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「私の姉、できます」素直に頼めない妹と作ったサプライズブーケ



ある日。妹から届いたLINEは、いかにも妹らしいものだった。

「Sちゃんにサプライズでバルーンブーケを作りたいんだけど、まるこはどうやって作ったの?」

お願いではない。

相談だ。

でも、わたしにはわかっていた。

これはきっと、「手伝って」と言いたい妹が、遠回しに投げてきたLINEだ。


うちの妹ってね、可愛い。

もうサイズもずいぶん大きくなって、並べばまるこがすっぽり隠れてしまうくらい大きな妹なんだけどさ。

以前、わたしが作ったブーケの写真を送るとすぐに返信がきた。

「色合わせ、悩みそうだなぁ」
「わしゃわしゃしてるところ、わたしできなそう。゚(゚´Д`゚)゚。」
「このバルーンは萎みやすい?」

この時点で、わたしはある程度察していた。

おそらく妹は、わたしに手伝ってほしいのだ。

いや、もしかしたら最初から、作ってほしかったのかもしれない。

でも今回は、こちらからは言わない。

意地悪をしているわけではない。

自分から「お願い」と言ってくるのを待っていた。

聞かれたことには答える。

写真も見せる。

作り方も教える。

「まずはお店に下見に行ってみたら?」

そう言ってみる。

LINEのラリーは続いた。

長い。

とにかく長い。

それでも妹は、どうしても言ってこない。

そして最後に、

「じゃあ、もうお店に頼むしかないね!」
と私は送った。

するとこんなスタンプが。


ほんと、いいスタンプ使ってくるわぁ


そのまま、2日経過した。

結局、姉の私が先に折れた。

人のために何かをしてあげたい妹の気持ち。

だけど、

「お願い!一緒に作って!」

と、素直に言えない、あまのじゃくな妹。

仕方がないので、助け舟を出した。

「花束ブーケ、どうした?お店は見てきたのかな?土曜日なら時間があるから、一緒に材料を見に行って作ろうか?」

秒で返信がきた。

喜びを全身で表しているようなスタンプと一緒に。

一応、わたしに言われてから何軒かお店を回ったらしい。

でも、見ているうちに目が回って具合が悪くなり、帰って寝たという。

仕方ないなぁ。

そう思いながらも、たぶんこうなることを予想していたわたしは、土曜日に何も予定を入れていなかった。

妹よ
秒で返すとは。
他の時はLINE見ないのに


素直に言えばいいものを。

この、わがままなあまのじゃくめ。

そう思いながら、妹と待ち合わせをした。

まずは二人でランチへ。

妹と行ったお店は、今回サプライズを計画しているママ友さんがスタッフとして働いているお店だった。

そこで、そのママ友さんに会った。

「まるこさんが花束を作ってくれるって聞きました。ありがとうございます!」

そう言われて、わたしは一瞬、

「あれ?」

と思った。

さらに、

「前に作った画像も見ました。めちゃくちゃ可愛くて。ぜひお願いします!!!」

と。

待て待て。

それ、いつ決まった話なんだろう。

わたしが作ると決まったのは、一昨日ではなかったか。

たぶん妹は、ママ友さんたちと、

「サプライズブーケを作りたいけど、どうする?」

という話になったとき、わたしの過去の作品を見せて、

「私の姉、できます!!!!!」

と、自信満々に言ったのだろう。

まだ本人には、ちゃんとお願いもしていないのに。

もしかしたら妹の心の中では、

「やばい。みんなに、お姉ちゃんができるって言っちゃった。でも手伝ってくれなかったらどうしよう」

「とりあえず、写真を見せてもらおう」

「作り方を聞きながら、“一緒にやろうか?”って言ってくれるのを待とう」

……それを想像すると、もう憎めない。

素直に頼めないくせに、姉ならできると周りには堂々と言っている。

まったく。

可愛い妹である。

ランチを終え、材料の買い出しへ向かった。

ちなみにランチ代は、なぜかわたしが払った。

なぜだ。

これも姉心というものなのだろうか。

わたし一人で材料をそろえるなら、たぶん1時間もかからない。

色やデザインを頭の中で考えながら商品を手に取り、そこからさらに構想を膨らませていく。

出来上がった姿を想像しながら、頭の中ではどんどんデザインが進んでいくからだ。

しかし今回は、妹が一緒にいる。

2倍どころか、3倍の時間がかかった。

まずは妹が想像しているものを聞き、気になる商品を手に取ってもらう。

それを見ながら、

「どんなふうにしたいの?」

と、少しずつイメージを聞き出していく。

その前に一つ、言いたい。
妹は、こんなふうにしたい!!!と画像を送ってくれていた。
その画像からなぜ、離れたものを手に取るのか。

こんな感じで、イメージとかけ離れたアイテムを組み合わせようとするので、そこは静かに止めた。

妹が一人で作るなら、それでもいい。

でも、わたしが手伝うとなると話は別だ。

わたしの美的センスが、警報を鳴らす。

長かった……。

——以下省略。

ようやく材料をそろえ、実家へ向かった。

テーブルの上にすべてを並べ、二人で作業を始める。

花びらには、大きさの違うパールを一粒ずつ貼っていった。

色は淡いものを中心にしながら、贈る相手が女子高生なので、少し明るめのピンクも加えた。

花がきれいに引き立つように、中に入れる包装紙やラッピングの色、揃える場所はセリアな為、
そこで使えるアイテムを選んだ。

出来上がっていく途中で、リボンのあたりに少し隙間ができた。

そこで、本来は結ぶために用意していたオーガンジーのリボンにギャザーを寄せ、その隙間へ差し込むことにした。

透明なテグスのような細い糸だったので、うまく縫えるか心配だったけれど、これもきれいに仕上がった。


そして最後に、ティアラを載せる。

ただ飾るためだけのティアラではない。

カチューシャになっているティアラの両端を、花と花の間に差し込んでいるので、簡単には落ちない。

花束を渡すときには、そのティアラをそっと外して、女の子の頭に載せてあげる。

そこまで想像して作った。

「その子に、プリンセスになってほしい」

そんな思いから生まれたティアラブーケだった。

妹は最初、Sちゃんが、他の仲間たちと一緒に写った写真をたくさんブーケに差し込み、
にぎやかなものにしたかったらしい。

でも、それはアルバムにして渡した方がいいのではないかと伝えた。

アルバムはアルバムで、写真をゆっくり楽しめる。

そしてブーケは、花とティアラを主役にする。

何より、写真までたくさん差し込んだ完成形を想像した瞬間、再びわたしの美的センスが警報を鳴らしたのである。

材料は、ほとんどセリアでそろった。

だから、それほどお金はかかっていない。

けれど、生花ではないからこそ、長く手元に残しておける。

材料の値段とは関係なく、そこに込めた思いは、きっと相手にも伝わると思う。

そして、完成したブーケがこちら。

妹のぽちゃっとした
おててがかわゆい



可愛い。

もう、めちゃくちゃ可愛いのだ。

妹も大喜びだった。

完成したブーケをわたしが撮影し、AIで背景だけをふんわり可愛く整えて送ったら、妹はさらに感動していた。

AIを何でも使いこなせるわけではないけれど、写真の背景を変えるくらいなら、わたしにもできる。

もともと可愛くできたブーケが、さらに可愛く見えた。

妹の手よ、さよなら



自画自賛、可愛い。

そして何より嬉しかったのは、甥っ子の言葉だった。

「すごい。売り物よりすごいじゃん!」

そのひと言が、わたしにとって何よりのご褒美だった。

昔のわたしたちなら、二人で何かを作ろうとすれば、
ああでもない、こうでもない、できない、
やって!
もう無理!

そんなことを言い合って、喧嘩になっていたかもしれない。

姉妹だもの。

それも仕方がない。

でも今回は、二人で最後まで作り上げることができた。

サプライズをする相手は、甥っ子の先輩で、わたしもずっと知っている女の子。

喜んでほしい。

甥っ子の顔も潰したくない。

どうせなら、最高のものを渡したい。

その気持ちは、妹もわたしも同じだった。

だから作業は一人で作るときの倍以上の時間がかかっが、意外にも二人で作る時間は楽しかった。

今日、そのイベントがあった。
朝、妹からLINEがきた。

「たくさん写真を撮って送るね」

妹は、自信満々にあのブーケを持っていくのだろう。

きっと周りのママ友さんたちにも、

「私の姉が作りました」

と、得意げに言うのだと思う。
(そこは自分が作ったと言っていいのだが)

私本人には、素直に「お願い」が言えないくせに。

大人になっても変わらない、あまのじゃくな妹。

でも、そんなところも含めて、やっぱりわたしの可愛い妹なのだ。

「たまには、ちゃんと素直にお願いすることも必要なんだぞ」

いつか、本人にも言ってやろうと思う。

まあ、言わなくても。

わたしには、とっくに全部バレているんだけどね。


いつもありがとう!


 

そして、もうひとつ。
最近、自分がここで書いていきたいことを、改めて考えていました。
それに合わせて、メンバーシップ「コーヒーと暮らしの余白だより」の内容も、少し見直しました。

家族のこと、夫婦のこと、子育てのこと。
そして、これからの自分のこと。
メンバーシップ限定記事が今50本近く読むことができます。
表では書ききれない気持ちも、もう少しゆっくり言葉にできる場所にしていきたいなと思っています。
内容も少し整えたので、
よかったら、ちらっと覗いてみてください。

そして、最後にひとつだけお知らせです☕️
昨日、メンバーシップの内容を少し見直して、
2ヶ月かかりましたが全6話のマガジンを公開しました。
現在は「コーヒーと小箱」のメンバーさんにも、全6話を読んでいただけるようにしています。

こちらのマガジンは、9月上旬を目安に
「コーヒーと深呼吸」限定へ移行する予定です。

なので、気になっていた方は、
まずは「コーヒーと小箱」から覗いてもらえたら嬉しいです。
これからも、ここだから書けることを、
ゆっくり大切に残していきます☕️



また、現在公開している有料記事では、
「フォロワー1,600人まで育てて気づいた、『世界観』は裏切らない。2,000人を目指す今も、私が変えないInstagramの軸。」を公開しています。
Instagramを続ける中で試行錯誤してきたことや、数字だけでは見えなかった大切な考え方を、一つの記事にまとめました。
SNSを長く続けたい方や、自分らしい発信を育てていきたい方のヒントになれば嬉しいです。


それでは、また、ね。

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