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マッチングアプリを開くだけで消耗する内向型へ――恋愛市場での静かな生存戦略(後編)

前編では、主にマッチングアプリの消耗について書いた。(下部にリンクあり)

開くだけで疲れる。品定めされている感覚。深く話さないと人を好きになれない。そのような体験の話である。

この記事では、なぜ消耗するのかという構造と、それを踏まえてどうするのか、ということについて書く。


人ではなくプロフィールを見ていた

気づいたら、人を選んでいなかった。

写真、言葉遣い、趣味。その組み合わせが許容範囲であれば右にスワイプする。そういう判断を、繰り返していた。

社会が「良い相手の条件」として決めた軸で、人を切り分けている感覚があった。

恋愛目的でない場での出会いであれば気にしないことに目が行った。

「そもそも自分はそういう見方で人を選ばれたくない/選びたくない」という気持ちが、どこかにあったのに、比較できる状況だと、どうしても自分もそうなってしまう。

メッセージのやり取りも、慣れてくると似たような展開になっていく。「お仕事は何をされているんですか」「休日は何をされていますか」。

悪くはない。
でも、どこか型通りで、本当にその人と話しているような感触がなかった。

「この人と話したい」より先に、「この人は条件を満たしているか」を判断している自分がいた。

本来、私が人を好きになるときは、そういうプロセスをたどらない。もっと気づいたらそうなっている、という感じだ。

深く見てくれる人もいた

書いておきたいのだが、マッチングアプリで出会った人が全員表面的だったわけでは、ない。

自分と近い感性を持っている人もいた。

だからプロフィールを丁寧に読んでメッセージをくれる人もいた。

自己肯定感が削られていく

しかしそんな人はほんのひと握りである。
マッチングアプリという場が人を変えていくのかもしれない。

疲れた頃には自己肯定感も少し削られていた。

マッチしても返信が来ない。会っても次につながらない。それが続くと、「自分に魅力がないのかもしれない」という気持ちがじわじわ入ってくる。頭では「相性の問題だ」とわかっていても、感情はそう受け取ってくれない。

心理学の研究では、選択肢が増えるほど満足度が下がりやすく、判断の質も落ちていく傾向があると言われている。

また、候補を大量にリストアップすると相手への関心や受け入れやすさが下がるという報告も、オンラインデーティングの研究でいくつか示されている。

あくまで傾向であり個人差はあるけれど、量を増やすほどひとりひとりへの集中が薄くなっていく構造は、感覚的によく理解できた。

私には「数を回す出会い」が合わなかった

結論はシンプルだった。

マッチングアプリという仕組み自体が嫌だったわけではない。ただ、「数と速度で回す」というやり方が、自分の出会い方とずれていた。

出会いの場を整理してみる

マッチングアプリが合わないとなったとき、他に何があるのかを考えてみた。

出会いの場は大きく、「リアルかオンラインか」「恋愛目的かそうでないか」という二つの軸で整理できる。

■リアル × 恋愛目的

合コン、婚活パーティー、街コン。出会いを明確な目的として設計された場。

初対面でも積極的に動ける人には向いているけれど、短時間で判断・判断されるという構造は、マッチングアプリと本質的には変わらない。

■オンライン × 恋愛目的

マッチングアプリ、婚活サイト。自分のペースで動けるぶん、リアルの出会い系の場よりは入りやすい。ただ、この記事で書いてきたような消耗もある。

■リアル × 恋愛目的ではない

趣味のコミュニティ、習い事、勉強会、職場。出会いを目的にしていないぶん、自然なペースで関係を深めていける。深く話してから好きになるタイプには、もっとも相性がいい可能性がある。ただし、既婚者もいることが多く、出会いを求めている人も少ないことが考えられる。

■オンライン × 恋愛目的ではない

SNSやオンラインコミュニティ。共通の関心から始まるので、最初から話しやすい文脈がある。距離感を自分で調整しやすいのも、刺激に敏感な人には助かる。ただ、またリアルに移行するまでのハードルが独特にある。

どの場も、一長一短がある。「これが正解」という出会い方はないけれど、自分がどの場に消耗しやすくて、どこなら続けやすいかを知っておくだけで、動き方が少し変わってくると思う。

あなたはどちらに近いですか?

自分がどちらに近いか、確認してみてほしい。後者だとマッチングアプリにはエネルギーを要すると思う。

直感・比較型の人の傾向

  • 第一印象で「いける」と感じやすい

  • 複数の人と同時進行しても気持ちが散らかりにくい

  • 会ってから判断するスタイルが合う

  • マッチングアプリのスピード感についていきやすい

深掘り・熟考型の人の傾向

  • 話を重ねるうちに好きになるパターンが多い

  • 複数同時進行すると、誰のことも見えなくなってくる

  • 話の内容や考え方を知ってから会いたい

  • 数より対話の質を重視したい

消耗しないための実践案

深掘り型の人が少し楽になるかもしれない調整案を、いくつか挙げておく。

  • 同時進行する人数を意識的に絞る(2〜3人が上限の目安)

  • アプリを見る日と見ない日を決めておく(毎日義務にしない)

  • プロフィールだけで判断しきらず、メッセージで会話の質を見る

  • 「早く会う」より「話せているか」を基準にする

  • 自己肯定感が削られていると感じたら、いったん離れる

完璧にやろうとすると続かない。ゆるくていい。ただ、自分のペースを知っておくだけで、消耗の仕方は変わってくると思う。

疲れて恋愛を諦める前に、無理に自分を変えようとする前に、出会い方を少し見直してみてもいいのかもしれない。

▼前編はこちら


このnoteでは、内向型・繊細な気質を持つ人が消耗しすぎずに生き延びるための情報を、当事者目線で発信しています。 社労士(有資格者)・キャリアコンサルタントとしての知見も交えながら書いています。    

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