荒技ショートショート_ 極秘
水を飲む。
昔、体育の授業とか、クラブ活動とか。そういう時に、「なるべく水を飲むな」と教えられた。
「水を飲むとバテる」
ザ・昭和の、根性論だ。
だから、すべてが終わった後、水道の蛇口に、我先にと走った。
だいたいは、その勝負には勝ったが。
水で満腹になるまで蛇口を放さなかった。
悪ガキだったけれど、水の有り難さはわかっていた。
「コジ、もういいだろ?」
背中を引っ張られても放さなかった蛇口。
仲間達の、困り顔。
今でも夏の日の校庭を見ると、みんなの困り顔が浮かんでくる。
そんな日曜日の夕方に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、毎週木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「水を飲む」からはじめるnoteを自由に書いてみませんか?
ジャンルは小説・詩歌・エッセイなど何でもOK。はじめてnoteを書く人も自己紹介の代わりとしてお気軽に!ということで。
そして、田原にかさんからのお題は…。
お題が【半導体大仏】ということで。
また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は…。
「私を形作った三大◯◯」です。
今回のお題は期限なし、と のことで。
今回は、これを登場人物の言葉として文中で使ってみよう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、「荒技師」だなんて、あんまりおおっぴらに言わないほうがいいよ。
うむ……。そうだな。
3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。ほんとうに励みになる。
また、今回は、ハルノツキさんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。
「シロクマ文芸部・水を飲む」で検索して飛んで来ました。
コメント欄に、シロクマ感想文を、ほんの少し書かせて頂きます。
昔から犬が好きで。最近の言葉で言うと、犬派です。でも、猫も好きです。
犬は散歩に連れて行かないといけないと言います。私としてはそれは億劫ではないのですが、家内は面倒くさいと言います。
長男は、我が家で犬を飼いたいと言いますが、既に独立しており、我が家には住んでいないので発言が無責任です。
夏の、犬の散歩。
犬は、美味しそうに水を飲む姿を横目に見つつ、首筋に汗が滴る。
犬は家族ですよね。
同じ夏を生きる家族。
そんな優しさが、この短歌から伝わってきました。
今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんの青ブラ文学部のお題。3ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文と、全部で4重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
そうだ、今週は4重の荒技だ。
うむ。
これで何週間だろうか。とうとう3年8ヶ月に突入した。
まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟いた。
まるで、悪ガキそのものだな。
まあな。
なんのはなしですか。

さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「ショートショート_ 極秘」約410字を、どうぞ。

水を飲む音が、まるで、中庭に響くようだった。
喉を潤し終わると財前は言った。
「私を形作った三大天才は…ダビンチ、エジソン、アインシュタインだけれど」
一息置き、スマートウォッチをなぜながら付け加えた。
「博士は、別格だ」
悪の組織は密かにカルト似非仏教集団を立ち上げていて。巨大モニュメントの建造を発表していた。
「彼らは物理的に人を操ろうとしている」
財前は、いつになく拳を握った。
泉は静かに聞いていたが、涼が口を開いた。
「対抗策、発明したんだな?」
財前はニヤリとして、人差し指を口に当てて小声で言った。
「最終形の手前の手前までね」
財前の目標は、博士と同じく世界中の武器を無力化することである。
今、ピンポイントで無力化することまでは可能になったという。
だが。
財前は現状すら、武器になりかねないということも承知している。
効果が限定的である限りは、その力は使う人の意識に委ねられてしまう。
3人が空を見上げると、空は茜色に染まっていた。

《余滴》
さて。今週の荒技の解説です。特に、「毎週ショートショートnote」のお題の。
ショートショートnoteカードゲームでは、お題の言葉そのものを入れ込まないで匂わせるのを流儀としています。
私としては。
小牧幸助さんの書き出しのお題や、山根あきらさんの青ブラ文学部のお題、私が水曜日に書いている「三題噺」の三つのお題は、その言葉そのものをストレートに文章やタイトルに入れ込むのですが、田原にかさんのお題は、なるべく言葉そのものは入れ込まず、“匂わせる”という流儀に沿い、なるべくそうしていっている“つもり”なんです。
しかし一方で、私のこの「荒技」にお題を探し続ける人もいらっしゃいまして。
田原にかさんのお題については、お節介な解説を入れてみようと思います。
ですが。
この解説についての一切の苦情は受け付けません。なぜならば、これこそが、「荒技」だからです。笑
◆お題【半導体大仏】の匂わせ度について→
似非仏教の巨大モニュメントは、巨大な大仏です。大仏は本来はモニュメントではないはずですが。秋の組織にとってはそうなのでしょう。その大仏はしかも、物理的に何やら怪しい電波などをそこから発して人を操ろうとしているようです。当然中身は、半導体、基盤だらけのはずです。このようなものは許し難い暴挙ですが。財前の発明によって無力化が可能なようです。
◆山根あきらさんのお題= 「私を形作った三大◯◯」について。
財前なら誰を挙げるだろうと考えた結果、
・レオナルド・ダ・ヴィンチ(発想力)
・トーマス・エジソン(発明力)
・アルベルト・アインシュタイン(論理力)
の、大天才三人になりました。
ただ。財前にとって本当に特別なのは博士(失踪した泉の父)です。歴史上の偉人への憧れと、実際に人生へ影響を与えた人物。その両方を入れてみました。
また、「半導体大仏」というお題からは、科学や技術そのものを神格化するイメージを連想しました。同じ科学でも、人を支配するために使う者と、人を守るために使おうとする者がいる。博士と財前は、人間の意思として根底に全ての生きとし生けるものの「平和」と「安寧」があります。
決して性悪説に立つわけではないけれど。人は弱い存在であることを前提として、科学を独善的な正義に委ね放置するような立場は決して取りません。だからこそ、現段階では“極秘”なのです。
今回はそんな財前の“信念”を描いてみたつもりです。
解説はここまでです。
何ですと?わからない?理解できない?しっくり来ない?
当然です。全部“荒技”ですから。笑
ちなみに今回のカバー画像は、「秘」で検索して選びました。
それにしても荒技。やはり難しいです。時間もかかりますし。苦行です。笑
荒技師への道は、まだまだ遠く彼方にあり。欠片も見えてきません。
そんなこんなを家内と語らおうとしてソファーに目をやると、家内が脚を指さしてニッコリと笑っていた。
「コジくん、なんか昼寝疲れしたから、マッサー(注1)やって眠気を私にもたらしてね。熟睡できるように、ね」
「…」
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。

