【新連載予告】窓のない家で、彼女は外を見ていた
外から数えると。
窓は、17枚。
家の中から数えると。
窓は、16枚。
では。
17枚目の窓は、どこにつながっているのか。
ミステリー書房、新連載
『窓のない家で、彼女は外を見ていた』
今回の舞台は。
雪山でも。
孤島でも。
人里離れた洋館でもありません。
どこにでもありそうな住宅街。
その一角に建つ。
一軒の家です。
ただし。
その家には。
一つだけ。
説明できないものがあります。
外からしか見えない窓。
窓を数えてはいけない家
その家は。
建築家・御影宗一郎が。
二十年前に設計した邸宅。
白い外壁。
大きな吹き抜け。
二階建て。
外観だけを見れば。
少し変わった高級住宅にしか見えません。
しかし。
近所では。
昔から妙な噂がありました。
夜。
道路の反対側から。
家を見上げると。
二階の一番右。
カーテンのない窓に。
女が立っている。
毎晩。
同じ場所。
同じ時間。
ただ。
その家の住人に聞いても。
誰も。
その女性を知らない。
それどころか。
もっと奇妙なことを言います。
「そこに窓なんてありません」
外からは17枚。中からは16枚。
家の外周を歩けば。
窓は。
確かに17枚ある。
一階に9枚。
二階に8枚。
しかし。
家の中へ入り。
すべての部屋を確認すると。
窓は16枚しかない。
何度数えても。
一枚足りない。
外から見える。
17枚目の窓がある場所。
そこへ行ってみる。
しかし。
室内側にあるのは。
ただの壁。
扉もない。
窓もない。
収納もない。
それなのに。
夜になると。
外からは。
その窓に。
女性が立っているのが見える。
そして、家の主人が殺される
ある夜。
この家の所有者。
御影宗一郎が。
一階の書斎で死亡します。
死因。
頭部への強い打撃。
凶器は。
書斎に置かれていた。
金属製の置物。
玄関。
施錠。
勝手口。
施錠。
防犯カメラにも。
外部から侵入した人物は。
一人も映っていない。
事件当時。
家にいたのは。
御影家の人間だけ。
当然。
警察は考えます。
犯人は家族の中にいる。
ところが。
調べていくと。
さらに不可解な事実が判明する。
家族全員に。
アリバイがある。
主人公が疑ったもの
警察が。
家族の証言を調べている中。
一人の男だけが。
まったく違うものを調べ始めます。
家の寸法。
廊下。
壁。
窓。
階段。
天井。
そして。
外壁。
彼が最初に言ったのは。
犯人の名前ではありません。
「この家、外と中で大きさが違いませんか?」
図面を確認すると。
二階の廊下が。
本来あるべき長さより。
87センチ短い。
たった87センチ。
人が生活できるほどの幅ではない。
隠し部屋を作るにも。
狭すぎる。
それでも。
確かに。
家の中から。
87センチが消えている。
殺される前日の言葉
さらに。
御影宗一郎が。
殺される前日。
家族に。
奇妙なことを言っていたことが分かります。
「この家には、誰にも住ませていない部屋が一つある」
家族は。
冗談だと思っていた。
なぜなら。
二十年間。
この家で生活している。
知らない部屋など。
あるはずがない。
しかし。
翌日。
御影宗一郎は殺された。
そして。
事件の夜。
道路の向こうから。
17枚目の窓を撮影した写真には。
はっきりと。
一人の女性が写っていた。
問題は。
その女性が。
家族の誰でもなかったこと。
そして。
もう一つ。
写真が撮影された時刻。
午後10時42分。
御影宗一郎の推定死亡時刻と。
ほぼ一致していた。
幽霊ではありません
17枚目の窓。
壁の向こうの空間。
消えた87センチ。
存在しない部屋。
窓辺に立つ女性。
そして。
密室状態の家で起きた殺人。
一見すると。
説明のできない現象が。
いくつも登場します。
ですが。
今回の物語に。
超常現象はありません。
すべて。
論理で説明できます。
17枚目の窓にも。
女性にも。
消えた87センチにも。
殺人にも。
理由があります。
そして。
最終的に重要になるのは。
「壁の向こうに何があるのか」
だけではありません。
むしろ。
読者の皆さんには。
もっと基本的なところを。
疑ってほしいと思っています。
読者への挑戦
この物語を読むとき。
ぜひ。
家の中だけを見ないでください。
外からも。
見てください。
窓の位置。
道路。
隣の建物。
部屋の向き。
光。
そして。
誰が、どこから何を見たのか。
証言の内容が。
正しいとは限りません。
でも。
証言した人物が。
嘘をついているとも限りません。
同じものを見ても。
立っている場所が変われば。
まったく違うものに見えることがあります。
今回。
犯人より先に。
解いてほしい謎があります。
なぜ。
外から17枚見える窓が。
家の中には16枚しかないのか。
その答えに。
殺人事件の真相も。
つながっています。
新連載
『窓のない家で、彼女は外を見ていた』
外から見える。
17枚目の窓。
中からは存在しない。
一枚の窓。
毎晩。
そこに立つ女。
87センチ短い廊下。
誰も知らない部屋。
侵入者のいない家。
そして。
殺された建築家。
すべての謎は。
一軒の家の中にある。
――ように見える。
第1話から。
最終的な真相へたどり着くための手掛かりを置いていきます。
だから。
できれば。
最初の違和感を。
覚えておいてください。
「17枚目の窓は、どこにある?」
ではありません。
本当に考えるべきなのは。
「私たちは、何を17枚目の窓だと思っている?」
ということです。
第1話。
近日公開。
あなたは。
最後まで。
自分の目を信じられるでしょうか。
――ミステリー書房
