合格点を出す
判断の途中10
仕事をしていると、どうしてもミスは起きる。
頭では分かっている。誰でもミスはするし、それをゼロにすることはできない。それでも、自分が関わったことで何かがうまくいかなかったとき、しばらく引きずってしまうことがある。
あの時こうしていればよかったのではないか。
もう少し確認していれば防げたのではないか。
そんなことを考え続けて、気がつくとその出来事の中にまだいる。
振り返ること自体は悪くないと思っている。むしろ、同じことを繰り返さないためには必要なプロセスだ。ただ、それが長くなりすぎると、次に進むためのエネルギーまで持っていかれてしまう。
最近になって、少しだけ見方が変わってきた。
ミスそのものよりも、その後の扱い方こそが重要なのではないか、と。
すべてのミスを同じ重さで扱っていたから、しんどくなっていたのかもしれない。仕組みに残すべきものもあれば、その場で終わらせていいものもある。本来は分けて考えるべきものを、全部同じ箱に入れていた。
そしてもう一つ、気づいたことがある。
自分に対してだけ、基準が厳しすぎるということだ。
他の人が同じことをしたら、「次気をつければ大丈夫」と言えるのに、自分に対してはなかなかそう思えない。どこかで「ちゃんとできていて当たり前」という前提を置いてしまっている。
でも実際には、すべてを完璧にこなすことはできない。
むしろ、ある程度の揺らぎを前提にしないと、仕組みはうまく回らない。そう考えると、自分だけを例外にする理由はないはずだ。
最近は、ひとつだけ意識していることがある。
「今回はここまでで良しとする」と決めることだ。
反省すべき点は整理する。ただ、それ以上は追いかけない。必要な分だけ見て、あとは手放す。そうしないと、次に進むことができない。
完璧にできなかったとしても、その時点で出せた最善はあったはずだ。そこに対して、いったん合格点を出す。
それは甘さではなく、次に進むための区切りなのだと思う。
ミスをなくすことよりも、ミスの後にどう立ち直るか。その方が、長い目で見ると大事なのかもしれない。
最近は、そんなことを考えている。
