【痩せろと言ったくせに】 |エッセイ
私の血管と鬼ごっこした医者。
今度は、健康診断の結果発表である。
先生は紙をビラッとめくりながら、
「悪玉ぉー、んー、三角!」
と、やけに楽しそうに言った。
「まぁ諸説あるけど、僕はタマゴ反対派なんだよね」
悪玉コレステロールに“派閥”が出てきた。
「一番簡単なのは、体重落とすことかな。3キロ」
目の前の先生は、
軽く私の2倍くらいあった。
「僕、なんとなくわかるんだよね。」
カリスマホストのつもりか?
歌舞伎町の看板にある、
「〇億円プレイヤー」「君のことは全部お見通し」
みたいな顔するヤツ。
そして再検査の日。
私は当然のように、
診察室の隅の体重計へ向かった。
「体重計、失礼します」
ガシャン。47キロ。
よっしゃーー! 勝った!!
するとホスト先生(仮)は、
紙のカルテに、
「拒食症???」と書き込んだ。
疑問符が三つもついている。
いや、待て待て待て。
「今日はどうなさったんですか?
ん? 47キロ? 拒食症の相談かなにかですかー?」
って、間の抜けた声で聞いてくる。
……違う。違う。違う!!!
おまえが始めた物語だ!!!!
私は、
おまえの「三キロ落とそうか」を真に受けて、
四ヶ月、身体を絞ったんだ。
そういえば、
採血のことも忘れているらしい。
…私は体重を披露しに行き、
カルテには
「拒食症???」の女として記録された。
結局、悪玉コレステロールが
どうなったのかは闇の中。
「ちゃんと食べなさいよー」
ホスト先生(仮)の診察は終わった。
……痩せろって言ったの、あんただからな!!!
ーホスト(仮)の身体検査ー
ーホスト(仮)も診察するー
