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「たかが集合写真」を発信の核に変える。広報&カメラマンが大切にしている撮影の「狙い」と「設計」

こんにちは。

企業の広報やライター、カメラマンをしている砂流(すながれ)です。

この記事は、#PRFunho Advent Calendar 2025の2日目の記事として書いています。
https://adventar.org/calendars/11799

僕は、宇宙ベンチャー「天地人」や国内最大規模のスタートアップカンファレンス「IVS」の広報責任者をやりながら、カメラマンとしても活動をしています。

2025年は、再集結をしたRIP SLYME(リップスライム)のフェスやライブツアーに帯同させてもらっているのを中心に、アーティストさんのライブ写真を撮らせてもらっています。

サマソニのMIDNIGHT SONICでTERIYAKI BOYZ®を撮影。↑クリックするとリンクに飛びます

10月 / 11月を振り返ってみると、3万枚くらい写真を撮影していました(日本人の年間の平均撮影枚数は約3000枚らしいです)。おそらく、僕以上に写真を撮っている広報 / PRパーソンはいないはず、というレベルには写真を撮っている自負はあります。

そんな僕から、ここで、皆さんにちょっと聞いてみたい質問があります。


「画作り」にこだわっていますか?


広報 / PRパーソンといえば「誰に、何を、どう伝えるか」のエキスパートですよね。皆さん、日々、伝え方のウデを磨かれていると思います。でも、ちょっと待ってください。

テレビ、Web、雑誌などでは、視覚的な要素がより良い情報伝達の鍵を握っています。テレビでは魅力的な素材がなければ、取材が実現しないこともありますし、Webでも一枚の写真が記事の印象を変えることもあります。

そもそも写真って文章よりも動画よりも瞬間的に理解できるものだし、文章よりも動画よりも瞬間的に情緒を感じられるものです。そういった点でも広報 / PRパーソンとしては、本来押さえておいたほうが良いものだと思っています。

でも、この大切な部分をけっこう人任せにしていませんか?


人任せにしているにも関わらず、「インタビュー写真がイマイチ」「プロに頼んだのに使いづらい」なんて思ったことありませんか?

そこで提案です。自分でやっちゃいませんか? もしくは、きちんとディレクションしませんか?

とは言っても、いきなりは難しいですよね。ということで、集合写真をちゃんと撮ることから始めるのはどうでしょう、というのが今回の記事のテーマになります!

集合写真って、「記念写真じゃん」と思われている方もきっと多いと思うのですが、もし、そうだとしたらめちゃくちゃ勿体ないです!

一枚の集合写真が、会社の雰囲気やカルチャー、熱量を伝える切り札にもなりえますし、数年間の採用活動に影響を及ぼすこともあるんです!

天地人やIVSでは、実際にたった一枚の集合写真が大きな影響力を持って広がっています。

この記事では、「たかが集合写真」がきちんと撮れば記念写真以上の効力を発揮することをお伝えしながら、集合写真の大切さと撮影方法について解説をしていきます。


天地人の集合写真はスタジオ撮影

天地人で撮った集合写真

まずはこちらの写真をご覧ください。

いい写真でしょ〜?

こちらは、天地人で2024年8月にプレスリリースをした「経営体制の強化」に合わせて撮った集合写真です。

天地人は海外在住のメンバーも多いため全員集合ではないのですが、スタジオを3時間だけ借りてみんなで撮影をしたものです。当日は、初めてフォトスタジオに入る人も多く、多くのメンバーが楽しみにスタジオに集合してくれたことを今でも覚えています。

この写真は、「経営体制の強化」という節目に相応しいアイキャッチを用意することを起点に、「どうせだったら天地人のカルチャーを表すものが良いよね」「その後の採用にも使えるものが良いよね」「せっかくだったら長く使える一枚にしたいよね」みたいなことを考えて、スタジオ撮影を提案しました。

普通、こういう写真にわざわざスタジオを借りることはないと思います。でも、僕がカメラマンということと、長く使われることが分かっているから(使おうと思っている)こそ、お願いをしました。

予算はスタジオ代だけなので数万円程度。高そうに見えますが、スタートアップでも出せなくはない金額感です。

おかげさまでこの写真は、テレビ取材をはじめとしたメディア取材でも何度もご使用いただいていますし、採用活動でも活用していますし、いろんな場面で1年以上経った今でも活躍している写真になっています。

数万円で撮った集合写真が、メディアや採用活動など色々な場面で使われることで、何十倍もの付加価値を出しているわけです。

また、上記の写真は天地人が初めて個人投資家の皆さんから出資いただいた時(2022年)に個人投資家の皆さんとCEOの櫻庭さん、CSTOの百束さんを一緒に撮ったものです。

↑まだまだプレスリリースには写真があります。

これは、CEOの櫻庭さんから「こういう写真を撮りたい」というリクエストをもらって、撮ったものです。限られた時間で着替えから複数箇所での撮影をスムーズに行えるように、事前にロケハンにも行って詳細を詰めて撮影をしました。

当時の天地人のカルチャーや姿勢、個人投資家との関係がよく分かる一枚になっていると思います。おかげさまでこのプレスリリースはPR TIMES上でのPVもよく、宇宙業界以外でも話題に上がることが多く、付加価値の高い集合写真になりました。

このように集合写真1枚で、企業の雰囲気やカルチャーを伝えることはできるし、文章で長々書くよりも写真1枚で仲の良さを伝えることなども可能です。

ちなみに、上記の宇宙っぽいスタジオは「SF レンタルスタジオ」で検索すると出てくるスタジオです。元々、バウンシーという動画メディアで動画記事を作る時に僕自身が使用していました。自腹で借りていたので、正直赤字になっちゃうのですが、当時はスタジオを借りてレビューをする人は皆無だったので差別化のためにやっていました。余談にはなりますが、他よりクオリティを上げるというのも広報 / PRパーソンにとっても大切ですよね。

余談の余談ですが、Suchmosの "STAY TUNE"  のMVでもこのスタジオが使われています。


IVSの集合写真は気合と「設計」で撮っている

IVS2025の集合写真

こちらは、IVS2025の集合写真です。

僕はIVSで広報の責任者をしていますが、当日はカメラマンとカメラマンの仕切りも担当しています。そんな僕が、もっとも気合を入れて臨むのが、スタッフが全員集まる集合写真です。

その理由は、IVSの写真で一番使われているのが「集合写真」だから。国内最大規模のスタートアップカンファレンス「IVS」は、3日間の開催で1万人以上が集まります。その参加者に実利を持って帰ってもらうために、スタッフは100人以上で臨んでいます。

そのスタッフの皆さんがSNS上で使用する写真が「集合写真」なんです。

だからこそ、単なる思い出写真にするのではなくて、その瞬間の熱狂を凝縮しないといけないんですね。

IVSの集合写真撮影は、前日の閉会後から始まります。閉会後の締め作業がひと段落した段階で、現場監督たちと、撮影位置を話し合うロケハンを開催しています。この段階で、どのような構図で、どこに何人くらいを集めてどう撮るかをシミュレーションをします。立ち位置を決めて、場合によってはロープなどで事前に区切っておいて入念に用意をしてから本番に臨みます。

これをやっておかないと、参加者的にはどこにいていいかわからないからグダグダになりやすいし、完璧に左右対称になる写真を不可能なんですね。特に100人を超える規模だと、これぐらい準備をしても写真を撮るのに20分以上かかるので、本当に毎回大変な思いをしながら撮っています(自分は映ることないのにw)。

IVS2024の集合写真の様子。撮影をしているのはカメラマンの延原さん。ちゃんと左右対称になるように考えています。

さらに、スタートアップの登竜門と呼ばれているピッチコンテスト「IVS LAUNCHPAD」の写真撮影においても、舞台監督たちと事前にリハーサルを重ねています。

IVS2025 LAUNCHPAD。カメラマンの延原さんと一緒にディレクションをして延原さん撮影
LAUNCHPAD SEED 2025。カメラマンの延原さんと一緒にディレクションをして延原さん撮影

ピッチコンテストは、登壇者からすると人生を賭けた戦いでもあります。また、受賞されたスタートアップの皆さんは資料に写真を使用されるケースも多いです。

それが分かっているので、気合を入れて撮りますし、カッコ良い写真を撮るために集合写真や受賞写真の立ち位置を入念に考えています。

左から京都府 西脇知事、Headline Japan 島川、京都市 松井市長

IVSに関して、最後にもう1枚写真を紹介します。

この写真は、京都府・京都市・IVSで実施をしたIVS2025開催に関する共同記者会見の時の集合写真です。京都府の西脇知事、京都市の松井市長と一緒にIVS代表の島川さん(トシさん)が一緒に写っています。

後ろでとんでもない存在感を放っているのは東映さんからお借りしている金屏風です。そこに京都府・京都市・IVSの家紋風なロゴを配置しています。

この写真も、もちろん狙って「画作り」をしています。

会見場所は京都府さんの会議室なのですが、会議室には見えないし、IVSを知っている人も知らない人も「なんだかIVSは凄いっぽい」と感じてもらえるのではないかと思います。

メディアで記事になっている写真も、記者さんがこの屏風を背景に写真を撮られることもポイントです(照明を持っていって、明るく照らすなどの工夫もしています)。

写真を撮る時は一瞬なので、こういう裏の状況って分かりにくいですが、実際はかなり考えて写真を撮っているし、ディレクションをしているんですね。

だからこそ、広報 / PRパーソンはディレクションをちゃんとしたほうがいいと思うんです。

僕みたいにカメラマンを兼務している広報 / PRパーソンは、自分が写真を使うからこそ「欲しい画」が分かります。でも、カメラマンがどれだけプロであってもその写真を使う側ではないので「欲しい画」に関しては、実際のところ分からないことが多いです。

この差を埋めるために、カメラマンにはきちんとディレクションをしてあげるべきだと思います。また、ご自身で写真を撮る場合は、上記のようにしっかり画作りを想像して、準備をして、本番に臨むことが大切です。

では、ここからは集合写真で僕が大切にしているポイントを簡潔にお伝えをしていきます。

集合写真の3つのポイント

IV S2023の集合写真。カメラマンの延原さんと一緒にディレクションをして延原さん撮影

天地人やIVSでの実践を通じて、僕が大切にしているのは、以下の3つのポイントです。

ポイント1:明確な「狙い」を持つ

まずは、

「この写真で、何を伝えたいのか」。

天地人でスタジオ撮影をごり押ししたのは、「経営体制の強化」という節目にふさわしく、かつ天地人のカルチャーを表現し、採用活動にも使える写真が必要だったから。IVSで前日のロケハンに時間をかけるのは、「スタートアップの熱狂」を一枚に凝縮する必要があるからです。

撮影前に「この写真で、何を伝えたいのか」を明確にすることで、狙いが定まって「ただなんとなく撮った集合写真」とは一線を画するものに仕上がります。

あと、

「この写真、(他の)どこで使えるかな」

と考えるのもおすすめです。

そして、この「狙い」をカメラマンにきちんと共有しましょう。僕自身もイベント写真の依頼を受けるので実体験でもありますが、多くの広報 / PRパーソンは「笑顔な感じで」とか「いい感じで」という指示しかありません。

もし、上司からCEOからの仕事の指示が「いい感じでお願い」だとしたら、ちょっと困りますよね? でもなぜかカメラマンには「いい感じ」と頼むことが多いのが現状だと思います。とはいえ、カメラマンに指示を出すって専門家に指図するみたいで難しいって方もいるんじゃないかと思うので、以下にポイントをまとめました。

  • この写真(このイベントの写真)で表現したいことは何か

  • どのような感情や印象を与えたいのか(かっこよい感じと、可愛い感じじゃ仕上がりは変わりますよね。熱狂とクールでも変わりますよね? そういうことです)

  • 会社のトンマナとかカルチャー

ポイント2:ライト

カメラマン以外の人には馴染みがないので、けっこう見落とされるのが「ライト」です。光の当て方一つで、写真の雰囲気が変わりますし、そもそもライトを用意するだけで写真の質が上がるというのもポイントです。

↑こういうやつ。こういうやつに傘とかディフューザーをつけるだけでもOK

屋内で撮影する場合、既存の照明に加えて、別途ライトを用意するだけで明確に差が出ます。カメラマンが使うようなライトを天井に向けて照射するだけで、部屋全体がびっくりするぐらい明るくなって写真が綺麗になります。

なので、余裕があったら120W以上、できたら200Wクラスのライトを購入することをおすすめします。

ポイント3:「良い表情」を引き出す

どれだけ狙いが明確で、準備が完璧でも、撮影の瞬間に良い表情を引き出せなければ台無しになる可能性もあります。

集合写真撮影の最大の課題は、全員が同時に目を開け、自然な笑顔を見せることです。これに関してはマジで「連写」しましょう!

10枚だって20枚だって連写していいです。僕だって連写しています連写してから、後で一番表情の良い一枚を選べばOKです(編集アプリでどうにかすることもありますが、これはちょっと難易度高いので連写で)。

あと、掛け声と「勢い」がなんだかんだ大切です。慣れていないと恥ずかしくなって「撮りますよー。はい、チーズ」だけで終わるパターンも多いですが、これで良い表情になってもらうのは難易度が高いです。

お馴染みのポーズがあったらそのポーズで撮ったり、参加者全員でそのイベントなどにちなんだ掛け声を言うなどはしたほうが良いです。

その上でおすすめなのは、最後の写真を撮るときに「次で最後です。最後なので、周りの人にちょっと配慮はしつつ、拳振り上げる勢いでイエーイ!でいきましょう!」みたいな掛け声。そうすると、元気の良い写真に仕上がります。

一枚はカッコよく撮っておいて、もう1枚は元気よく、みたいなメリハリがあれば、場面で使い分けもしやすいと思います。

広報はカメラマンと一緒に声出しして盛り上げるのがおすすめ

まとめ

集合写真が、単なる記憶写真じゃないのことは伝わったでしょうか? 

集合写真は、企業の「物語」を伝え、共感を呼ぶ、広報 / PRパーソンにとっての強力な「武器」です。PRパーソンとして「誰に、何を、どう伝えるか」のウデを磨くのと同時に、「画作り」のスキルも磨いてみませんか?

写真のスキルは日常でも活かせる場面が多いので、そう言う意味でもおすすめです!


この記事は、#PRFunho Advent Calendar 2025の2日目の記事です。

#PRFunhoは広報に関わる個人をゆるやかに繋げる、広報Slackコミュニティです。Slackでのやりとりを通じて関係性を構築し、組織を越えた交流を実現するための場として2019年4月に発足しました。現在は2000名以上の参加者がいます。

広報業務に携わる方はどなたでも無料で参加できます。

もし御社で広報活動を始動していく際、広報を担当するメンバーに入っていただけると、他社の広報さんなど横のつながりができるのでおすすめです。もちろん代表の方でも入っていただけます。

参加申請はこちらから。

追記:2026年7月8日。

今年のIVS2026も集合写真は気合をいれて撮りました。

前日にステージ側のスタッフさん、照明さんも含めて話合いをして、今年は魚眼レンズでの撮影となりました。
この楽しい感じと、仲間って感じと「IVS2026」のロゴとかをちゃんとおさめるように立ち位置を決めて、マイクで皆さんを誘導しながら撮っています。

プロフィール

砂流恵介
「永遠の後輩」企業のPR・広報担当/ライター/カメラマン。宇宙ベンチャー「天地人」のPR責任者や、国内最大のスタートアップイベント「IVS」のPR、RIP SLYMEのライブ写真や動画の担当をしています。スプラトゥーン3の攻略本も書きました。宣伝会議 Web広報講座の講師もやっています。仕事のスタイルは「スタートアップからメガバンクまで」、持ち味は「永遠の後輩」です。


#創作大賞2026 #ビジネス部門

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砂流(すながれ)。永遠の後輩。 ありがとうございます!!!

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