転職活動で消耗している内向型へ。――口下手な私が3度の転職活動を経て学んだこと。
転職活動を始めると、あの頃の感覚がよみがえってくる。
新卒の就活で、グループディスカッションに圧倒されたこと。
隣の人と自分を比べて、勝手に落ち込んでいたこと。
「自分はコミュ力がない」と何度も結論づけたこと。
あれから何年も経って、また似たような気持ちになっている。
面接のたびにぐったりする。
「うまく話せたか」を何時間も反省する。転職サイトを開くだけで疲れる。
エージェントとのやり取りがなんとなく苦痛。
一体、どうすればいいのでしょうか。
① 転職市場は、新卒就活とは少し違う
新卒の就活は「ポテンシャル採用」だから、明るさや積極性、コミュニケーション力が前面に出やすい場面が多かった。
グループディスカッションで場を引っ張れる人、面接で堂々と話せる人が有利に見えた。
でも転職採用は、基本的に「即戦力」として見られる。これまでの実績、業務の継続力、専門的な知識——そういうものが評価の中心になる。
「話がうまいこと」は確かに武器だけど、それだけが勝負じゃない。
落ち着いていて、論理的に話せて、誠実に見える人を好む会社も普通に存在する。
体育会系のノリが苦手な採用担当者だって、もちろんいる。
新卒就活で刷り込まれた「陽キャが勝つ」というイメージを、転職活動に持ち込まなくていい。
② 内向型が消耗する本当の理由
転職活動がしんどい理由を、「自分がコミュ力不足だから」と片づけてしまっていないだろうか。
実際は、こんなことが積み重なって疲弊しているケースが多い。
面接の詰め込みすぎ
1週間に何社も入れると、後半になるほど話が薄くなる。
面接は思った以上にエネルギーを使う。内向型は特に、準備→本番→回復のサイクルに時間がかかる。
「勢いで応募」してしまう
求人を見ているうちに焦ってきて、よく考えずに応募してしまう。合わない会社の選考を進むほど、消耗だけが増える。
面接後の一人反省会が止まらない
「あの答えは違ったかも」「もっとこう言えばよかった」——何時間もループする。これ自体がものすごく体力を奪う。
エージェントとの相性が悪い
電話が多い、レスが早く求められる、「早めに動きましょう」と急かされる——そういうエージェントは内向型のペースと合わないことがある。
※なおエージェント自体、いわゆる「人材会社の営業」なので体育会系が多く、内向型とは根本的に合わない人が多い印象だったりします。
エージェントは無理に使う必要はありません。
③ 「会社選び」より「文化選び」が大事
転職先を考えるとき、仕事内容や給与条件は当然チェックする。でも内向型にとって見落としがちなのが、会社の「空気」や「文化」との相性だ。
同じ業界でも、会社によって空気はまったく違う。
雑談が多い職場、飲み会が文化として根付いている会社、常にテンションを保つことを求めるような組織——そういう環境では、実力があっても消耗しやすい。
逆に、静かに集中できる環境、成果で評価される文化、コミュニケーションの量より質を大事にする職場なら、持っているものを発揮しやすくなる。
求人票で文化を読むときのヒント
「アットホームな職場」は要注意ワードとして有名だけど、もう少し細かく見るなら:
「チームワークを大切に」→ 雑談・飲み会文化がある可能性
「自律的に動ける方」→ 放任か裁量か、どちらかは口コミで確認
「成果主義」→ 数字だけが評価軸かどうか確認が必要
「少数精鋭」→ 少人数で密な関係性が求められることもある
求人票だけで判断せず、口コミサイト(OpenWork、転職会議など)で実際の社員の声を見る習慣をつけると、入社後のギャップがかなり減る。
面接でも、「どんな方が活躍していますか?」「チームのコミュニケーションはどのような形ですか?」と聞いてみると、文化の一端が見えてくる。
④ 職種の話を少しだけ
キャリアチェンジを勧めるつもりはない。それは本人の意向があることだし、簡単な話でもない。
ただ、参考として——同じ会社のなかでも、職種によって空気はかなり違うことは知っておいていい。
営業や接客はコミュニケーションの量が多くなりやすい一方で、外部との折衝がない管理部門系(経理・労務・法務等)やエンジニアなどの部門は、比較的静かに集中して仕事をする文化がある場合が多い。
しかし管理部門は電話対応が多いことがあるため注意。
今の職種が合っていないと感じているなら、職種変更も選択肢のひとつとして頭の片隅に置いておくくらいでいい。ただし、それはじっくり考えてから。
⑤ 消耗しにくい転職活動の進め方
「内向型向けの転職活動ルール」として、実際に意識してみてほしいことをまとめた。
応募数を絞る
多く応募すれば受かりやすい、は内向型には当てはまりにくい。選考が重なるほど回復が追いつかなくなる。「本当に行きたいと思える会社」だけに絞る。
面接は週2件まで
週に何件も入れると、後半の面接では自分のベストが出せなくなる。1週間に2件を上限にして、翌日には予定を入れないくらいの余裕を持つ。
電話メインのエージェントは避ける(エージェントを使う場合)
メール・チャットメインでやり取りできるエージェントを選ぶだけで、精神的な負担がかなり違う。最初の連絡の仕方でだいたいわかる。
「勢い応募」をしない
求人を見た瞬間に応募ボタンを押さない。一晩おいて、翌日も「行きたい」と思ったら応募する。それだけで、ミスマッチな選考に時間とエネルギーを使わずに済む。
回復日を意識的に作る
面接の翌日は、できるだけ転職活動から離れる日にする。一人でいる時間、好きなことをする時間——それが次の面接に向けたエネルギーの補充になる。
⑥ 「自然体」で通った話
無理に明るく振る舞って内定をもらっても、入社後にそのギャップに苦しむことがある。「面接のときと違う」と言われるより、「面接の印象そのままだ」と思われるほうが、その後が楽だ。
落ち着いていること、話をきちんと聞けること、誠実に答えること——そういうものを「安心感がある」と評価する採用担当者は確実にいる。
「自分を大きく見せようとしている感じがしなくて、信頼できそうだと思った」と言われた人の話を聞いたことがある。それは立派な武器だ。
静かな人が「静かなまま」通過できる選考が、世の中には存在する。
まとめ
転職活動は、どこでも通用する人間になるゲームじゃない。
「口が上手い人しか生き残れない」と思っていたのは、自分に合わない戦い方をして消耗していたからかもしれない。
合う会社はある。合う文化はある。消耗しない進め方もある。
それを探すための転職活動なら、きっと今より少し、楽になれる。
このnoteでは、内向型・繊細な気質を持つ人が消耗しすぎずに生き延びるための情報を、当事者目線で発信しています。 社労士(有資格者)・キャリアコンサルタントとしての知見も交えながら書いています。
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