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腸活特集|全8回シリーズ・第2回
「腸活」特集は、全8回にわたり毎日連続でお届けしています。
前回(第1回)は「腸活という言葉の整理」について取り上げました。
今回は「食物繊維の水溶性・不溶性の違い」について見ていきます。
お通じを整えようと、野菜を増やした時期があります。
サラダを一皿足し、ごぼうやきのこを意識して食べました。
ところが数日後、お腹が張って苦しくなりました。
良かれと思ってやったことなのに、かえって調子が悪い。
理由が分かったのは、食物繊維に二つの種類があると知ってからでした。
同じ「食物繊維」でも、働き方がまるで違うのです。
同じ「食物繊維」でも、働き方に違いがある
厚生労働省のe-ヘルスネットによると、食物繊維は水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維に大別されます。
不溶性食物繊維は、水分を吸って膨らみ、便のかさを増やして腸の動きを促すとされ、野菜類や穀類、きのこ類、豆類などに多く含まれます。
一方の水溶性食物繊維は、水に溶けてゲル状になるのが特徴です。
血糖値やコレステロールの上昇をおだやかにするほか、腸内細菌に利用されやすいとされ、海藻類や果物、大麦などに含まれます。
整理すると、不溶性はかさを増やして押し出す方向、水溶性はやわらかくして、菌のエサになる方向。
同じ食物繊維でも、性質にははっきりとした違いがあります。

増やして悪化することがある理由
ここが、私がつまずいた場所でした。
不溶性食物繊維は水分を吸って膨らみます。
腸がしっかり動いていれば、そのかさが刺激になって押し出されるわけです。
ところが、もともと腸の動きが弱かったり、水分が足りなかったりすると、膨らんだまま進みにくくなることがあります。
結果として、お腹が張る、かえって出にくくなる、という状態が起こりうるわけです。
一般に言われている話ですが、私の場合はまさにこれでした。
野菜を増やす、という行動そのものは間違っていません。
問題は、増やしたものが不溶性に偏っていたことでした。
サラダもごぼうもきのこも、不溶性が中心の食品です。
もし食物繊維を増やして調子が悪くなった経験があるなら、量ではなく種類の偏りを疑ってみる価値があります。
日本人に足りないのは、主に水溶性のほう
公的なデータでも、日本人の食物繊維は不足しがちだとされています。
e-ヘルスネットによれば、成人(20歳以上)の摂取量の平均は1日18.1gでした。
同ページでは、目標量として成人男性は1日20g以上、女性は1日18g以上と整理されています。
たとえば男性なら、平均18.1gに対して目標は20g以上ですから、あと2gほど足りない計算になります。
女性であれば、平均が目標に近い場合もあるでしょう。
なお「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、目標量が年齢区分によってさらに細かく定められています。
ご自身の正確な数値を知りたい場合は、同基準の該当表で確認してみてください。
いずれにしても、これは総量の話です。
日本人の食生活では、穀類や野菜から不溶性を取りやすい一方、水溶性が不足しやすいと一般に言われています。
つまり、単に「もっと食べる」ではなく、足りない側を選んで足すという発想が役に立ちます。
「あと2g」は、具体的に何を食べることか
では、2gを足すとはどういうことか。
食品成分表の数値で見ると、イメージがつかめます。
可食部100gあたりの総量と、その内訳です。
・ごぼう(ゆで):総量6.1g(水溶性2.7g/不溶性3.4g)
・オートミール:総量9.4g(水溶性3.2g/不溶性6.2g)
・納豆:総量6.7g(水溶性2.3g/不溶性4.4g)
・アボカド:総量5.6g(水溶性1.7g/不溶性3.9g)
・さつまいも(皮つき・蒸し):総量3.8g(水溶性1.0g/不溶性2.8g)
・切り干し大根(乾):総量21.3g(水溶性5.2g/不溶性16.1g)
こうして並べると、数グラムを足すのは決して大変ではないと分かります。
納豆1パック(約50g)で3g前後、オートミールを朝食に一杯(約40g)で4g近く。
それぞれ一品足すだけで届く範囲です。
注目したいのは内訳です。
水溶性を意識するなら、オートミールや大麦、海藻、果物が効いてきます。
海藻類は測定方法の都合で水溶性と不溶性を分けた数値が出ないことも多いものの、水溶性が豊富な食品として知られています。
数値は品種や調理法、成分表の版によって変わるものです。
細かく計算する必要はなく、どの食品がどちら寄りかという感覚をつかむだけで十分でしょう。

偏りを減らす、という考え方で選ぶ
水溶性と不溶性を、厳密にある比率へそろえる必要はありません。
大切なのは、種類の偏りを減らすことです。
すでに野菜やきのこを多く食べている人は、そこに海藻や大麦、果物などを組み合わせる。
そうやって、取れていない側を足していく発想が現実的でしょう。
私の場合、サラダを増やしても改善しなかったので、朝食のごはんを大麦入りに替え、味噌汁にわかめを足しました。
海藻と大麦は、水溶性を補いやすい食品です。
厳密に計算する必要はありません。
「野菜は足りている気がするから、今日は海藻を」くらいの意識で十分だと感じています。
増やし方には、順番と速さがある
もう一つ、失敗から学んだことがあります。
増やす速さです。
e-ヘルスネットでは、まず1日あたりプラス3〜4gを目安に、無理のない範囲で増やす考え方が示されています。
裏を返せば、一気に倍増させるようなやり方は想定されていません。
急に増やすと、お腹の張りやガスが出やすくなることがあります。
腸の中で発酵が進むためで、体が慣れるまでに時間がかかります。
あわせて、水分も意識したいところです。
とくに不溶性は水分を吸って膨らむ性質があるため、水分が足りないと硬くなりやすいと言われています。
私は今、一週間ごとに一品ずつ増やすくらいのペースにしています。
ゆっくりのほうが、結果的に続きました。

合わないと感じたら、無理をしない
ここまで書いてきましたが、食物繊維の増やし方に万人共通の正解はありません。
体質や体調によって、合う・合わないがあります。
お腹の張りや痛みが続くようなら、量を戻す、種類を変える、いったん休むといった調整をしてください。
また、強い腹痛や血便がある場合、原因の心当たりがないのに体重が減る場合、不調が2週間以上続く場合は、食事の調整で様子を見るのではなく医療機関にご相談ください。
感じ方には個人差があります。
無理なく続けられる範囲を探すことのほうが、目標量を達成することより大切だと思っています。
まとめ
食物繊維には、かさを増やす不溶性と、ゲル状になり腸内細菌に利用されやすい水溶性があり、それぞれ働きに違いがあります。
増やしたのに調子が悪くなる場合、量ではなく種類の偏りが原因かもしれません。
成人の平均摂取量は1日18.1g。
e-ヘルスネットは目標量を成人男性20g以上・女性18g以上と整理しており、差はおおむね数グラム。
納豆一パックやオートミール一杯で届く範囲です。
比率を厳密にそろえる必要はなく、種類の偏りを減らすのが現実的です。
すでに野菜やきのこが多いなら海藻や大麦、果物で水溶性を足す。
増やす速さはゆっくりと、水分もあわせて意識してください。
合わないと感じたら無理をせず、強い症状が続く場合は医療機関へご相談を。
今日できることは、今日食べたものを思い出して、水溶性と不溶性のどちらに偏っていたかを見てみることです。
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【腸活特集|配信スケジュール(毎日更新予定)】
2026年9月10日 そもそも「腸活」って何をすること?|言葉のイメージを一度ほどく
2026年9月11日 食物繊維は「水に溶ける・溶けない」で役割が違う|自分の食事に足すならどっち
2026年9月12日 発酵食品は“菌の種類”より“続けやすさ”|無理なく取り入れる選び方
2026年9月13日 プレバイオティクスとプロバイオティクス|言葉の違いを生活目線で整理する
2026年9月14日 ヨーグルトは「自分に合うか」で選ぶ|合う・合わないをどう見極めるか
2026年9月15日 便通は「毎日」が正解とは限らない|自分のリズムの捉え方と、受診を考える目安
2026年9月16日 腸と睡眠・気分はつながっている?|「腸脳相関」で今言われていること
2026年9月17日 サプリに頼る前に整えたい食事の順番|“まず食事から”の考え方
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参考情報
厚生労働省|e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-05-001.html
食物繊維の性質・腸内でのはたらき・摂取量の目安・食べ方の工夫の確認に使用。
厚生労働省|e-ヘルスネット「食物繊維」(用語辞典)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-016.html
水溶性・不溶性食物繊維の分類とはたらきの確認に使用。
厚生労働省|「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
食物繊維の目標量(年齢・性別ごとの区分)の確認に使用。
文部科学省|食品成分データベース(日本食品標準成分表 八訂増補2023年)
https://fooddb.mext.go.jp/
食品ごとの食物繊維量(総量・水溶性・不溶性)の確認に使用。
※本記事は2026年9月時点の公表情報をもとにした一般的な解説です。
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