【第24話:「夜にシャワーを浴びるのが、怖くなった日がある」】
風呂場の明かりをつけた瞬間、
一瞬だけ、自分の影が揺れた。
夜って、
狭い場所ほど音が響く。
シャワーの音が、
誰かの足音みたいに聞こえた時があった。
それからや。
夜にシャワーを浴びるのが、
ちょっとだけ怖くなったのは。
誰もおらへんのに、
誰かに見られてるような気がして、
石けんの泡も、背中も急いで流した。
髪を洗ってる時がいちばん怖い。
耳が塞がってると、世界が遠くなる。
タオルで顔を拭く頃には、
もう、部屋に戻りたくて仕方なくなってる。
でも部屋に戻ったって、
誰も待ってへんのにな。
