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【無料】証券アナリスト(CMA) 独学ロードマップ|3科目をどの順番でやるか 2026年度

この記事は全文無料です。最後まで課金なしで読めます。まずは「何から手をつけ、どの順番で、どこに時間を寄せれば受かるのか」という地図だけ持ち帰ってください。各章の教科書+ドリルと、スマホで解ける問題集アプリは記事の最後にまとめてあります。


はじめに|この試験は「難しい」のではなく「設計を間違えると高くつく」

証券アナリスト(CMA)第1次レベルは、たしかに簡単ではありません。ただ、独学者が本当に苦しむ理由は難易度そのものではありませんでした。

この試験は、失敗したときのコストが異常に重いのです。

理由は3つあります。

1つ目。受験するには、まずお金を払って講座を受けなければなりません。 第1次レベル試験は、日本証券アナリスト協会の第1次レベル講座を受講することが受験資格です。市販テキストだけを買って申し込む、ということができません。受講料は6万円(2025年度の水準)。ここに受験料が上乗せされます。

2つ目。申し込んだ年には受けられません。 第1次試験を受けられるのは、第1次レベル講座を受講した年度の「翌年度」の春試験からです。「今年から始めて今年受ける」ができない構造になっています。ここを知らずに動くと、計画が丸1年ずれます。

3つ目。受験には期限があります。 第1次試験の受験有効期限は原則3年。この間に3科目そろわなければ、再受講の手続きが必要になります(再受講すれば合格科目の実績は失効せず、期限がさらに3年延びます)。

※受講料・受験資格・有効期限・再受講の扱いは年度によって変わります。必ず受験年度の日本証券アナリスト協会の公式案内でご確認ください。

つまりこの試験は、「とりあえず受けてみて、ダメならまた来年」が最もやってはいけない資格です。6万円と1年を先払いしてスタートラインに立つのだから、立った以上は最短で抜けたい。

正直に言うと、私がこの試験に本気で向き合えたのは、この構造のおかげでした。先にお金を払っているので撤退しづらく、3年という期限が常に背中を押してくる。 モチベーションの話ではなく、制度が勝手に締切を作ってくれる。だからこそ「1回で通す設計」を最初に組むだけの価値があります。

この記事は、その設計図です。


私がやらかした4つのこと(体験談)

地図の前に、失敗談を書かせてください。私が遠回りした部分こそが、この教材の章の並びそのものだからです。ここを読み飛ばすと、章の順番が「なんとなくの順番」に見えてしまいます。

失敗1|テキストを頭から通読しようとして、力尽きた

最初にやったのは、届いた教材を1ページ目から順に読むことでした。真面目にやったつもりでした。

結果は、途中で力尽きました。

分量が多いのもありますが、それ以上に「読んでいるのに何も残っていない」感覚が辛かった。数式を目で追い、解説を納得し、ページをめくる。1週間後、同じページに戻ると何も覚えていない。これを2周やって、ようやく「読み方が間違っている」と気づきました。

この試験のテキストは、通読するようにはできていません。 論点ごとに「読む → その場で解く → 間違えた論点だけ戻る」という往復をする教材です。順番に読み進める勉強は、忙しい社会人にとっていちばん進んでいる気がして、いちばん進んでいないやり方でした。

失敗2|3科目を同時並行で回して、どれも中途半端なまま試験日が来た

次にやったのが、3科目を並行して少しずつ進めるやり方です。今日は証券分析、明日は財務分析、週末は経済。バランスが良さそうに見えました。

これも失敗でした。どれも中途半端なまま試験日が来ました。

理由は単純で、この試験の科目は「少しずつ触る」と定着しないタイプだからです。特に証券分析は、リスクとリターンの考え方 → ポートフォリオ理論 → 債券 → 株式・デリバティブと、前の論点が次の論点の部品になっている構造をしています。3日空けて戻ると、部品を組み立て直すところからやり直しになる。この組み立て直しに毎回15分持っていかれて、正味の学習時間がほとんど残りませんでした。

1科目に集中して一気に抜ける。抜けてから次に行く。 遠回りに見えて、これが最短でした。

失敗3|数量分析(確率・統計)の土台がないまま、証券分析に突っ込んだ(最大の失敗)

これが一番の遠回りでした。

配点が最大なのは証券分析(科目Ⅰ)です。だから最初に手をつけました。判断としては間違っていないはずでした。

ところが、いきなり詰まりました。

ポートフォリオ理論に入ると、分散・標準偏差・共分散・相関係数が当たり前の顔をして出てきます。CAPM ではβが出てきますが、βの正体は回帰分析の傾きです。債券に入れば、割引現在価値の計算が延々と続きます。

これらは全部、科目Ⅲの「数量分析と確率・統計」の内容です。

私はそれを知らずに、証券分析の解説の中で断片的に出てくる統計の説明を、その都度なんとなく飲み込みながら進んでいました。当然、応用問題で崩れます。崩れるたびに戻る。戻っても体系がないので、また断片を拾うだけ。同じところを何度も往復して、時間だけが溶けていきました。

あとになって科目Ⅲの数量分析パートを体系的にやったとき、心底がっかりしました。先にここを2週間やっておけば、証券分析の理解速度は明らかに変わっていた。 分散と共分散が何を測っているのかを先に押さえていれば、ポートフォリオのリスク低減効果は「公式」ではなく「当たり前の話」として入ってきたはずです。

だからこの教材のロードマップは、証券分析より先に、数量分析の土台だけを抜き出してやる設計にしています。詳しくは後述します。

失敗4|公式は覚えたのに、「どの場面でどれを使うか」が判断できなかった

最後の失敗はこれです。

CAPM の式は書けました。デュレーションの定義も言えました。修正デュレーションで価格変化率を出す式も覚えました。それでも問題が解けませんでした。

問題文を読んで、手が止まるのです。「これは修正デュレーションの話なのか、それとも最終利回りを求める話なのか」。公式のリストは頭にあるのに、目の前の問題とリストが結びつかない。

原因は、覚え方でした。私は公式を「文字列」として覚えていて、「何を測る道具か」として覚えていなかった。 デュレーションは「金利が動いたとき債券価格がどれだけ動くかの感応度」であり、CAPM は「そのリスクを負うなら最低これだけのリターンが要る、という要求水準」です。この一言が入っていれば、問題文の「金利が1%上昇したとき」という記述を見た瞬間に道具が決まります。

ここから、勉強のやり方をひとつ変えました。それが次に書く「覚える箱/考える箱」です。


この試験の攻略法|「覚える箱」と「考える箱」を最初に仕分ける

失敗4のあと、私は論点をノートの左右に分けて書くようにしました。

  • 左=覚える箱:考えても出てこない。覚えているかどうかがすべて。

  • 右=考える箱:覚えようとすると崩れる。理屈で再現できるようにする。

この仕分けをしてから、勉強効率が明確に上がりました。 理由は、それぞれで正しい勉強法がまったく違うからです。覚える箱を理解しようとすると時間が溶け、考える箱を暗記しようとすると応用で崩れる。私は両方を同時にやっていました。

仕分けの目安はこうです。

覚える箱
・該当する論点の例:職業倫理・行為基準(信任義務/忠実義務/注意義務)、会計基準の名称と処理、制度・用語の定義、財務指標の分子分母
・正しい潰し方:反復のみ。理解しようとしない。スキマ時間にアプリで回す

考える箱
・該当する論点の例:CAPM、ポートフォリオのリスク低減、デュレーション、DCF、オプションの損益図、マクロのグラフ
・正しい潰し方:「何を測る道具か」を一言で言えるまで詰める。手で導出してみる

実例を2つ挙げます。

職業倫理は「考える箱」ではありません。 ここは毎回悩む科目に見えて、実際には行為基準の結論が決まっている覚える箱です。「常識で考えれば分かる」と思って毎回考えていると、微妙な選択肢で必ず削られます。逆に、覚えてしまえば安定して取れます。

CAPM とデュレーションは「覚える箱」ではありません。 私が失敗したのがここです。公式暗記で乗り切ろうとして、応用問題で崩れました。「なぜその形の式になるのか」を一度でも自分で辿っておくと、係数がひとつ変わった問題でも動じなくなります。

経済のグラフは「覚える」のではなく「1本の因果で再現する」

もうひとつ、効果が大きかったのが経済(市場と経済の分析)の勉強法です。

最初は、グラフの動く方向を丸暗記していました。「金融緩和なら曲線が右に動く」というふうに。これは必ず混線します。 似た形のグラフが何枚もあり、どれがどっちに動くのか、試験の緊張下では絶対に思い出せません。

やり方を変えました。動く方向を覚えるのをやめて、1本の因果でその場で再現する。

「マネーが増える → 金利が下がる → 投資が増える → 総需要が増える」。この因果が一本通っていれば、グラフはその結果として描けます。覚える対象がグラフ(何枚もある)から因果(数本しかない)に減るので、記憶の負荷が劇的に下がりました。

経済は暗記科目ではなく、少数の因果を持っておく科目です。


試験の全体像

事実関係を整理します。

  • 受験資格第1次レベル講座の受講が必須(受講料6万円・2025年度水準)

  • 受験できる時期講座を受講した年度の「翌年度」の春試験から

  • 実施回数年2回(春=4月下旬ごろ/秋=9月下旬〜10月上旬ごろ)

  • 科目数3科目(科目Ⅰ・科目Ⅱ・科目Ⅲ)

  • 出題形式マークシート方式。科目Ⅰが最も長く、科目Ⅱ・科目Ⅲはそれより短い

  • 科目合格制あり。 科目ごとに受験・合格でき、合格実績は積み上がる

  • 受験有効期限原則3年。期限内に全科目そろわなければ再受講(合格実績は失効せず、期限が3年延長)

  • 合格率の目安:2026年4月実施の春試験は、受験者総数6,622名に対し合格者総数2,955名(44.6%

  • 全科目合格後:全科目合格の年から3年以内に第2次レベル講座を受講する必要あり

※試験日程・試験時間・受講料・出題数・合格基準・各種期限は年度によって変わります。必ず受験年度の日本証券アナリスト協会の公式案内で最新情報をご確認ください。

押さえてほしいのは2点です。

① 合格率は約44.6%。半分近くが落ちます。 「講座を受けた人だけが受験している」母集団でこの数字である点が重要です。まったくの初学者が混ざった試験の44%とは意味が違います。すでに一定の努力をしている人たちの中で、半分に入る必要がある。

② 年2回ある、というのが最大の武器です。 貸金業務取扱主任者や宅建のような年1回の試験と違い、CMAは戦略を組めます。 ここは次の章で詳しく書きます。


3科目の中身と、時間の置きどころ

この試験の攻略は、下の表を頭に入れた瞬間にほぼ決まります。

科目Ⅰ
・内容:証券分析とポートフォリオ・マネジメント
・ボリューム:最大。ここが主戦場
・対応する章:第1章・第2章・第3章

科目Ⅱ
・内容:財務分析/コーポレート・ファイナンス(配点割合の目安は概ね 3:1
・ボリューム:中
・対応する章:第4章

科目Ⅲ
・内容:市場と経済の分析/数量分析と確率・統計/職業倫理・行為基準(配点割合の目安は概ね 6:2:1
・ボリューム:中
・対応する章:第5章

※配点割合は協会が示す目安であり、年度によって変わります。必ず受験年度の公式スタディ・ガイドでご確認ください。

ここで一番見落とされているのが、科目Ⅲの中身です

多くの人が科目Ⅲを「経済」と呼びます。私もそう呼んでいました。

これが罠です。

科目Ⅲは経済だけではありません。上の表のとおり、「市場と経済の分析」「数量分析と確率・統計」「職業倫理・行為基準」の3本立てです。配点割合の目安が 6:2:1 ということは、経済以外が科目Ⅲの約3分の1を占めます。

数量分析と確率・統計で問われるのは、お金の時間価値、確率と統計の基礎、確率分布、推定と検定、回帰分析、微分と最適化といった範囲です。職業倫理では信任義務・忠実義務・注意義務といった行為基準が問われます。

そして冒頭の失敗3を思い出してください。この「数量分析と確率・統計」こそが、科目Ⅰ(証券分析)の土台です。

  • 分散・標準偏差・共分散・相関 → ポートフォリオのリスク計算そのもの

  • 回帰分析 → CAPM のβの正体

  • お金の時間価値(割引現在価値) → 債券価格・DCF の全部

つまり科目Ⅲの一部は、科目Ⅲのためだけでなく、科目Ⅰのために先にやるべき内容なのです。ここに気づかず「経済は暗記だから最後でいい」と後回しにすると、私と同じ遠回りをします。

時間配分の結論

科目Ⅰ(証券分析)
・対応章:第1章・第2章・第3章
・推奨する学習時間の配分:45〜55%

科目Ⅱ(財務分析)
・対応章:第4章
・推奨する学習時間の配分:20〜25%

科目Ⅲ(経済・数量分析・職業倫理)
・対応章:第5章
・推奨する学習時間の配分:25〜30%(うち数量分析は前倒しで消化


章構成と、各章の役割

ロードマップ
・内容:勉強法ロードマップ(この記事・無料)
・対応科目:―
・位置づけ:地図

第1章
・内容:証券分析①:リスク・リターンとポートフォリオ理論(CAPM)
・対応科目:科目Ⅰ
・位置づけ:主戦場の入り口。以降すべての土台

第2章
・内容:証券分析②:債券分析(利回り・デュレーション)
・対応科目:科目Ⅰ
・位置づけ:計算パターンが固定。最大の得点源

第3章
・内容:証券分析③:株式分析とデリバティブ(DCF・先物・オプション)
・対応科目:科目Ⅰ
・位置づけ:応用。第1〜2章があれば繋がる

第4章
・内容:財務分析:財務諸表分析と企業価値評価
・対応科目:科目Ⅱ
・位置づけ:第3章の株式評価と地続き

第5章
・内容:経済・数量分析と確率統計・職業倫理
・対応科目:科目Ⅲ
・位置づけ:数量分析パートだけ最初に前倒しする


学習ロードマップ(推奨順)|ここが他の教材と違うところ

結論から書きます。番号順に進めてはいけません。

正しい順番はこれです。

第5章の「数量分析」パートだけ先に → 第1章 → 第2章 → 第3章 → 第4章 → 第5章の残り(経済・職業倫理)

0
・やること:第5章のうち数量分析パートだけ(お金の時間価値・分散・共分散・相関・回帰分析)
・目安時間:15時間
・優先度:最高
・この順番にする理由:証券分析の部品。ここを飛ばすと第1〜3章で必ず往復が発生する

1
・やること:第1章 証券分析①(リスク・リターン/ポートフォリオ理論/CAPM)
・目安時間:35時間
・優先度:最高
・この順番にする理由:主戦場の入り口。βの意味が0で入れた分、速く進む

2
・やること:第2章 証券分析②(債券:利回り・デュレーション)
・目安時間:30時間
・優先度:最高
・この順番にする理由:計算パターンが固定。反復がそのまま点になる

3
・やること:第3章 証券分析③(株式・デリバティブ:DCF・先物・オプション)
・目安時間:30時間
・優先度:高
・この順番にする理由:第1〜2章の応用。ここまでで科目Ⅰが揃う

4
・やること:第4章 財務分析(財務諸表分析・企業価値評価)
・目安時間:35時間
・優先度:高
・この順番にする理由:第3章の株式評価と地続き。直後にやると理解が深い

5
・やること:第5章の残り 経済・職業倫理
・目安時間:25時間
・優先度:中(捨てない
・この順番にする理由:因果と暗記。直前期でも吸収できる


・やること:総復習(全科目シャッフル)
・目安時間:20時間
・優先度:—
・この順番にする理由:直前3〜4週。正答率が安定するまで反復

合計の目安:約190時間。 1日1時間なら約6か月、平日45分+週末3時間なら約5か月です。※学習時間は個人差が非常に大きいので、あくまで目安として使ってください。

なぜ「順番0」を作ったのか

繰り返しになりますが、ここが私の最大の後悔だからです。

証券分析のテキストは、統計の知識を「あるもの」として書かれている箇所があります。分散と共分散の意味が入っていない状態でポートフォリオ理論を読むと、リスク低減の効果が公式の丸暗記になります。βの正体が回帰分析の傾きだと知らないままCAPMを読むと、βはただの記号になります。

逆に、先に15時間だけ数量分析をやっておくと、第1章のポートフォリオ理論は「知っている道具の応用」として読めます。15時間の先行投資で、第1〜3章の合計95時間の密度が変わる。 これが一番リターンの大きい判断でした。

ただし注意点があります。順番0では、数量分析を「全部」やらないでください。 推定・検定や微分・最適化まで最初に完璧にやろうとすると、そこで力尽きます。順番0でやるのは、証券分析の部品になる部分(お金の時間価値・分散・標準偏差・共分散・相関・回帰分析の考え方)だけです。残りは順番5でまとめて回収します。

なぜ第2章(債券)を早い位置に置くのか

この試験でいちばん確実に点になる場所だからです。債券の利回り計算とデュレーションは、問われ方が安定していて、パターン演習がそのまま点に変わります。 早く着手して、試験日まで何度も回してください。ここを得点源として計算できると、精神的にかなり楽になります。

なぜ第4章(財務分析)を第3章の直後に置くのか

第3章で扱うDCFによる株式評価と、第4章の企業価値評価は同じ話を別の角度から見ています。 続けてやると「同じことを言っている」と気づく瞬間があり、両方いっぺんに腹落ちします。間を空けると、この繋がりが見えません。


CMA固有の戦略|年2回・科目合格制をどう使うか

ここは、年1回勝負の試験にはない、CMAだけの論点です。

第1次は科目ごとに合格が積み上がり、受験有効期限は原則3年。この間に春・秋の試験が複数回あります。つまり受け方そのものを設計できるということです。

主な選択肢は3つです。

A:一括(1回で3科目)
・内容:春(または秋)に3科目まとめて受験
・向いている人:学習時間をまとまって確保できる/期限に余裕がない/受験料と手間を最小化したい

B:2回に分割(2+1)
・内容:1回目に科目Ⅱ・科目Ⅲ、2回目に科目Ⅰ
・向いている人:平日にまとまった時間が取れない社会人。もっとも現実的

C:3回に分割(1+1+1)
・内容:毎回1科目ずつ
・向いている人:業務が繁忙/確実に1科目ずつ潰したい。ただし3年の期限に注意

私はA(一括)を選びました。 理由は、6万円の講座費用と受験料を先払いしている以上、受験回数が増えるほど金銭的にも精神的にも重くなるからです。「1回で通す」と決めてから逆算したほうが、結果的に計画が締まりました。

ただし、これは万人向けではありません。平日にまとまった時間が取れないなら、B(2+1)が現実的です。 その場合の組み方は次のとおりです。

  • 1回目に科目Ⅱ(財務分析)+科目Ⅲ(経済・数量分析・職業倫理) を受ける

  • 2回目に科目Ⅰ(証券分析) を受ける

この順にする理由は明確で、科目Ⅲの数量分析は科目Ⅰの土台だからです。先に科目Ⅲを仕上げておけば、その知識がそのまま次の科目Ⅰの準備になります。逆に「重い科目Ⅰを先に片づける」やり方は、土台なしで最難関に挑むことになり、私が失敗3でやった遠回りをそのまま制度に埋め込む形になります。

分割を選ぶ場合の唯一の注意点は、3年の受験有効期限です。 「今回は忙しいから見送る」を繰り返すと、あっという間に期限が来ます。分割戦略は「怠ける口実」ではなく「締切を刻む道具」として使ってください。


捨ててはいけないところ|職業倫理と数量分析

多くの独学者が、科目Ⅲの「経済以外」を最後に回し、そのまま手をつけずに本番を迎えます。これがいちばんもったいない判断です。

職業倫理・行為基準は、時間あたりの得点効率が全範囲で最も高い

配点割合の目安は科目Ⅲの中で最小です。だから軽視されます。

しかし前述のとおり、ここは純粋な「覚える箱」です。 信任義務・忠実義務・注意義務といった行為基準は、結論が決まっています。考える必要がなく、覚えれば取れる。しかも範囲が狭い。

数時間で、ほぼ確実に取れる状態になります。 証券分析の細かい論点を1つ潰すのと同じ時間で、こちらは複数問が安定します。1時間あたりの得点効率で言えば、ここが全範囲で最も良い。 捨てる理由がありません。

数量分析は「捨てる」と科目Ⅰまで巻き添えになる

こちらはさらに深刻です。数量分析を捨てると、科目Ⅲの配点を失うだけでなく、科目Ⅰの理解が最後まで浅いままになります。損失が1科目に留まりません。

捨てていいものは、この試験にはほぼありません。 削るべきは「範囲」ではなく「深さ」です。数量分析を統計学の講義レベルまで掘るのは無駄ですが、証券分析の部品になる部分に触れないのは、単純に点を捨てています。


数字系の科目は「過去問を読む」では伸びない

これは強調しておきたい点です。

過去問演習は必須です。ただし、やり方を間違えると時間だけが溶けます。

私がやっていた間違いは、過去問を「読んで、解説を納得して、次に行く」でした。効率が良いと思っていました。1日で10問進みます。理解もできています。

本番で手が止まりました。

読んで納得した状態と、白紙から自力で数字を出せる状態は、まったく別物です。特にこの試験は電卓を使う計算問題が中心なので、「解ける」の定義が「手が動く」になります。目で追っただけの解法は、緊張下では再現できません。

やり方を変えました。

違う過去問を5問読むより、同じ論点を数字だけ変えて5回解く。

地味です。同じ問題をもう一度解くのは、進んでいる感じがしないので苦痛です。しかし、これが一番効きました。デュレーションの計算を数字を変えて5回やると、6回目には手順を考えずに手が動きます。この状態になって初めて、本番で使えます。

そしてもう1つ。公式を「文字列」ではなく「何を測る道具か」で覚え直してください。 失敗4で書いたとおり、公式のリストが頭にあっても、問題文とリストが結びつかなければ1点にもなりません。

  • デュレーション:金利が動いたとき、債券価格がどれだけ動くかの感応度

  • CAPM:そのリスクを負うなら、最低これだけのリターンが要るという要求水準

  • β:市場全体が1動いたとき、その銘柄がどれだけ動くかの傾き(回帰分析の傾き)

  • DCF:将来のキャッシュフローを、今の価値に引き直す装置

この一言が入っていると、問題文の「金利が1%上昇したとき」「市場が10%下落したとき」という記述を見た瞬間に道具が決まります。判断に迷う時間がゼロになるのは、時間制限のある試験で決定的な差になります。


働きながらやるための、現実的な回し方

社会人受験生の最大の敗因は、「机に向かう時間」を前提に計画を立ててしまうことです。「毎晩2時間」という計画は、たいてい3日で崩れます。

前提を逆にしてください。机には向かえない。それでも進む形を作る。

ただしCMAには固有の制約があります。電卓を使う計算問題が中心なので、完全にスマホだけでは完結しません。 そこで役割を分けます。

平日|アウトプットと「覚える箱」(15〜30分×2〜3回)

通勤(行き)
・やること:アプリで前日の復習(苦手だけ解く)
・目安:10〜15問

昼休み
・やること:アプリで新しい論点の問題/職業倫理・用語などの「覚える箱」を回す
・目安:10〜20問

通勤(帰り)
・やること:間違えた論点だけ教科書パートを読む
・目安:1〜2論点

ポイントは、平日のノルマを「アプリで20問解く」まで下げておくことです。疲れている日でもこれなら開けます。「今日は教科書を10ページ読む」というノルマは、残業した日に必ず飛びます。

平日は「覚える箱」を回す時間と割り切るのが効率的です。職業倫理、用語の定義、財務指標の分子分母。これらはスマホと相性が良く、電卓も紙も要りません。

週末|インプットと「考える箱」(2〜3時間)

週末は、電卓と紙が必要な作業に充てます。新しい章の読み込み、計算問題を手で解く、導出を自分で辿ってみる。平日に間違えた論点をまとめて読み直すのもここです。

週末に理解と計算、平日に反復と暗記。 この役割分担にすると、崩れにくくなります。

5〜6か月の月次スケジュール(例)

春試験(4月下旬ごろ)を目標に、11月スタートで約6か月のモデルです。

第1〜3週
・やること:順番0:数量分析パート(お金の時間価値・分散・共分散・相関・回帰)
・主な狙い:証券分析の部品を先に揃える。ここは急がない

第4〜9週
・やること:第1章 証券分析①(ポートフォリオ理論・CAPM)
・主な狙い:βの意味が入った状態で読むので速い

第10〜14週
・やること:第2章 証券分析②(債券)
・主な狙い:計算を毎日触る。得点源に育てる

第15〜19週
・やること:第3章 証券分析③(株式・デリバティブ)
・主な狙い:ここで科目Ⅰが揃う

第20週
・やること:第1〜3章だけ横断で復習
・主な狙い:科目Ⅰを一度完成させる

第21〜25週
・やること:第4章 財務分析
・主な狙い:第3章の株式評価との繋がりを意識

第26〜29週
・やること:第5章の残り 経済・職業倫理
・主な狙い:因果で再現する練習+倫理は反復のみ

第30〜33週
・やること:直前3〜4週の横断演習(全科目シャッフル → 苦手だけ → 2日おき)
・主な狙い:弱点だけに時間を集中投下

※直前期を3〜4週確保する前提です。逆算して、第5章を試験の1か月前までに終わらせるのが目標になります。ここが遅れると横断演習の時間が消えます。

4か月しか取れない場合

第20週の横断復習を1週から3〜4日に圧縮し、第3章と第4章を1週ずつ短縮してください。削ってはいけないのは順番0の3週間と、直前期の3週間です。順番0を削ると、後半すべての効率が落ちて、結局トータルでは遅くなります。


直前期(試験3〜4週間前〜)の回し方

この段階では、新しいインプットを増やしません。 学習の性質を切り替えます。

ステップ1:全科目シャッフルで1周(4〜5日)

章ごとに解くのをやめて、第1章〜第5章を混ぜてランダムに解きます。 章単位で解くと「今は債券の話だ」という文脈がヒントになり、実力より高い正答率が出ます。本番の問題用紙に章名は書いてありません。シャッフルで解いて初めて、本当の弱点が見えます。

本教材の問題集アプリは全科目合計1,000問(第1章〜第5章の各章200問ずつ)。まずこれを一巡してください。

ステップ2:間違えた問題だけを抽出(ここが本番)

1周して間違えた問題・迷った問題だけをリスト化します。ここでやりがちな失敗が「全体をもう1周する」こと。すでに解ける問題を解き直しても、点は1点も増えません。

やるべきは、間違えた問題の"論点"を教科書に戻って読み直すことだけです。答えを覚えるのではなく論点を理解する。だから戻る先は「その問題の解説」ではなく「教科書の該当セクション」です。

ステップ3:弱点リストを2日おきに回す(最後の1週間)

抽出した弱点だけを2日おきに繰り返します。翌日に回すと短期記憶で正解してしまい、リストから消えたのに本番で落とす、ということが起きます。2日空けるのがコツです。

回すたびにリストは短くなり、リストがゼロになったら合格ラインの手応えが出ます。 縮まないまま試験日が近づいたら、ボリュームの大きい科目Ⅰから優先的に潰してください。

ステップ4:計算の"手"を鈍らせない(毎日)

これはCMAでは特に重要です。債券の利回り、デュレーション、現在価値、財務指標。この手の計算は毎日1問でいいので必ず電卓を叩いてください。 数日空けると、本番で確実に手が止まります。読むだけの復習では代替できません。

直前期にやらないこと

  • 新しい教材に手を出す(不安からの浮気は確実に点を下げます)

  • 数量分析を統計学として掘り下げる(試験に出る範囲を超えています)

  • 徹夜(マークシートを最後まで集中して読み切る体力のほうが大事)


満員電車でも、スマホで1問

働きながらの独学でいちばん難しいのは、理解することではありません。時間をつくることです。

正直に書くと、私はまとまった勉強時間をつくることに、一度も成功しませんでした。夜は削れないし、土日は家族の時間です。だから途中で考え方を変えました。時間をつくるのをやめて、すでにある細切れの時間に押し込む。

使っていたのは、この4つだけです。

  • 通勤の電車(往復で1時間弱)

  • 昼休みの後半(食べ終わってからの15〜20分)

  • 夜、寝る前の30分(体力が残っていれば)

  • ちょっとした待ち時間(5分、10分)

ただし、この時間に分厚いテキストは向きません。満員電車で参考書を開き、前回どこまで読んだか探して、5行読んだところで駅に着く。これを繰り返しても何も残りません。最初にこれをやって、失敗しました。

スキマ時間に耐えられるのは、1問解いて、その場で答え合わせができるものだけです。

だから、この教材の問題集はすべてスマホアプリにしました。ダウンロードするPDFではありません。片手で、吊り革につかまったまま解けます。

  • タップするだけで自動採点。その場で解説が出ます

  • 間違えた問題だけをもう一度回せます

  • 苦手な問題は端末に記録されるので、「苦手だけ解く」ができます

  • ホーム画面に追加すれば、アプリのように全画面で開きます

  • 途中でやめても次に開いたとき続きから再開できます(1駅ぶんで中断してOK)

🎯 買う前に、15問だけ無料で試せます

実際の画面をそのまま触れる体験版を置きました。登録もダウンロードも不要、リンクを開くだけです。

体験版を解いてみる(15問・無料)

📲 ホーム画面に置くと、アプリとして開けます

ブラウザで開いたままだと、毎回リンクを探すことになります。ホーム画面に追加すると、アドレスバーが消えて全画面になり、次からはアイコンをタップするだけで開けます。所要10秒です。

iPhone(Safari)

  1. 上のリンクを Safari で開く(LINEやXの内蔵ブラウザで開いた場合は、右下などの「Safariで開く」を先に押してください)

  2. 画面下の共有ボタン(□から↑が出ているマーク)をタップ

  3. メニューを下にスクロールして 「ホーム画面に追加」

  4. 右上の 「追加」

Android(Chrome)

  1. 上のリンクを Chrome で開く

  2. 右上の (3点メニュー)をタップ

  3. 「ホーム画面に追加」(端末によっては「アプリをインストール」)

  4. 「追加」→「追加」

追加すると、通勤中にホーム画面から1タップで前回の続きから始められます。オフラインでも一度開いた問題は解けます。

💡 うまくいかないときは、アプリの中にある 「📖 使い方」 を開いてください。画面つきの手順が入っています。

本番アプリと画面も機能もまったく同じで、問題数だけ15問に絞ってあります(本番は全1,000問)。まず使い勝手だけ確かめてください。いまスマホで読んでいるなら、そのまま開けます。


教材の使い分け

教材は3層構造です。それぞれ役割が違うので、重複して買う必要はありません。

1. この記事(無料)|地図

勉強の順番と時間配分。迷ったらここに戻ってきてください。

2. 各章の有料note(教科書+ドリル)|理解

第1章〜第5章それぞれに1本ずつ、教科書パート+ドリル(問題+解答解説)をセットにしたnoteを用意しています。各800円で、その章50問のスマホ問題集アプリが付属します。読んで理解する層です。

第1章・第2章だけ単品で買う使い方でも構いません(ボリュームを考えると、それが一番コスパは良いです)。

3. 問題集アプリ|アウトプット

全科目1,000問(第1章〜第5章の各章200問)を、スマホで自動採点で回せるアプリです。全問に解説がついています。買い切りなので追加課金はありません。

科目選択・全科目シャッフル・苦手だけ解くの3モードで回せるので、直前期の「弱点だけ回す」運用にそのまま使えます。

なお、この全科目アプリに入っている1,000問は、各章note(各800円)に付属する各200問のアプリと同じ問題です。新問は入っていません。第1章〜第5章をすべてお持ちの方が、問題を新しく手に入れる目的で買う必要はありません(詳細はリンク先の無料パートに書いてあります)。

おすすめの組み合わせ

  • とにかく最短で受かりたい:全科目アプリ + 第1章・第2章のnoteだけ単品購入

  • 統計・ファイナンスが初めてで、ゼロから理解したい:まとめ買いマガジン(全章+全科目アプリ)

  • 隙間時間しか取れない:全科目アプリ中心 + 間違えた論点だけnoteで確認

  • 協会テキストは読めているので、演習だけ足したい:全科目アプリのみ

⚠️ 受験資格・講座受講料・試験日程・試験時間・出題範囲・配点割合・合格基準・受験有効期限などは、年度によって変わることがあります。学習にあたっては必ず受験年度の日本証券アナリスト協会の公式案内および最新のスタディ・ガイドをご確認ください。 本教材は学習の理解を助ける補助教材であり、合格を保証するものではありません。


最後に|取ってみて、一番効いたこと

正直なところを書きます。

試験勉強で覚えた個別の知識より、「CMAを持っている」と言えること自体のほうが、実務では効きました。

身も蓋もない話に聞こえるかもしれません。でもこれは、資格の価値をきちんと言い当てていると思っています。

CMAは、金融の世界で説明不要で通じる数少ない看板のひとつです。プロフィールの1行目に書けるかどうかで、初対面の相手が話を聞く姿勢が変わります。資料に対する信頼のかかり方が変わります。知識そのものより、知識があると信じてもらえる状態のほうが、実務では効く場面が多い。

もちろん、中身が空っぽなら看板は持ちません。だから勉強はする。ただ、「この論点は実務で使うだろうか」と考えて手が止まりそうになったら、その問いは一旦置いてください。 使うかどうかは、受かってから決まります。

まずは順番0、数量分析の土台から始めてください。 ここに3週間投じられるかどうかで、残り5か月の密度が決まります。私はここを飛ばして遠回りしました。同じ道を通る必要はありません。

📗 全部そろえるなら、まとめ買いマガジンが最安です

全5章の記事(各800円)と全科目1,000問アプリ(2,000円)を単品で揃えると 合計6,000円
まとめ買いマガジンなら 3,000円(約50%オフ) で、収録記事すべてを読めます。

  • 後から記事を追加しても、追加料金なしで読めます(改訂・章の追加も込み)

  • 値上げしても、購入済みの方は据え置きです

→ まとめ買いマガジン(買い切り・3,000円):https://note.com/n_akane0909/m/mcb6f8708d7b8

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※この記事は全文無料です。

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