合い挽きの正体
ハンバーグを作ろうと思い、
ミンチ肉を買いにスーパーへ行った。
いつもなら合い挽きを選ぶ。
だがその日は、棚から消えていた。
代わりに、牛ミンチと豚ミンチを別々に買った。
割合は、牛が4、豚が6くらい。
理屈ではなく、ただの感覚だ。
こねて、焼いて、食べてみる。
——あれ?
思った以上に、牛の味がする。
食感も、香りも、
ほとんど牛100%に近い。
そのとき、ふと思った。
普段「合い挽きミンチ」と呼んでいるものは、
本当はどれくらい牛で、
どれくらい豚なのだろうか。
勝手に、牛5・豚5だと思っていた。
だが、そうではない気がしてきた。
もしかすると、
牛2・豚8くらいなのかもしれない。
もちろん、調べれば答えはすぐに出る。
だが、その日は調べなかった。
味わっていたのは、
数字ではなく、印象だったからだ。
人は、内訳を食べているわけではない。
前に出てきた感覚を、
「それ」として受け取っている。
牛4・豚6で作ったハンバーグは、
確かに美味しかった。
答えが何であれ、
満足はすでに成立していた。
知らないままでも、
体験はきちんと完結する。
答えを知らないまま、
美味しくいただいた。
