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できる人は「解く前」に勝負を決めている|課題設定が9割

「解決力を上げたい」という相談はよく受ける。
でも、私が長くやってきて確信しているのは、これだ。

解く力より、何を解くかを決める力のほうが、結果を分ける。

同じ努力量でも、設定した問いが正しければ前に進み、間違っていれば全力で見当違いの方向に走る。後者は、何もしなかったより始末が悪い。今日は「課題解決より課題設定が重要」という話を、仕事・お金・不動産の具体で書く。

■ なぜ人は「解決」に飛びつくのか

私たちは、解決を褒められて育つ。
学校のテストは、問いが与えられ、速く正しく解いた人が評価される。会社に入っても、振られたタスクを早くさばく人が「仕事ができる」と言われる。

つまり、問いは誰かが決めてくれる前提で、ずっと訓練されてきた。
だから、いざ自分で問いを立てる場面になると手が止まる。そして無意識に、目の前の分かりやすい問題を拾って、解き始めてしまう。

解決は気持ちがいい。手が動くし、進んでいる感覚がある。
一方、課題設定は不快だ。答えがないし、「そもそもこれを解くべきなのか」と前提を疑う作業は、地味で、誰にも褒められない。だから多くの人が飛ばす。ここが分かれ目になる。

■ 設定を間違えるとどうなるか(具体で)

・仕事の例
「資料の作成が遅い」を課題に設定すると、テンプレ化や時短術に走る。だが本当の課題が「そもそもこの資料、誰も読んでいない」だったら、速く作るほど無駄が増える。正しい設定は「この資料は要るのか」だった。

・お金の例
「収入が足りない」を課題にすると、残業や副業で時間を売る解決に向かう。だが本当の課題が「時間を売る形でしか稼げない構造」だったら、頑張るほど時間がなくなる。正しい設定は「収入源の作り方を変える」だった。私が収入の柱を一本ではなく複数にしたのは、この問いの立て直しからだった。

・不動産の例
初心者ほど「どうやって融資を通すか」「どう安くリフォームするか」を課題にする。全部、解決の問いだ。だが勝負は、その手前でほぼ決まっている。「そもそもこの物件を買うべきか」「自分はどのゲームで戦うのか」という設定で、勝ち負けの大半は決まる。悪い物件を上手に安く直しても、悪い物件のままだ。

解決の技術は、間違った設定を救ってくれない。

■ 良い課題設定をするための4つの問い

私が何かを決める前に、自分に投げている問いを渡しておく。

  1. これは本当に解くべき問いか
     目の前の問題は「症状」であることが多い。なぜそれが起きているかを一段掘る。滞納が起きたとき、課題は「回収」ではなく「入り口の審査」だった、というように、真因は手前にある。

  2. これを解くと、何が動くか
     解いても状況が変わらない問いは、設定が間違っている。インパクトの大きい一点に絞る。

  3. 誰の課題か(自分が解くべきか)
     抱え込む必要のない問題を、律儀に自分で解いていないか。任せる・買う・やめる、も立派な解だ。

  4. 逆から見るとどうか
     「どうやって増やすか」で詰まったら「どうやって減らさないか」に反転させる。問いの向きを変えると、急に道が見える。

この4つを通すだけで、拾う問題が変わる。解く前に、勝負の半分は終わっている。

■ 設定がうまい人の共通点

・すぐ手を動かさない。まず「何を解くか」に時間を使う。
・前提を疑う。「そういうものだから」を、一度は自分で検算する。
・問いを言葉にして書く。頭の中だと、無意識に解きやすい問題へすり替わる。書くと、それが本当に解くべき問いか目で確認できる。

逆に、設定が下手な人は、いつも忙しい。忙しさは、間違った問いを全力で解いているサインのことがある。

■ 明日からできること

一つでいい。今かかえている「解決しようとしていること」を、紙に一行で書き出してほしい。
そして、その上に「本当の課題は何か?」と書いて、さっきの4つの問いを通す。

たいてい、書いた課題は「本当の課題」ではない。一段手前に、もっと効く問いが隠れている。それを見つけた瞬間が、解決の技術より何倍も効く。

解ける人は多い。正しい問いを立てられる人は、驚くほど少ない。
だからこそ、そこがいちばん伸びしろで、いちばん差がつく。

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