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【特集】惑星逆行 Vol.1 なぜ、水星逆行はこんなに認知されたのか?|登石麻恭子

近年、水星逆行の際には必ずと言っていいほどSNSでトレンドに上がるなど、占いや暦の中でも、新月/満月や一粒万倍日のように認知度・注目度の高さがうかがえる「惑星逆行」という概念。

例えば水星逆行の際には、「電車が止まる」「コミュニケーションエラーが起きやすい」といった事象が相次いでSNSに投稿されていきます。水星は特に日常の身近な案件に関連するので、共通言語になりやすいのでしょうね。

皆さんは、この惑星逆行の影響はどのようにお感じになられているでしょうか?

9月20日現在、天体の中でも社会や世代に影響を与えるとされる、土星・天王星・海王星・冥王星の4つが同時に逆行しています。時期を前後して、他の惑星逆行も多く見受けられる2025年はまさに、逆行イヤーと言えるかもしれません。

そこで今回は、この概念・現象について登石麻恭子先生にじっくりと解説していただきます!


ネガティブに解釈されてきた「逆行」の歴史

実はそもそも「惑星」の語源に、逆行の概念が含まれています。ギリシャ語の「プラネテス(planetes)」であり、「彷徨う者」「放浪するもの」という意味なのですが、占星術が生まれたころの天動説の世界観において、太陽や月が常にまっすぐ進むのに対して、水星・金星・火星・土星・木星といった惑星たちは行きつ戻りつ。まるで迷子のように見えたことに由来しているのです。この行きつ戻りつの動きこそが、逆行という現象なのです。

ちなみに、実際に惑星が逆走しているわけではありません。地球との公転速度の差から、地上から見て逆走しているように見える状態のことを逆行と言います。圧倒的な存在感(大きさ)である太陽や、地球の衛星である月のようにはっきりと視認できる星は逆行する(逆走しているように見える)ことはありません。古代の人には、太陽や月が「俺たちは決して振り返らないぜ!」と進んでいるのに対して、惑星たちは「ちょっと振り返りながら前に進んでいきます」という姿勢に見えたでしょう。だからこそ、占星術において太陽と月は特別な星であるのです。

しかし、いつから水星逆行がこのように注目されるようになったのでしょう。古代においては、現代のように逆行に対してそこまで身構えたり、策を講じたりすることはなかったようです。土星や火星とのアスペクトのほうがより警戒されました。とはいえ、古典占星術においても逆行はデビリティと呼ばれ、天体の状況にマイナスポイントを与える要因とされ、基本的にはネガティブな意味合いも持っていました。

現代に入り解釈が活発になっていく

しかし、現代に入ってから逆行の意味が徐々に加えられていきます。概念自体の歴史は古いですが、活発に解釈されるようになったのはむしろ現代に入ってから。その背景には、天体観測技術とコンピューター技術の発展により、天体の位置計算が容易になったことが大きく影響しています。太陽や月の運行と違って不規則な動きをする惑星の動きを正確に把握できるようになったことで、複雑な動きの1つである逆行が解釈されるようになっていったのでしょう。

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