新刊紹介・新装版『イタリア珍道中』~本場のサイゼリヤを探して~【試し読みあり!】
新装版『イタリア珍道中』~本場のサイゼリヤを探して~
旭堂南湖(文&写真)
A5サイズ
64ページ(カラー14ページ)
発行2026年6月(改訂第2版)
今年3月に発行した本作ですが、ありがたいことに大変ご好評で、品切れとなっておりました。
この度、皆様からの「読みたい」という嬉しいお声にお応えし、新装版として再販することになりました。
ぜひこの機会にお手に取っていただけますと幸いです。


講談師・旭堂南湖が書いた楽しい旅行記。
父と息子の珍道中。
本場のサイゼリヤを探して、イタリアまで。
ローマ、フィレンツェ、ベネチア、ナポリ、ポンペイ、カプリ島。
『ジョジョの奇妙な冒険』の聖地巡礼。
ダークオカルトツアーにも参加。
帰国後は万博のイタリア館で奇跡の再会。
さあ、ボンジョルノ!
内容
イタリア写真館【試し読みあり!】
『ジョジョの奇妙な冒険 第五部 黄金の風』聖地巡礼【試し読みあり!】
第一章 旅の始まり
ご挨拶【試し読みあり!】
時間・健康・お金
アジアへ【試し読みあり!】
ジョジョとサイゼリヤ【試し読みあり!】
二人旅
観光客
航空会社選び
第二章 出発
関西国際空港
アブダビ乗り継ぎ
第三章 イタリア入国
入国審査
ローマ・テルミニ駅
第四章 フィレンツェ
特急イタロ
フィレンツェの景色
ウフィツィ美術館
Tボーンステーキ
第五章 ダークオカルトツアー
はじめに【試し読みあり!】
一、ダ・ヴィンチの解剖
二、死刑囚の顔
三、ビアンカの屋敷
四、白い幽霊
五、いつも開いている窓
六、フィレンツェの怪物
七、オリーブの木【試し読みあり!】
第六章 ベネチア
水の都
墓の島
イカ墨パスタ
呪いの館「カ・ダリオ」
黄色のスカーフ
第七章 ナポリ
ライアンエアー
クラクション
ナポリピザ
駅での親切
コインランドリー
偽コイン
白いお皿
イタリア珍道中行程表
あとがき
【試し読み】イタリア写真館








【試し読み】『ジョジョの奇妙な冒険 第五部 黄金の風』聖地巡礼






【試し読み】第一章 旅の始まり
ご挨拶
グラッツェ、グラッツェ。
ボンジョルノ!
プロシュート・チェント・グランミ・ペ・ファヴォーレ!
いきなりイタリア語で失礼いたしました。
グラッツェは「ありがとう」。
ボンジョルノは「こんにちは」。
プロシュート・チェント・グランミ・ペ・ファヴォーレは「生ハム百グラムください」。
イ タリアのスーパーで生ハムを買う時に、私がいつも言っていた言葉です。
【試し読み】第一章 旅の始まり
アジアへ
本来、私は一人旅が好きです。誰にも気を使わず、自分の判断で道を間違ったり失敗したりしても、それはすべて自分の責任。気が楽なのです。
しかし、私には中学二年生の一人息子がいます。一度も海外に行ったことがない息子を誘ってみると、
「海外なんて興味ない。パスポートもいらないし、一生、日本で生きていく」
なんてことを言っている。
「いやいや、地球というのはもっと広くて、大きな世界があるんだ。海外に行けば景色も違うし、いつもと違った体験ができるから、そんなことを言わずに、行こうやないか」
まずは、物価も安くて食べ物も美味しいタイやベトナム、カンボジアなどを提案しましたが、
「アジアは嫌や。ごちゃごちゃしてる」
行ったこともないのにそんなことを言うのです。大阪の方がよっぽどごちゃごちゃしていると思うのですが……。
【試し読み】第一章 旅の始まり
ジョジョの奇妙な冒険とサイゼリヤ
私が、
「じゃあ、どこやったらいいんや」
と聞くと、
「イタリアやったら行ってもいい」
「なんで」
「本場のサイゼリヤに行きたい」
イタリアにサイゼリヤはないんですがね。
息子はとにかくサイゼリヤが好きで、一度、好きなだけ食べていいと言うと、一人で三千円分も食べました。私はいつも千円でお腹いっぱいになるのに。
それに息子は、アニメ『ジョジョの奇妙な冒険』の大ファンで、特にイタリアを舞台にした「第五部 黄金の風」の「聖地巡礼」がしたいと言うのです。
聖地巡礼とは、アニメや漫画の舞台となった実際の場所を、ファンが訪ね歩くことです。
『ジョジョの奇妙な冒険』の主人公は、ジョルノ・ジョバァーナ。
「俺はギャングスターになる」
という夢を抱き、様々な仲間との出会いや命懸けの戦いを経て、組織の中でのし上がっていく。そんな物語です。
私もアニメを見てみると、非常に面白い。
息子は舞台となったイタリアの街を自分の目で見たいと言い、ついでに、
「俺はギャングスターになる」
「それはやめてくれ」
と言いました。
【試し読み】第五章 ダークオカルトツアー
はじめに
フィレンツェは華やかな観光地ですが、歴史的に見れば、陰謀、殺人、怪談、未解決事件など、背筋が凍るような恐ろしい一面もあります。
そんなフィレンツェの「暗い謎と伝説」を巡る「ダークオカルトツアー」も開催されています。どんなツアーかというと、夜にフィレンツェの街を一時間四十五分ほど歩きながら、案内人の語る物語に耳を傾けるというもの。
料金は日本円でわずか四百円。その代わり、ツアーの最後に、案内人へ気持ちのこもったチップを渡すのが重要なルールとなっています。
残念ながら未成年は参加できないため、私一人で参加してきました。
当日は雨。案内人は若い女性。参加者と一緒に夜の街を巡り、フィレンツェの恐ろしい歴史を聞いて回りました。昼間の華やかな雰囲気とは打って変わり、街灯に照らされた石畳は冷たく、路地に入ると、そこには闇が広がっていました。
【試し読み】第五章 ダークオカルトツアー
七、オリーブの木
ウフィツィ美術館の裏手に、細い路地があります。
一九九三年五月二十七日の午前一時過ぎ、この路地で凄まじい爆発が起きました。犯人はシチリア・マフィア。当時、イタリア国家による取り締まりに追い詰められていた彼らが起こした無差別テロでした。
爆風は、隣のウフィツィ美術館の壁を突き破り、貴重な名画を粉々に破壊しました。このテロにより、四十八人が負傷し、五名の命が奪われました。犠牲者の中には、この路地で暮らしていた、わずか九歳の少女ナディアと、生後五十日の妹もいました。
事件の三日前、ナディアは学校の授業で「夕暮れ」というタイトルの詩を書いていました。
「日は沈み、空は暗くなる。けれど、私の心には光がある。それは明日になれば、また新しい日を連れてくる光」
この詩は、爆風で崩れたがれきの中から見つかり、今も人々の心に深く刻まれています。
事件のあった場所には、一本のオリーブの木が植えられました。しかし、日の当たらないこの路地では、木は何度も枯れてしまいました。それでもフィレンツェの人々は、
「悲劇の記憶を決して忘れてはいけない」
と、新しい木を植え続けたのです。現在は、若木と共に、決して枯れることのない、オリーブの木をモチーフにしたブロンズの彫刻が設置されています。
案内人の女性は、最後にもう一度ナディアの詩を朗読し、
「フィレンツェには深い闇もありましたが、明日になれば、また新しい光がこの街を照らしてくれます」
と静かに語り、ツアーを締めくくりました。
イタリアに行ったことのある方は懐かしく感じ、ない方はきっと行きたくなる。
楽しく読めるイタリア旅行記です。
続きは本書でお楽しみ下さい。
さあ、ボンジョルノ!
ネット通販もあります。
2026年今後の出店予定
9月13日(日)12:00〜17:00
文学フリマ大阪14@インテックス大阪2号館
入場無料
10月12日(月・祝)11時~16時
ZINEフェス文芸-詩歌と日記-@大阪市中央公会堂 3階 中集会室
入場料500円
