・県・市の補助金で失敗したこと

  • 保健所への事前相談で起きた行き違い

  • インターネット、レジ、備品、家電の選び方

  • 開業後、売上計画と実績がどのように違ったか

私たち自身、まだ美容室の開業準備の途中です。

これから想定外の支出や、「判断を間違えたかもしれない」と感じることも出てくると思います。

だからこそ、完成された成功談ではなく、準備中に考えたことから、開業後の答え合わせまで残していきます。

美容師として独立したいけれど、何から始めればよいか分からない。

日々のサロンワークが忙しく、物件、融資、内装、経営数字のことまで調べる時間がない。

そんな方にとって、この記録が少しでも役に立てばうれしいです。

次回は、10坪・2人美容室の目標月商を、私たちがどのような項目から設定したのかをまとめます。


美容室musubiについて

2026年10月、千葉県我孫子市にオープン予定です。

大人女性の髪と頭皮の悩みに寄り添い、髪質改善とオーガニックカラーに力を入れる、少人数制の美容室です。

店舗の準備状況は、Instagramでも発信しています。



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