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「沖縄県知事選」朝日新聞記者の現場レポートLIVEを視聴してみた~昭和世代のsecond life日記67~

 日本の安全保障問題がかかわるので、このたびの沖縄県知事選に関心を持っていたところ、事前予想で、現職の玉城デニー氏と新人の古謝玄太氏の一騎打ちで、接戦との見方があったので、より注目していたら、9月13日午後8時すぎ、まだゼロ開票なのに各メディアは早々に古謝当確を速報していた。
 古謝氏の圧勝。
 これまで犠牲的な歴史を歩んできた沖縄の人々には、なお複雑な県民感情はあるだろうから、沖縄に旅行したことがあるだけの私が呑気な感想はわきまえるべきことと自省ながらも、沖縄は、ついに、いや、ようやく、現実的な、そして歴史的な転換を選択したなぁ、と好意的に受け止めた。

 14日の朝刊で解説や分析を待ち望んでいたら、なんと休刊日。
 肩透かしをあったような気分でいると、朝日新聞デジタル版は感心なことに、ちゃんと報道しており、あれこれ、記事を眺めていたら、記者イベント「朝日LIVE 2026沖縄知事選 地方選開票ライブ」というのがあったので、出演する記者は本業である原稿も書かなくてはいけないだろうに、ご苦労だな、と思いつつ、視聴してみた。

 出演者が、まず自己紹介。
 東京からの参加者は、
 松田京平氏-前政治部長で福岡勤務時代に沖縄復帰30年の取材経験あり。
 石松恒氏-前首相官邸キャップで、いまはネットワーク報道本部統括マネージャー代理。防衛省を担当した際に沖縄の安全保障問題も担当。
 MCは安田桂子氏-デジタル編成本部次長。沖縄出身で、高校時代まで沖縄在住。

 沖縄からの参加者は、
 伊藤和行氏-那覇支局長で2度目の沖縄赴任。
 それから、ゲストスピーカーなのか、沖縄タイムス記者の又吉俊充氏。朝日新聞に2年間、出向経験あり、今回の沖縄知事選取材班キャップ。
 ※朝日新聞と沖縄タイムスは、とても近い関係にあることを初めて知った。どちらも左派的な論調だから、不思議ではないけど。
 途中から、谷津憲郎氏-編集委員、元那覇総局長で「天声人語」の筆者。
 四登敬氏-世論調査部記者で今回の出口調査を担当。
 
 13日午後8時からライブで流していたようだけど、私は14日に録画版(約2時間。ところどころ早送りしたけど)を視聴。
 で、感想。
 政局などで時折、テレビなどのコメンテータとして、おエライ? 年配? の記者が登場することがあるけれども、こうして現場で取材をしている記者らが名前も顔を出して登場することは、おそらくリスクも多々あるはずだけど、そのチャレンジは立派だと評価するとともに、慣れないせいもあるのか、やりとりがギクシャクしたりすることはあるものの、臨場感があって興味深かった。
 
 この沖縄知事選の開票ライブは、もともと自民党嫌い、高市大っ嫌いの朝日新聞だから、玉城支援が滲み出ていて、早々に玉城落選が決まるやいなや、「みなさん、驚きの結果かもしれませんが」「ゼロ開票打ちは衝撃」とのコメント。
 ちょっと露骨?
 記者自身も「驚いている。玉城氏は知名度があったので」「(開票前日の)土曜日は玉城氏の陣営のほうが熱気あった」などと本音を吐露しており、私の印象だけど、なんとなく沈滞ムードが漂い、記者らのトークもいまひとつ弾まない。

 なによりも、驚いたのは、玉城氏の敗戦の弁は、QAB琉球朝日放送の映像を流していたものの、古謝氏の映像は「トラブルで」との理由でナシ。
 さすがにワザとらしいことはしないと思いつつ、取材記者が現地からスマホからリモート出演でも、LINEでビデオ通話でもできただろうから、現場から古謝陣営の勝利に沸く雰囲気とともに、これらの沖縄の若きリーダー誕生の原動力や、古謝氏に託した沖縄の未来についての担当記者の分析が聞けず、バランスに欠けていたように感じたけど、朝日らしいといえば朝日らしい。
 玉城氏を支援する辺野古移設反対団体の小型船の転覆・海難事故によって、同志社国際の高校生が亡くなったこと、その後の玉城氏の対応なども少なからず響いたのではないかと推察するけど、SNSの玉城氏への中傷誹謗についての言及はあったものの、海難事故対応のことには触れず仕舞い。

 出口調査担当の四登氏によると、期日前投票を含む60カ所での出口調査を実施して、2909人から有効回答を得たそうで、古謝氏がほぼ6割を獲得、早々に大きくリードしていることが分かったそうだ。であるなら、事前に古謝サイドの情報をしっかりと準備しろよ、といいたくなるけど。
 その出口調査によると、無党派層は、玉城氏が49%、古謝氏が47%と予想外に拮抗。しかも、18~29歳は古謝氏に74%、30代は72%、40代は69%。圧倒的に若年層の多くが古謝氏に流れたことが、当落を決した大きな要因だとは思うが、すこし中身をみると、ちょっと驚いたのは、辺野古移設について、賛成が50%、反対が44%。すでに賛成が半数に及んでいること。
 しかも、反対のうち34%が辺野古移設を容認している古謝氏に投票している、という。
 もはや法定闘争を経て、辺野古移設工事が止められないことは、だれしもが分かってきて、反対だけど、反対よりも、沖縄を「前へ」との思いが勝ったのだろう。とくに未来のある若い人は。
 辺野古移設反対を言い続けてきた玉城氏は落選すべくして落選したとしかいいようがない。

 沖縄出身で古謝氏と同年代だというMCの安田氏は、沖縄県民の歴史観と大きく違った参政党や日本保守党が古謝氏を推薦したことにマイナスにならなかったのは大きな変化といい、「沖縄の歴史認識の後退」と表現していたが、「後退」とは? どんな意味合いで使ったのか、すこし説明をしてほしかったけども、この発言を受けて谷津記者は、こんなことを述べていた。
 「古謝氏の応援演説で10代の若者が、『沖縄戦で日本兵だけが悪かったというような教育は変えなくてはいけないと思いませんか』と話したことにびっくりした。昔ならなかった」
 なぜ、びっくりしたのか? 
 昔なら、なぜ、あり得ない発言なのだろうか?
 日本兵“だけ”が悪かった、という教育をしているのであれば、私にはびっくりだが、あの悲惨な沖縄戦を若い人が正しく知りたいというのなら、それは間違いではないはず。
 推測すると、「日本は悪くなかった」との意味にもとれる発言を若者が壇上で堂々と話すことに、古謝氏を支援する人には、右翼的思想の濃いい人が多く、軍国主義を増長しかねず、びっくりした、と。
 すこし固定概念にとわられているのでは? と思わずにはいられなかった。
 ちなみに、朝日新聞デジタルは記事に対してさまざまな立場の人が論評できる「コメントプラス」欄があって、谷津記者の記事について、作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏がたびたび批判コメントを寄せており、合わせて読むと、なかなか興味深い(批判もしっかりと掲載するコメントプラス欄があることは、朝日新聞の懐の深いところかも)。

 記者らは玉城落選の要因について「沖縄保守」と「オール沖縄」の終焉を強調していたけど、それは結果論であって、むしろ、沖縄は次のステージに進もうという古謝氏に期待する人々が多かったのでは、と思うが、この開票ライブでは、そうした前向きな声がなぜ沸き起こったのか、が聞けなかったのは残念だった。(5,588歩)


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