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会議は、何時間やったかでなく、いくつ決まったかで測る

気づくと、一日の予定表が会議で埋まっている。会議が終わると、今度は自分の仕事を片づけるために残業する。「会議のせいで仕事が進まない」──この感覚は、多くの管理職が抱えているはずだ。私もそうだった。

会議を減らそうと、時間を短くしたり、回数を削ったりした。でも、あまり効かなかった。短くしても中身は薄いまま、削れば別の相談が個別に湧いてくる。ある時、測る物差しが間違っていたと気づいた。会議の良し悪しを、長さや回数で測っていた。だが会議の価値は、時間ではない。そこで何が決まったかだ。

この記事は、会議を「決まった数」で測り直すと何が変わるかを書く。ムダな会議に一日を溶かしている人に向けて書く。

■ ほとんどの会議は、何も決めていない

会議が終わった後、こう自問してほしい。「今の一時間で、何が決まったか」。多くの会議で、明確に答えられない。

そういう会議で起きているのは、たいてい次のどれかだ。情報の共有だけで終わる。全員が現状を報告し合って終わる。問題を確認するが、誰が何をするかは決めない。議論はするが、結論を出さずに「持ち帰り」で流す。どれも、集まった意味の割に、決定がゼロだ。

情報共有だけなら、集まる必要はない。文書で読めば済む。人が同じ時間に同じ場所へ集まる唯一の価値は、その場で決めることにある。決めない会議は、全員の時間を使って、何も生んでいない。時間という取り戻せない資源を、最も無駄にする形だ。

■ 会議の価値は「決まった数」で測る

だから私は、会議を長さや回数ではなく、そこで下された決定の数で測るようにした。

物差しを変えると、会議の設計が変わる。一時間の会議なら、始まる前に「今日ここで決めること」を三つなら三つ、具体的に決めておく。会議のゴールは、議論することではなく、その三つに決着をつけることになる。

終わった後の評価も変わる。「活発に議論できた」ではなく「予定していた三つが決まったか」で見る。決まらなかったなら、その会議は目的を果たしていない。時間を使ったかどうかは、成果と関係ない。

この物差しは、会議の主催者に緊張感を生む。決める気のないテーマを議題に載せられなくなる。決められないテーマは、まだ情報が足りないか、決める人がその場にいないかのどちらかだ。それを事前に片づけてから集める。

■ 決まらない会議には、決まらない理由がある

決定の数を数え始めると、なぜ決まらないのかが見えてくる。原因はだいたい三つに絞られる。

・決める人がいない。その場の全員に決定権がなく、「上に確認してから」で終わる。決める人を最初から呼ぶか、決定権をその場に委譲しておく。
・判断材料が足りない。決めるのに必要な数字や事実が揃っていない。それは会議で議論することではなく、会議の前に集めておくことだ。材料集めを会議の中でやるから、時間だけが過ぎる。
・決める基準がない。何を優先するかが曖昧だから、意見が平行線になる。基準を先に決めておけば、その基準に照らして機械的に決まる。

決まらない会議は、会議そのものの問題ではなく、準備の問題であることが多い。集まる前に片づけられることを、集まってからやっている。

■ 決めない集まりは、会議と呼ばない

誤解のないように言うと、決定を伴わない集まりに価値がないわけではない。方向を浸透させる、関係者の目線を揃える、雑談から新しい発想が出る──こうした場は確かに要る。

だが、それらは「決める会議」とは目的が違う。混ぜると、どちらも中途半端になる。決める会議のはずが雑談で流れ、目線を揃える場のはずが結論を迫られて空気が固くなる。だから、集まりの目的を最初に一つに絞る。今日は決める会議なのか、共有の場なのか、発想の場なのか。目的が違えば、進め方も、呼ぶ人も、かける時間も変わる。

私が会議を減らせたのは、回数を削ったからではない。決める会議と、それ以外を分けたからだ。決める会議は短く濃くなり、共有はほとんど文書に移せた。集まる回数は減り、決まる数は増えた。

■ 明日からできること

・次の会議の冒頭で「今日ここで決めることは何か」を口に出す。三つなら三つ、具体的に宣言してから始める。決めることが言えないなら、その会議は要らない。
・会議の終わりに「今日決まったこと」を一つずつ確認して終える。決まっていないものは、なぜ決まらなかったか(人・材料・基準のどれが欠けたか)をその場で特定する。
・情報共有だけの定例会議を一つ選び、文書での共有に置き換えられないか試す。集まらずに済むものは、集まらない。
・自分が呼ばれる会議で「これは決める場か」を確かめる。決めない会議に決定権者として出続ける必要はない。

会議で一日が溶けるのは、会議が多いからではなく、決まらない会議が多いからだ。時間や回数を削るより、一回あたりの決定の数を上げる。決めない集まりは、会議ではなく、ただ人の時間を集めているだけだ。時間は戻らない。集めた時間の分だけ、何かを決めて返す。それが会議を預かる人の責任だ。

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